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青い空【本編】<完>

16 トスカーナ

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イタリアに着いた類を、田村が出迎え、二人は直ぐにトスカーナへ向かった
その道中、一面のひまわり畑に目を奪われる

類「ちょっと停めて」

車を路肩に停めると、すぐさま車から降り、携帯を取り出す
そしてその景色を写真に収めた

田「類様?」
類「悪い、、あまりにも綺麗だから」

田「そうでございますね。この辺りは、このひまわり畑も見所の一つで、
  年間を通じて気候も良く、避暑地には最適の場所でして、、」
と、説明を始める

その田村の説明を聞きながら、遥か昔の記憶を辿る
確か以前、、ここを訪れた時は、幼稚舎ぐらいだっただろうか?
こういう魅力的な場所だとは、知らなかった

類「良い所だな」
田「さようでございます。ですから、今のうちに分譲された方が、、」
と、更に説明しようとする田村の言葉を遮り、、

類「とりあえず、目的地まで行ってみよ?」 
と、現地へ行く事を願い出た

田村の話を聞く限り、彼は避暑地とし分譲したいようだ
それだと、圧倒的に避暑地寄りの話ばかりをするはず
それより、先入観なく視察をしたかった
真っ白な頭で、考えたかった

少し進むと、ひまわり畑から、ブドウ畑に変わった
それから10分程で、車はその中へと入って行った

小さな一軒家の前に、車が停まる

あぁ、、こんな家だった、、と、懐かしさが込み上げる
中に入ると、綺麗に掃除が行き届いているのが分かる

その机の上に、田村が図面を広げ始めた

類「田村、、今日からしばらくの間、ここに泊まるよ」
田「はぁ?」

着いてすぐの俺の言葉に、田村は呆ける
これから、分譲地にする旨の説明をする予定だったのだろう

類「だから、それ置いててくれる? 
  分譲するにしても、ここがどんな環境なのか知りたいし、
  ブドウ畑もじっくり見ておきたいしさ。ここ住めるよね?」

田「はい、、管理人を置いておりますので、、
  それでは、その者に食事の手配をさせますが、今日一日で宜しいですか?」

類「ん~~二週間ぐらい?」
田村は、あまりにも長い期間に驚く

田「類様、、それでは、フランスへはいつ行かれるのですか?
  社長と奥様が、お待ちになられておりますが、、」
類「別に良いんじゃない? 今更親子で仲良くって年頃でもないしさ。
  じゃ、、二週間後に、また迎えに来てくれる?」

田村は、眉をピクピクさせながらも、、
田「畏まりました」
と、渋々了承した
そうして類の荷物を降ろし、田村は帰っていった

類は、昔を懐かしむように、その家を隅々まで見ていく
そう言えば、、昔、あいつらとバカンスにここに来たんだったっけ?
確かその時、、

類は、昔の記憶を呼び起こしながら、外に出て緩やかな丘をあがっていく
そこには、すっかり大きく育った4本の木があった

類「すごっ、、10年でこんなに大きくなるんだ」
と、感嘆の声を上げる

その丘から、眼下に広がるブドウ畑を見る
そよそよと吹く風も心地良い

そんな中、携帯を取り出し、つくし宛てにラインを送る
< あんたも、連れてくれば良かった >

そして、先程撮ったひまわり畑の写真と、この丘から見えるブドウ畑の写真を送付した


それから二週間、、
そこでのんびり過ごす

日本とは、時差の関係と、つくしのバイトの関係から、ラインを送っても直ぐに返事は来ないのだが、それでもその日あった事を呟くと、必ず返事がある事が嬉しい

そうしながらも、パソコンでトスカーナの地価の動向を調べたり、ブドウ畑を見に行ったりと、取り敢えずいろいろ調べていた

そんな中、、つくしからラインが入る

< すごく良い所だね。
そこのブドウ畑でワインを作るの?
きっと美味しいんだろうな >

その文面に、クスッと笑いが漏れる
そして、腹の内が決まった


類が、トスカーナで過ごし始め、二週間が経った頃、田村が迎えにやってきた

田「類様、、こちらで過ごされてどうでしたか?
  すごく静かで、別荘地には最適の場所だとお分かりになられたかと、、」
類「ん、、凄く良い所だよな。 だから、このまま残す事に決めた」

田「えっ!」
田村は、目を見開いて驚く

田「このまま残す、、ですか?」
類「そう、、ここのブドウで、ワインを作ってみようと思う」

田「ですが質の良いブドウは10年ほどかかりますし、そもそも質の良いブドウに育つかどうかも判りませんし、、」
と、渋る

類「でも、、もう決めたから」
と、田村の意見を遮り、断言する

それだけを告げると、荷物を持ち迎えの車に乗り込む
その類の後ろ姿を見て、田村は溜息しか出てこなかった
そして二人は、類の両親の居るフランスへ向かった

フランスへ着いた類は、すぐさまその事を社長である父親に告げた

類「あのトスカーナのブドウ畑、、そのまま残して、ワインを作ろうと思う。
  まあ、10年後になるんだけど、そこからずっと一定の収入が得られるし」

聡「10年か、、気の長い話だが、まあそれも良いだろう」
と、類の意見に賛同する

分譲地として売り出せば、一時的に大金が手に入る
だがその後は、もう何も収入源は無い
それよりは、10年後から一定の収入が入る方を選んだ息子の判断も、理解できる

類「それと、あそこの家は誰の名義? 俺にくれない?」
聡「そんなに気にいったのか? 何も無い所だぞ?」

類「凄くのんびり出来て良い所だった。景色も一面ブドウ畑でさ、、」
聡「まさか、、あそこをお前の別荘にしたいから、分譲したくないと言う事か?」
と、半ばあきれた口調で呟く

類「両方かな? でも気候も良いし、きっと良いブドウに育つと思うんだ」
聡「ふっ、、まあ良い。あそこはお前にやろう。
  その方が、今後もあそこのブドウ畑を、注意深く見ていくだろうし」

類「ありがと、、父さん」
と、ホッと胸をなでおろした

ところがそのすぐ後、聡の言葉に、類は衝撃を覚える

聡「それと、、今回お前をここに呼んだのは、お前と静ちゃんとの婚約話が
  出ていてな」
類「えっ?」

聡「お前、、このままここに留学しないか?」

父親の言葉に、類は驚きすぎ、直ぐに声が出せなかった





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2 Comments

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2018-03-28 14:39

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-03-28 15:49

そうです。 分譲です。
修正しました

ここぐらいまでは、まだ安心して見られましたよね
でもこの後、、、S嬢が絡んできて歯車が変わってきましたね

やはり、類つくにとって、S嬢は鬼門です
と言うか、私が鬼門にしているんですよね(笑)

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