FC2ブログ

Welcome to my blog

青い空【本編】<完>

19 話し合い

0 0

フランスに来て、父親から話を聞き、直ぐ静に連絡を取った
そして、三日後夕食をともにしながら、会う約束を取り付けた

指定されたレストランは、やはり三ツ星レストランと言われる高級レストランだった
待ち合わせ時間より、キッチリ5分遅れてくる静、、
相変わらずだと思った

昔っから、相手より先に来て、待つと言う事をしない
そして悪びれた様子もなく、当たり前と言った感じで目の前に座る

静「類、、元気だったかしら?」
類「あぁ、、それより忙しいみたいだね」

静「まあ、そうね。それより先に、料理を頼みましょう?
  ここは、子羊のアントレが美味しいの。それで良いわよね?」
類「あぁ、、」

昔っから変わらない
相手の意見を聞くのではなく、全て自分で決め、相手にもそれに従えさせる

静「ワインは、これで良いわよね?」

ほらね
既に、決定事項だ
俺の意見を聞こうともしない

静「何時からフランスに来ていたの? そう言えば今は夏休みよね?」
類「一週間前。その前にイタリアへ行ってたから」

静「そう、、類もそろそろ仕事を手伝い始める時期になったのね」
類「いや、、まだそこまでは」

静「隠さなくてもいいのよ? 真面目に大学に行っているんですってね。
  早く単位を取って、仕事に本腰を入れるつもりなんでしょ?
  あの類が、暫く見ない間に、すっかり大人になったわね」

仕事に本腰を入れる為じゃない
牧野に迷惑をかけない為だ

俺がサボっていたら、牧野と付き合っているからだ、、と言われかねない
それだけは言われたくないから

類「静の方はどうなの? もう弁護士としてバリバリ働いているんだろ?」
静「そのつもりだったんだけど、現実はなかなか上手くいかないのよね。
  フランスの大学も法学課程を学びながら、弁護士事務所で見習いをしていたんだけど、、」

類「そうだったよな。毎日遅くまで帰ってこなかったし」

すると静は、類の顔を見てクスッと笑う

まただ、、
静は、昔っから俺を小馬鹿にしたように笑う

いや、従順な下僕と言った扱いだ
それに気付いたのは、牧野に出会ってからだ

それまでは、この静の笑顔も俺だけに向ける尊い物として、、
全て自分で決める事も、決断力のある出来る女として、、
遅れて来る事も、当然の行為であるかのように、全て錯覚していたんだから

でも牧野と出会い、、
その素直な喜怒哀楽を見ていると、静の全てが作られた物、そして女王様気取りで自信過剰である事が分かった

逆に言えば、静をずっと見てきたからこそ、牧野が俺にとって忘れられない人物になったのかもしれない

今まで女神のように思っていた女性が、実はただの偽善者面したお嬢様だって事に、気付かされたんだから


静「類がフランスに来てくれた事は嬉しかったわ。
  家を飛び出してこちらに来たのは良いけれど、やはり不安だったもの。
  でも、どんなに疲れて帰宅しても、類が手を広げて待ってくれたでしょ?
  それにどれだけ勇気づけられた事か、、」

良く言うよ
そりゃ、初めのうちはそうだったかもしれないけど、静にとって俺は下僕で、体の良いセフレだろ?

あの頃の俺は、ホントどうかしていた

幼い頃から憧れていて、静の言う事は絶対だと信じていたし、思春期になりそれが恋かも?と思い始めると、少しずつ気のある素振りで接する静にのめり込んだ

小学生の頃から、キスは当たり前だったし、それが深い物に変わるのにも時間はかからなかった

『類にだけ、、特別よ』
その一言で、静にしか目が行かない様マインドコントロールされていた

思えば、幼い頃から男を誑かす術を身に着けていたんだろう
それは、周りから受ける羨望の眼差しと、容姿に絶対の自信があったからだろう

そしてそれは、、、今も変わらない


類「じゃ、静の夢だった弁護士になる為に、ここで頑張るんだよな?
  藤堂の家とは縁を切っているんだろ?」
と、何も知らないフリで問う

静「そのつもりだったわ。でもやはりここで一人で過ごすのは寂しくて、、
  それに、大学と弁護士事務所の二足のわらじは、とても疲れる物なの。
  これが後二年も続き、その後司法試験を受け、更に一年半なんて、、
  甘い考えだったと言われても仕方ないんだけど、実家に戻ろうと考えているの」

その言葉に、類は眉間に皺を寄せる

類「それって、藤堂商事を継ぐって事?」
静「そう言う事になるわね。それが実家に帰る条件だから」

類「今、水面下で、俺と静の婚約、結婚話が出ているの知ってる?」
静「えぇ、、お父様にお聞きしたわ。
  私は別に受けても良いと思っているの。
  だって類の事は良く知っているし、類となら上手くやっていけるはずだし」

何が俺の事は良く知っているだよ、、
何が俺となら上手くやれるだよ、、

どうせ俺なら、上手く尻に敷けるし、言いなりに出来ると思っているんだろ?


類「俺は嫌だから。静との婚約や結婚は、一切考えられない。
  もちろん、偽装と言えども受け入れられない。
  だから、他の相手を探せよ」
と、突っぱねる

俺の言葉に、今まで余裕だった静の顔が、強張るのが分かる
信じられない、、と言った感じだ


そうだよ、、
俺はもう、、あんたの下僕じゃない、、

何時までも弟の様に扱われるのも、真っ平御免だ

俺は俺の意思で、この先もずっと歩んでいく
静の事なんて、どうでも良い


関連記事
スポンサーサイト



0 Comments

There are no comments yet.

Leave a reply