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さくらいろ

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土曜日、、類は仕事をしていた夏商戦は花沢が最も苦手とする所ワインの売り上げは、ボジョレー解禁からホワイトデーまでが主流それに合わせてチーズやチョコレートなどの輸入品も冬場がメインつまり夏商戦を戦う商品が無い今年の夏は、何をプッシュすべきか?企画書をチェックしていると類の携帯が振動する表示を見ると静からだ「何?」『あっ、類! 今どこかしら?』「仕事! 会社だよ!」能天気な声色に、つい語気が荒くなる『...

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つくしは、司と共に千葉へ向かった降り立ったところは芝生のようで弾力がある目の前にはぼんやりと建物が見える「此処が家だ。 家の前には4台停められる駐車場になっている」「四台も?」「それぐらい必要だろ? んで玄関まで点字ブロックを敷いた」言葉通り、一歩横にずれるとごつごつとした物に変わるその上を司の腕を取りながら歩く玄関を入ると直ぐに横の手すりに手を乗せられる「手すりはダイニングまで続いている。 途中...

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そこには司の他に二人の男女がいた「おっ、来たな」つくしは総二郎に促され席に着くと、早速司が紹介を始めた「こちら盲導犬協会の桜井さんと松本さんだ。 何分初めての事で、今後も色々指導して貰う。 そしてこちらが牧野だ。 この事業のアドバイザー兼運営補助責任者だ」ん?盲導犬協会?それって盲導犬の育成だよね?とつくしは思うアドバイザーと言う事は、助言や忠告を行う人しかも運営補助責任者とは、かなり上の立場だど...

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つくしは、皆に惜しまれつつ花沢を退社したその顔には眼鏡があるその足で花沢邸に寄ると、佳代が駆け寄ってきた「お久しぶりです」つくしは頭を下げる「牧野様、、」佳代はかける言葉が見つからない前回会ったのは二カ月ほど前の事その時には眼鏡は無く、ただ告げられた言葉に驚いた『弱視と言われました。 これからだんだん視力が低下して来ます。 ですから類とのお付き合いも』此処でつくしは言葉を切った唇を噛みしめ苦渋の表...

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それから更に一週間が経った類は何時ものようにパソコンに向かって仕事を熟しているそれはどこか鬼気迫るものがある仕事をしていないと、つくしの事を思い出すからだ週末は、相変わらず静と会っている静が類の家を訪れ、連れ出すように街へ出かけるそれはブランドショップだったり高級レストランでの食事だったり夜景の見えるムード満点の場所だったりだだが、類の目は静を通り越し、どこか遠くを見ているそれに、どんなにホテルへ...

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三週間が過ぎたつくしはホテルと会社の往復の毎日だ突然辞める事にしたが、会社に迷惑はかけたくないその為、新しい担当者と一社一社挨拶回りに精を出したそれに仕事をしている時は、類の事を考えずに済む事も助かっているこういう時、一点集中型で良かったとつくづく思う程だ当然外出している為、社内で女子社員の噂話を聞かないあれからも雑誌を賑わせているのか分らないが、少なくとも何も目にしない事で平静を保てているそして...

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つくしは、タマが置いていった司からの袋を開けるそこには点字の本が入っていた確かに近々必要になる事だし、今なら何とか学習できるペラッと捲ると小さな文字がぼやけて見える――また視力が低下しているつくしは気分を変える為に、シャワーを浴びる事にし、バスルームへ向かった服を脱ぎバスルームに入ると鏡に自分の姿が映るその鏡に顔を近づけると、前髪をかき上げる額と前髪の境目にくっきりと残った傷痕赤札を貼られた時、石を...

ホテルは、やはりメープルだったそれでも一番下のランクの三階の部屋にホッとするその中に入ると、直ぐに食事が運ばれる「あんた、食欲も無いんだろ? こんなにやつれて、、」「これは風邪をひいた所為で」「病は気からと言うだろ? 気持ちが不安定だから風邪を引いたんだよ。 まあ良いから、沢山お食べ」「じゃあ、タマ先輩も一緒に」このままでは、つくしも食べにくいと判断したタマは、つくしの前に座り一緒に食事を始めた「...

マンションへ戻ったつくしは、ベッドに崩れ落ちた自分から別れを告げ、類の幸せな未来を願っただが、まだ別れて四日目こんなに早くあたしの事を忘れ、他の人へ目を向けるとは思わなかったあたしと同じように、暫く傷心で涙にくれ、その傷が癒えるまで時間を要すると思っていたその上、新たな恋の相手として静さんを選ぶとは思いもしなかった確かに半年ほど前に離婚したと類から聞いた今度は幸せになれると言いな、、と、しみじみと...

水曜日になり、つくしはやっと出社したそして頃合いを見計らい、直属の上司に退職したい旨を告げた「突然どうしたんだ?」「申し訳ありません。 得意先には引き継ぎも兼ねキチンと挨拶するつもりです」「という事は、約一ヶ月ほど先か?」「本当に申し訳ありません」つくしは深々と頭を下げる上司も大きな溜息を吐くものの、仕方ないと思い直す「牧野に辞められると、うちとしては大きな痛手なんだが、後任はそうだな、、大野と相...

それは、乗換に乗換を重ねているホームでの出来事だった外国人夫婦がチケット片手に、つくしの乗る汽車を指差しているそのチケットにはまさにつくしが向かう駅と同じ駅名が書かれているへぇ、、あんな田舎に観光に行くんだと思っていたつくしは、その外国人夫婦と同じ汽車に乗り込んだそしてもうすぐ到着と言う頃になっても、外国人夫婦は席に座ったまま寛いでいる焦るつくしこの汽車は、到着と同時にすぐ出発する30秒も待ってはく...

翌火曜日、、田村が大慌てで類の執務室に駆け込んだその手には、雑誌の青刷りが握られている「類様! 大変でございます。 明日発売の雑誌に、このような記事が載るそうです」と、類の机の上に青刷りを置くそこには、類と静のキスシーンの写真と共に、レストラン風景や花沢の車に一緒に乗り込む所などの写真もあるそして見出しには『花沢物産御曹司と藤堂商事の御令嬢が親密交際。 それと共に二大企業は合併か』と書かれている類...