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第四章<完>

4-37 引導

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翌日、聡と類は、弁護士を引き連れデュポン社を訪れた

デ『これはこれは、花沢社長まで、、お体の調子はいかがですか?』
聡『えぇ、、あれ以来、すこぶる元気です』

デ『それは何よりです。
  それより、昨日、類君とうちの娘の離婚が
成立したと聞きましたが、寂しい物ですなぁ
  まあ、まだ若い二人ですし、これからは互いに幸せを探し、別々の道を選ぶのも良い事でしょう
  それに、二人が離婚しましても、今後も花沢の為に我社は協力を惜しみません
  引き続きよろしくお願い致します』
と笑顔を見せながら話す

そのデュポンに対し、聡は表情を変える事無く言い放つ

聡『折角ですが、、お宅との取引は、本日を持ちまして中止させて頂きます
  長い間、お世話になりありがとうございました』

突然の決別宣言に、デュポン氏は驚く

デ『今、、何と?』
類『あんたん所とは、今後一切取引しない! 以上です
と、聡に代わり、類が大きな声で断言する
その言葉に、デュポンは焦りを見せる

デ『ちょっ、、ちょっと待ってください。 一体どういう事です?
  まさか!うちの娘と類君が離婚したからですか? それは無いですよね?
  それに、我社との取引を中止すれば、困るのはそちらのはず、、』

聡『そうでしょうか? そちらの方が困るのでは?』
デ『花沢社長、、あなたまで、、本気で言っているのか?
  あなたの会社がここフランスでやってこれたのは、私の力添えがあってこそだぞ?
  それを、、恩を仇で返すつもりか!!』

デュポンは、机をバンッと叩き、聡を睨み付け憤りを露わにする
そんなデュポンに、類は冷ややかな声を浴びせる

類『そちらは、元々独自ブランドを立ち上げたいと、おっしゃっていましたよね?
  何も、我社に拘る事無く、そうすればよろしいのでは?』

デ『本当に、良いんですね! 我が社が、お宅から独立しても!!』
と、声を強めて確認する

聡『お好きにどうぞ』

それに対し聡は、我関せず、、といった風に、飄々と答える

デ『分かりました。 それでは、そうさせて貰います
  まさか、こういう仕打ちを受けるとは、思いもしませんでした
  6年前、お宅の窮地を救ったと言うのに、黒字に転じた途端、こう言う事を言い出されるとは、、
  そちらがそのつもりでしたら、私も全力でワイン市場に参入しますよ
  後で泣き事を言っても、知りませんからな!!』

聡『頑張って下さい。 今後はライバル、、という事になりますかな?』
デ『強力なライバル、、いや、そちらはフランス産ワインが無くなる訳ですから、ライバルにも値しませんな
  もうフランスから撤退するしかないでしょうな』
と、高らかに宣言する

類『くすっ、、知らないんだ』
と、類は、小ばかにしたような笑いを漏らす
その笑い声に、デュポンはカチンとくる

デ『何を笑っておる! フランス産ワインは、我社が全権を握っているだろ!』
類『我社も、フランス産ワインを作っているよ!
  まあ、大々的に花沢ブランドを掲げていないから、知らなくても当たり前なんだけどさ』

デ『えっ?』
初めて聞く事柄に、デュポンは驚く

デ『花沢も、フランス産ワインを、、、作っている? そんな情報など、全然聞いていないぞ?』

そのデュポンの言葉に、聡と類はピクリと反応する

聡『誰から、、聞いていないんですか?』

聡の言葉に、デュポンは、しまった!!と思う


デ『い、、いや、、花沢のワイン工場となれば、我社位の大きい工場が必要となるはず。
  そう言うのを聞いた事が無い、、と言っただけで、、』

聡『そうですか、、てっきり、、レオン、エリック、カミーユ、、ブライアン…
  から聞いていないのかと思いましたよ』

それらは、今回フランス支社の造反者の名前だ
それら10人の名前を、次々と述べた
すると、デュポンは青ざめる

聡『彼等は、本日付で解雇しましたよ』
デ『えっ!!』

聡『あの千葉のプロジェクトの損害。 あれ、、内部の犯行だったんですよ。
  でもこの6年の間、じっくり調査をしましてね。 やっと全員を炙り出す事が出来ました』

デュポンは、心臓がバクバクし、脂汗も出てきている

デ『そっ、、それは、、大変でしたね』

聡『もちろん、彼ら全員をすぐさま告訴しました。 あれだけの損害ですからね。
  我社の信用と信頼を失墜させた責任は重いでしょうなぁ』
類『さて、、彼等は、何を話すでしょう?』

デ『さっ、、さぁ? 内部の事ですから、、私からは無いも、、』
類『まあ、もう6年も前の事ですし、とっくの昔に証拠は処分していると
  高を括っていると思いますが、パソコンは内部に情報が残っている物なんです
  それを調べ上げたんで、逃げようがないと思いますよ?
  いくら高額を支払い、口止めをしているとしてもね、、という事で、今までお世話になりました
  今後は、独自ブランドを立ち上げるなり、、自分で警察に行くなり、好きにすれば良い』

デ『えっ? 警察?』

ここまでシラを切り通していたデュポンだが、警察と言う言葉に不安を見せる

類『俺が何も知らないとでも思っていた訳? あの耐震偽装の黒幕は、あんただろ!
  しかも、自分の娘と俺を結婚させると言う、身勝手で理不尽な理由でさ!
  そんな理由の為に、、俺は、、俺は、、』

類は、気持ちが高ぶり、それ以上言葉を紡げない
ただ膝の上に置いていた拳にギュッと力を入れ、必死に気持ちを抑える

デ『それをキチンと証明できる物が無いだろ? パソコンのデーターなどは、幾らでも捏造できるし、
  元社員の証言も口裏合わせをし、私に罪をなすりつけ、、』
と、デュポンが開き直るそぶりを見せた時、室内にデュポンとキャサリンの薄笑いが聞こえる
その声に、デュポンはエッと言う表情に変わる
そして、みるみるうちに青ざめた

それは、結婚式の時の二人の会話
それを類が、流し始めた
それを最後まで聞かせた後、静かに停止ボタンを押す

類『まだ言い逃れする? これ以上の証拠はないだろ?
  元社員が口裏合わせ? そうやって、今度は罪を逃れようとするつもり?
  無理だよね、、この声も、もちろん一緒に提出しているんだしさ
  だったら、素直に罪を認めた方が良いんじゃない?』

聡『非常に残念です。 あなたとは、旧知の仲ですし、強固な絆で結ばれていると思っていました
  それが、我社の社員を誑かし、我社を窮地に陥れるとは、、はなはだ許しがたい!
  謀反を起こした社員と共に、デュポン、、お前も告訴した!
  何か言いたい事があれば、裁判所で話すんだな! 行くぞ、、類!』

もう用は無いとばかり、聡は立ち上がる
そして、類の肩をポンポンと叩いた
それに続く様に、類も立ち上がった

そんな二人に、デュポンが弱弱しい声で呟く

デ『私は、、ただ娘の幸せの為に、、』

類『凄く身勝手な考えだよね!
  娘の為という大義名分の元、俺の人生も会社も、そして牧野の人生もメチャクチャにしたんだからさ
  きっちり償って貰うよ』

それだけ告げ、デュポン社を後にした

類は、かなり気持ちが高ぶっているが、まだやる事がいろいろある
それにこの裁判が終わるまでは、まだ気が抜けない








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2 Comments

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2018-07-07 09:53

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-07-07 19:09

どんなに謝られても、娘の為と言われても、類君とつくしちゃんの時間は戻りません
類君の怒りは相当な物でしょうね

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