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青い空【本編】<完>

20 運命の別れ目

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静「ちょっと待って! 確かに類がフランスに来た時、私も忙しくて類の気持ちに
  毎回答える事は出来なかったけど、それでも出来る限りは応えたつもりよ?
  あの時の事、まだ根に持っているの?」

あの頃の俺って、そんな風に見られていた訳だ
つまり、やりたい盛りで、何時でも静に盛っていたと?

まあ、初めの間はそうだったかもな
だって好きだと思い込んでいた女を、やっと抱けたんだからさ

でも、、知ってる?
あんたに触れて、あんたの裸を見ても、そこにそそられるものは何一つなかったんだよ?

そりゃ拙かったと思う
それに、その時の声や表情が、演技からくるものだって、直ぐに分かったしね

その上、静の中に入れた時も、、あれ?って感じだった
まるでブラックホールのようで、どんな物でも飲み込む感じ?
ホント、、何で静を追ってフランスへ行ったんだろう?
そして、、なんであんな事をしたんだろう、、、


類「あの時の事は、今では俺の黒歴史
  過去は変えられないけど、二度と思い出したくない過去かな」

静「あの時、、類がいるにもかかわらず、マイヨール氏と噂になったから?
  あの時にも言ったと思うけど、彼とは本当に何も無くて、、
  ただ食事をしたら、いつの間にか婚約報道になっていたの」
と、必死に弁明する

俺が、あの時の事を嫉妬しているとでも?
だからそんなに弁明する訳?
相変わらず、自意識過剰な女、、
まるで、、自分から離れていくはずがない、、と高を括っているようだ

類「だから、、あの時の事は、二度と思い出したくないっていてるだろ?
  それに、静が日本に帰国し、藤堂商事の後継者になるのは勝手だけど、
  政略結婚で生き残りをかけるやり方は最低だろ?
  きちんと仕事で業績を伸ばす方法を、考えれば?」

俺の言葉に、信じられないと言った表情を見せるけど、当たり前の事だろ?
政略結婚により、一時的に業績を回復させても、それは長続きしない
要は、きちんと経営努力をすべきなんだよ

静「私と、、結婚できるチャンスなのよ?
  確かに、会社の方は業績が芳しくないけど、類と一緒ならきっと、、」

類「あのさ、、その言い方だと、静と結婚出来る男は、至福の喜びであるかように聞こえるんだけど? 
  でもそれは、俺には全く通じない」

静「もしかして、、類は、他に好きな人が出来たの?」

どうしてこうも、自分中心に物事を考える奴なんだ?
この言い方って、まるで俺の恋愛にも、静の許可がいるみたいじゃない?
それに、、、俺は、何時までも静を思い続けていると思っているしさ

類「好きな奴がいるし、そいつと付き合ってる」
と、きっぱりと目を見て告げる

俺の言葉に、今日何度目かの驚きを見せる静
驚く事でも無いと思うけど?

類「だから、偽装にしろ、そうでないにしろ、婚約結婚は考えられない
  それをはっきり伝えたかったから、今日静を呼んだだけ」

静「類の好きな人って、、もしかして、、牧野さん?」
類「そうだけど?」

静「司が大河原さんと婚約したから?
  だから牧野さんは、類と?」

類「いや、、あの二人が婚約する前から、俺達は付き合ってる」
静「そう、、、」

ポツリと小さく呟く静

これで分かっただろうか?
俺は、、静とは、偽装であれ婚約などしたくない


静は、パッと表情を変えると、、
静「そう言う事なら仕方ないわ。、牧野さんとお幸せにね」
と、笑顔で告げる
でもそれが、無理して作られた物だと判る

女の意地?だろうか、、
静のプライド?
何か判らないが、認めざるを得ないと言った所だろうか?
それとも、既に俺が、静の下僕じゃないと分かったからだろうか?
まあ、どうでも良いけどさ

類「もちろん、、牧野と幸せになるよ」
静「じゃ、、改めて乾杯しましょ? 類と牧野さんの幸せを願って」
類「ありがと」

俺も手にワイングラスを持ち、そのグラスをカチンと合わせた


食事も終盤に差し掛かり、そろそろ出ようか、、となった頃

類「車を呼ぶよ」
静「それなら、このレストランから数10メートル先に、タクシー乗り場があるわ。
  その方が、早いんじゃないかしら?」
と、タクシーを勧められた
確かに、その方が早く帰れるか?と思ったのが間違いだった

類「分かった。じゃタクシーで静を送るよ」
静「えぇ、、どうもありがとう」

こうして二人揃ってレストランを出る
そしてタクシー乗り場に向かって歩きはじめたのだが、ほろ酔い気味の静が、俺の腕に手を回し、もたれ掛るように歩く

直ぐにでもその手を払い除けたいが、この状態では仕方がないか、、と思い直す
とりあえず、静との話は決着した
俺との婚約は破棄すると、きっと両親に伝えてくれるだろう
そう言う思いだった


すると、、
突然、そのタクシー乗り場付近から、大きな叫び声が上がった

咄嗟に、身体が動き静を守る様に抱きしめる
その時、、大きな爆発音と夜空を染めるような閃光が走った



それを最後に、、、
俺の記憶は途絶えた


***

つくしは、バイトの休憩中にラインを開いていた
そこには、類からのラインが入っていた

<今夜、静と食事に行ってくる。 帰ったらまた連絡するから>

静さんと食事か、、
弁護士の仕事、頑張っているんだろうな

今頃、もう食事が始まってて、このラインに気付かないかも知れないけど、、
と思いながらもラインを打つ

<静さんによろしく伝えてね>

そして再び、午後からのバイトへ向かった


つくしが午後からのバイトに励んでいる時、、
テレビニュースに速報が流れ始める


『フランス・パリ市内で、自爆テロが発生した模様』








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