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第四章<完>

4-47 パパとダディ

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しばらくすると、類とつくし、そして愛樹の三人の後ろから、申し訳なさそうな声がする

レ『あの、、そろそろリビングへ移動して頂けませんか?』

レアは、つくしと共にキッチンに居た
だが、類に出口をふさがれ、そこからラブシーンが始まってしまい、声を殺し時が過ぎるのを待った
そしてやっと口を開いたと言う訳だ

その声に、つくしは我に返り、パッと類から離れる

つ『あっ、、ごめん』

そして、紹介を始めた

つ『えっと、、こちらが花沢類さんで、、えっと、、愛樹のパパで、、
  あっと、、そうだ、道明寺遅いですねぇ、、あはっ、、』

つくしは焦りながら、言葉を次々と紡ぎ、別な話題を探す
そのつくしの疑問に応えるように、ルカがやってきた
手には書類を持っている

ル『つくし、、司様は来ないですよ』
つ『えっ? でも愛樹に、クリスマスプレゼントを持って来るって』

つくしの言葉に、類はピンときた
それを、ルカの言葉が告げる

ル『最高のプレゼントを貰っていると思いますが? ほらっ、今も愛樹がしっかり抱きしめていますし』

つくしはその言葉に、やっと気付いたようだ
愛樹も、ルカの言葉に、自分の腕を見る
それは、しっかり類の首に巻きついている

愛『司、、来ないの? プレゼントって、パパの事?
  司が、パパをプレゼントしてくれたの?』
ル『司様は、急に仕事が入りまして、来れなくなったそうです。
  ですが、愛樹には最高のプレゼントを贈られたようですね』

愛『うん。 さすが司だね。 いつも僕が欲しい物をくれるし』

その言葉に、皆は微笑む

ル『それで司様から、こちらの書類を預かっているのですが、、、
  花沢様、つくし、、お二人で確認して頂けませんか?』

その言葉を受け、三人はリビングへ移動する
ルカから茶封筒を受け取り、中を取り出すと、婚姻届が出てきた
そこには、司とタマのサインも記されている
類とつくしは、思わず顔を見合わせた
そのほかに、転籍書類、認知届、パスポート変更書類など、再婚に関する書類が多数入っていた

ル『日本の法律では、花沢様は離婚歴が戸籍に記されています
  ですが、先に転籍届を提出し、本籍地を変更すればそれを消す事が出来ます
  もちろん、花沢様が結婚され離婚歴がある事は、世界中の人々が承知の事実です
  人々の記憶は、消す事は出来ませんし、ネット社会ですので検索をかければ、
  その事実はずっと記される事でしょう
  それでも、戸籍上は真っ白になり、新しい人生を歩む事が出来ます
  それと、愛樹の父親は空欄のままですので、認知届を出せば、花沢様の実子として  
  戸籍に記入されます
  ですので、真っ新な戸籍につくしと愛樹を入れる事が出来ます
  もしこちらにおられる間に、その処理をなさりたいのでしたら、私が責任を持って行いますが、
  如何なさいますか?』

その言葉に、類は自分の戸籍の事、愛樹の親権の事について、何一つ考えていなかった事を恥じる
現に、両親から貰った婚姻届のみ、持って来たのだから

そして、司の愛樹を思う気持ち、つくしを思う気持ちに脱帽すると共に、嫉妬すら感じてしまう
でも今は、ここまで自分の為にいろいろ準備してくれた事に感謝したい

類は、すぐさま司に電話を掛ける
すると、数コールで直ぐに出た

類「司?」
司<類か? 別荘に着いたのか?>

類「うん。まさかここに二人がいるとは思わなくて、、」
司<だろうな>

その声は、してやったりという勝ち誇った感じだ

司<それで、すぐ再婚手続きするんだろう?>
類「もちろん、、そのつもり」

司<分ってると思うが、、大切にしろよ。 特に、愛樹には愛情をかけてやれよ>
類「分ってる」

司<その別荘、再婚祝いにお前にやるわ>
類「ありがと。 本当にいろいろありがと」

司自身が、この別荘に来ると、二人の事を想い出すからだろ?
だから、俺にくれるんだろ?
それ程、この別荘は、司のオアシスだったんだろうな

司<ば~か! お前の為にやったんじゃねぇよ。 牧野の為だよ。 必ず幸せにしろよ>
類「うん、、必ず幸せにするから。 あっちょっと待って、愛樹が話したいって」

電話を掛け始めた時から、愛樹が俺の前に来て、代わってと必死にジェスチャーをしていた
電話を愛樹に渡すと、すぐさま耳に当て、楽しそうに話し始めた

愛「司! メリークリスマス! プレゼント有難う!
  パパがね、、家族になろうって言ってくれてね、、ずっと一緒にいる、、、って言ってくれてね」
司<そっか、、良かったな>

その声は、安堵したような、それでいて寂しさもにじませている

愛「うん! それでね、、司は、何時来てくれるの?
  自転車に乗れるようになったから、司に見せたくて、、
  今なら雪も積もってないけど、もう少ししたら雪が積もるから、
  自転車に乗ったらダメってママンが言うし」
司<今、、忙しいんだわ。 だからパパに見せてやれよ>

愛「うん、、パパにも見せるけど、、司にも見て貰いたいんだ。 だって司は、僕のダディだから」
司<何だ、、それ。 お前のダディはそこにいるだろ?>

愛「うん、、パパはいるけどダディはいないよ? だって司がダディだもん!
  だからこれからも、会いに来てね? いろいろ教えてね? 約束だよ?」

電話口の司は、直ぐに返事が出来ないでいる

愛「パパはパパ。 ダディはダディ。
  僕には、二人のカッコ良いお父さんがいるんだ。 これってお得でしょ?」

子供らしい発想だが、その言葉に司は胸が熱くなる

司<そうだな。 んじゃ、、また何時か、会いに行ってやるよ>
愛「うん。 良い子にして待ってる」

司<あぁ、、じゃちょっと類に代わってくれねぇか?>
愛「うん分かった」

愛樹は、類に電話を差し出す

愛「司が代わってって、、」
類「分かった」

類は、愛樹から受け取るとすぐ耳に当てる

類「何?」
司<あのよぉ。良いのか?俺がダディで?>
と、司らしくない弱腰の声で、おずおずと窺うように尋ねる

類「ちょっと嫌だけど仕方ないかな?
  今まで司が父親代わりだったし、愛樹の中では、司は特別な存在って事だろうし。
  まあ、愛樹からのクリスマスプレゼントだと思って、受け取ってあげなよ」

司<あぁ、、サンキューな。 じゃあな>
類「うん、、じゃあ」

類は、電話を静かに切る

つ「類? 怒ってない? 
  道明寺も、年に数回、しかも数時間しか来なかったんだけど、何故か愛樹と馬が合うって言うか、、」
と、つくしは類を気に掛ける

類「怒ってはいない。でもかなり嫉妬してる。 実は、離婚が成立した時、司からDVDを貰ったんだ」
つ「DVD?]

類「そう。 そこには、牧野の妊娠中の姿から、出産、そして愛樹の成長していく姿が映ってて、、
  そこに、時々、司の声も入っててさ。
  かなり可愛がっているのが分かったし、愛樹もかなり信頼して接してるって言うか、
  特別な存在と位置づけているのが分かってさ。
  その二人の絆は、今後も大切にしないと、、と思ってる」

つ「うん。 そうだね。 友達でも無いし、パパでも無い。 言葉で現すのが難しい存在かもね」
類「ん、、そうだね。 それより愛樹は日本語が話せる訳?」

まず思ったのがそれだ
ドイツで愛樹に会った時、フランス語を話していた
だから、フランス語しか話せないと思っていたからだ

つ「うん、、初めはフランス語だけだったんだけど、愛樹が2歳の時、
  道明寺が会話が出来ないから、日本語と英語を教えろって命令して、
  皆が、それぞれ違う言葉で接するうちに、あっという間に覚えて」

類は、司らしいと思う
牧野には、会話が出来ないと説明したが、実の所、花沢の為だろ?

俺と牧野が将来結婚すると、愛樹は必然的に跡取りになる
スイスに住まわせたのもフランス語圏だし、日本語と英語はジュニアとして必須になる
2歳からって言ったら、英才教育を始める歳だし、吸収力も早いはずだ

ホント、、凄いよな、、司って
自身の仕事も忙しいはずなのに、こうして愛樹の事も気にかけてさ
敵わないな、、
男としての度量も、父親としての包容力も何もかも

でも今は、、、と、付け足すよ
近いうちに、必ず追いつき追い越すからさ








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