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さくらいろ

6 引っ越し

3月末つくしは、荷造りをしていた英徳大学の合格通知が届き、4月から西門邸で暮らす為だ「本当に行くのね?」「うん。」千恵子はそれ以上何も言えず黙り込む晴男が亡くなり、母子家庭でもここまで安定した生活が送れたのは、全て家元のおかげその家元から、面倒を見るから安心して預けて欲しいと言われたら、何も言えない「私の事は気にしないで、西條さんと一緒に暮らせば?」「つくし、、」西条とは千恵子のお相手だそしてその...

5 受験前夜

つくしは貰った地図を片手に、何とか西門邸に着いたそのあまりにも大きすぎる敷地にビックリする物の、入り口のインターホンを押すと中から家元と女性が出てきた「つくしちゃん、いらっしゃい。 無事辿りつけたようだね。」「はい」家元の姿を見てホッとすると同時に、やはりここが家元の家だと判る「紹介しよう。 家内の雪乃だ。」初めて見る奥様はとても綺麗で、物静かな印象だ「初めまして。 雪乃と申します。」「初めまして...

4 総二郎のボヤキ

類は、いつも通り昼前に大学へ向かった講義が始まると学園の門は防犯上閉められるだがF4の車は、何時いかなる時も出入り自由だその為、今日も警備員は素直に門を開け、類の車を入れてしまった先に異変に気付いたのは運転手だ中に入った物の、シーンと静まり返り人の気配が無い駐車場まで来ても、車が一台も無い「類様? 今日は休校じゃないでしょうか?」その言葉に、後部席でウトウトしていた類は目を開け周囲を見渡す確かに誰も...

3 半年後の秋

それから半年後の秋家元は、総二郎と光三郎に告げた「明日、英徳大を受験する大切な人の女性が此処に来る。 もし受かったら4月からこの家に下宿するからそのつもりで。」はあ?と言う顔をする総二郎と光三郎だが、拒否権など二人には無いそんな二人に、家元は詳しい説明もなく夫人とその場から出ていった互いの顔を見合わせる総二郎と光三郎「どう言う事だ?」「まあ、、そう言う事になるんじゃない?」口に出さないまでも、それ...

2 関係性

大学の入学式で、類は久しぶりに親友達に会う「よぉ! 無事大学生になれたな」と、あきらは手をあげ和やかに話す「当り前だろ? 俺達を誰だと思ってんだよ」と、司はフフンッと鼻を鳴らしながら言う「んで司はNYからいつ戻ったんだ?」と、総二郎は早速春休みについての生活を問う司は高校卒業式後、すぐにNYへ連れて行かされたもちろん、将来の為に仕事の顔合わせなどをやっていたのだろうが、その間三人も忙しく、連絡を取り合...

1 出会い

類は両親に連れられ静岡に来ていたその目的は、静岡支社主催の品評会への出席四月から大学生になる類も将来を見据え、今から得意先に顔を売っておこうと言う算段だもちろん類は嫌で仕方ないのだが、これも定めと諦め渋々ついてきた品評会前日に静岡入りした三人は、海が見える旅館に泊まった部屋に入ると、今にも太陽が海に沈むと言う絶景が三人を出迎える「ちょっと、海へ行ってくる」「良いけど、夕食までには戻ってちょうだいね...

番外編⑰ (類編)

類は夢中でLilyをあやしている一歳になったLilyは、ヨタヨタと歩きとても可愛いそれに言葉らしき物も発するL「ダッ、ダッ、ダッ、、、」類「ダディじゃ無くパパ。 パ~パ。」L「ダッ、、ダッ、、」どうやら類は、パパと言わせたいらしいのだが、なかなか上手くいかない華「パパ? 本当にパパって呼ばせるの? じいじでも良いんじゃない?」つ「うん。 良いと思うよ?」類「じゃ、俺がじいじなら、つくしはばあばだよ...

番外編⑯ (総二郎編④)

結婚式や披露宴も無事終わり、二人はそのままホテルで宿泊する事にしたそれは、疲労困憊の心音を早く休ませたいと言う総二郎の思いからだシャワーを済ませた心音は、ドキドキしながらバスルームを出ると、丁度ルームサービスが運ばれたところだった「おっ、心音。 お腹空いただろ? 適当に頼んどいたから好きな物を食べろよ。」確かに緊張から食べ物を全く口にしていないだが特にお腹も空いていないなぜなら、今も別の理由で緊張...

番外編⑮ (総二郎編③)

10月の体育の日の三連休に総二郎と心音の結婚式が執り行われるその前日、心音の荷物は西門邸へ運び入れたと言っても、洋服や学校関連の品のみ家具類は全て西門の物を使用する事にした既に9月の心音の誕生日に入籍を済ませているだが結婚式が終わるまでは花沢で過ごす事になっていたそれは類の希望この家から嫁がせたいと言う思いからだガランとした部屋を見て、心音の胸には寂しさが込み上げるこの家には沢山の兄弟がいた弟妹と...

番外編⑭ (総二郎編②)

結納の後、心音の夏休みを利用し、二人は西門の重鎮への挨拶回りを行ったもちろんすべて日帰りだそして二人は着物夏用の着物とは言え、蒸し暑い夏場は大変だ総「疲れてねぇか?」心「うん。」弱音を吐かない事は想定済みだが内心は、かなり疲弊している事も把握済み総二郎は心音の手をギュッと握る二人は今、京都へ向かう新幹線の中だ総二郎が家元になる前に修行していた寺へと向かっている総「なあ心音。 俺と二人っきりの時は息...

番外編⑬ (総二郎編①)

結婚まで約二ヶ月となった8月上旬西門家が花沢家を訪れた今日は大安吉日総二郎と心音の婚約が正式に執り行われる本来ならば、もう少し早い段階に執り行う予定だったのだが、なにぶん心音は3月までは中学生四月からやっと高校生になったばかりそれに総二郎の方も、春の茶会など行事で忙しく、なかなか日程が合わなかった結納は仲人を立てない略式だが、結納品は9品目を用意し、昔ながらの形式にのっとり粛々と進めていく予め決め...

20 愛してる

類の病室の前の長椅子には、あきらと総二郎と佳代が座っているあきらも仕事の途中で、やっと到着したところだ「上手くいったようだな」「あぁ。 さっき牧野が叫んでいたよな」「くっくっくっ。 『類~! 死んじゃやだ~』だったっけ?」「そうそう。 くっくっくっ、、」二人は、中の二人の邪魔にならないよう、声を落として笑うそれには佳代も苦笑いだ「それにしても類の奴、司の結婚相手が牧野じゃねぇと分かった途端、行動が...

19 互いの気持ち

類はだんだんと意識が回復してきたすると誰かが手を握っているのが分かるそれは温かな手だ誰?ゆっくり目を開けると真っ白い天井が目に飛び込むあれ?確か仕事をしていたはず、、と思う類の耳に、つくしの声が聞こえてきた「類?」えっ? なんでここに牧野が?と思いながら、ゆっくり顔を横に向けるするとそこには涙を流しているつくしの姿そしてつくしに手を握られている事を知る「あんた。 どうしてここに?」「美作さんから、...

18 ばかっ!

つくしは次のページを開ける《 3on3 俺が時間を止めてやると思った瞬間 》懐かしいあれはまだ高校二年の頃だった道明寺に連れられて行った島で、同じように一緒に来ていた類が以前と変わりすぎていて、その儚げな姿に思わず抱きしめキスをしたそれを見た道明寺が、あたしと類を学園から追い出すと言い始めて、、そこから椿お姉さんが現れて3on3で決着する事に、、やる前から分かっていた相手は、道明寺、西門さん、美作さん...

17 スケッチブック

ベッドに横になっている類は、青白い顔をしているまるで永遠の眠りについたような穏やかな表情に、つくしの心はドキドキと激しく鼓動を打ち付けるその類の元へゆっくりと歩み寄る総二郎が言っていたように、手の施しようが何もないのか、かろうじて点滴だけが付けられ、ゆっくりと類の身体に液体を送っている心拍数や血圧を測る機械すら設置されていないまるで見放された感じがして、つくしの胸がギュッと押しつぶされる静かに眠る...