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第四章<完>

4-40 バタバタ

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花沢物産日本本社は、かなりバタバタしていた
特に、フランス支部との窓口部署では、フランス支部の社員10人と千葉プロジェクトの3人が、突然解雇になり、合せて告訴という事態
デュポン社との契約解除とこちらも告訴、、
そして、専務の離婚と一度に色々な事が起こり、対応に追われていた

そんな中、類と聡の記者会見の模様を、固唾を飲んでテレビで見ていた
それが終わると、部長が声を上げる

部「今回の耐震偽装の件は、かねてから内部犯と思われていたが、デュポン氏が画策し、
  我社の社員を買収して行われた事が判明した
  今後フランス部門は、専務が作り上げた数々の工場との取引に完全移行する
  窓口が多くなるが、今まで以上に細心の注意を払い、仕事を進めよう」
社「「「 はい 」」」

社員は、すぐさま席に戻り仕事を始める
その中に、赤司がいた
赤司は、専務の会見を聞き、つくしの事を想う

今頃、どこで何をやっているのか、、子供はどうなっているのか分らない物の
<私の心の中には、結婚前からずっと一人の女性が住んでいます>
と、全世界に向け宣言する程、専務の心は全くぶれていなかった

そしてその言葉を公共の電波に乗せて、牧野さんに知らせたかったのだろうか?
牧野さんもきっと、専務と同じ想いでこの6年間を過ごしていたはず
今度こそ、、専務の傍で笑う牧野さんを見て見たい、、と思っていた



スイス、ローザンヌでは、つくしがネットでその中継を見ていた

つ「類、、」

ポツリと呟く声は、静かな部屋に響いて消える
その後、すぐさまシャットダウンし、ベッドで眠る愛樹の横に潜り込む

アナ雪のDVDを、はしゃいで見ていたせいか、今日は何時もより早く眠りについた愛樹
その額にそっとキスをし、つくしも目を閉じた



その翌日、、
自動社メーカーのクレマンが、花沢物産を訪れた
自動車の排ガス問題で謝罪に来た、、という名目だが、その謝罪相手に類を指名してきた

受付からそれを聞き、キャサリンの事が含まれていると感じた類は、すぐさま応接室へ案内するよう命じた
その部屋に類が入ると、クレマンはすぐさま立ち上がり、深々とお辞儀する

ク『この度は、排ガス問題で多大なご迷惑をおかけしまして、申し訳ありません』
類『わざわざお越し頂き、ありがとうございます。 どうぞおかけください』
ク『はい』

類『それで、会社の方はどうなりそうですか?』
ク『調べさせたところ、ここヨーロッパの基準には、適合している事が分かりました
  ただアメリカでは、CO2の排出に関して、ここヨーロッパよりも厳しい規制をしているようで、
  それに適合させる為、不正プログラムを
用いたそうです
  ただ我社は、ヨーロッパのみの販売しか行っておりません
  そして貴社でお使いの車は、ディーゼル車ではありませんので、今後共安心してご利用ください』

類『そうですか。 分かりました。
  それではお宅の会社は、それ程損害がない訳ですね?』
ク『そうなのですが、、やはりイメージが失墜しました。
  風評被害も出ていますし、、キャンセルが相次いでいます。
  ですから、きちんと説明をし、分って頂く努力をしていくつもりです』

類『頑張って下さい。 それでも損害が思ったより少なそうですから、
  生まれてくる子供も一安心、、と言った所でしょうか?』

するとクレマンは、表情を曇らせる

ク『それが、、キャサリンは、私に一言の相談も無く、子供を堕ろしたそうです
  そればかりか、、負債を抱えた私とは、結婚したくないとまで言いました
  あの女は、命の尊さよりも、お金の事しか頭にないのでしょう
  他の男性を見つけるのに、不倫相手の子供は邪魔でしかないようです
  やはり、身体だけの関係では、上手くはいかない物ですね
  今更ですが、あんな女と結婚しなくて、本当に良かったと思っています
  そして、どうしてあれ程までに、あの女に執着していたのか、、自分自身に呆れるばかりです』

やはりか、、と思ってしまう
あの女は、自分の私利私欲の事しか考えない奴だから、、

ク『それより、花沢さんの方は大丈夫ですか?
  今朝方、あの女が涙ながらに訴えて、世間の同情を買っています
  そして、花沢さんの方が、世間から悪く言われていますけど、、』

そうなんだ
あの女のやりそうな事だ
記者の前に憔悴しきった顔をして現れ、、
花沢を陥れたのは、父親が勝手にやった事
自分は、本当に俺を愛していた
そして自分は一生懸命尽くしたのに、愛が得られなかった
その上、離婚が確定した途端、掌を返したように自分達は切り捨てられた
と、世間の同情を買うように、涙ながらで話していた

類『そのようですね。 私はただ、事実を話したまでなんですが。
  それとひとつお聞きしたいのですが、不倫の事実を、世間に公表しても大丈夫ですか?
  本当ならば、子供の事もありますし、お二人が再婚するのなら黙っていようと考えていたのですが
  あの女は、かなり強かな女の様ですから、一筋縄ではいかないみたいでして』

クレマンは考え込む
会社の一件を、一刻も早く鎮静化させたい
だが、キャサリンが同情を集め、悲劇のヒロインとなっている事は許せない

それに、花沢側の告訴が正しければ、類は6年間も苦痛を味わっている
デュポン親子によって嵌められた結婚だからこそ、キャサリンを愛する事が出来なかった事も頷ける
第一、子供を大事に考える彼は、信じられる人間だ

ク『えぇ、、構いません。 キャサリンは、未だに不倫がばれているとは思っていません。
  しっかり事実を説明し、あの女の化けの皮を剥がしてください。
  私も、それ相当の報いは、甘んじて受け入れます。
  それくらいしか、亡くなった子供に謝る術がありませんから』

クレマンの潔さに、類は脱帽する思いだ
このタイミングでの自身の不倫騒動は、かなりの痛手となるはず
それなのに、、

類『すみません。まさかあの女が、ここまで開き直るとは想定外でして』
ク『そう言う女だからこそ、あなた達を陥れたのでしょう。
  あの女の思い通りに進む事は、私も許せません
  頑張って下さい』

類『もちろんです。 お互い頑張りましょう』

二人は、しっかり固い握手を交わす

ク『いつか、、ジュニアの想い人との幸せな姿を、メディアを通して見てみたい物です』
類『えぇ、、早くそう言う日が来る事を、私も願っています。 とにかく今は、頑張るのみです』
と、言葉を交わし、クレマンは帰って行った









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