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今でも…<完>

70 煽る

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桜子の言葉に、類は驚きを隠せない

桜 「詳しくは、西門さんがお話し致しますわ」
そう言いながら、話を総二郎に振る

振られた総二郎も驚き、目を見開いている
総 「俺?」
桜 「そうです。 西門さんが見た、ロスでの先輩のご様子を、お聞かせして下さい」

類 「何? 総二郎は、牧野の行方を知っていた訳?」
と、ギロリと睨む

総 「まあ落ち着け、、俺は、チラッとしか見てねぇんだよ」
そう前置きした後、あのロスでの茶会の話を、聞かせ始める
するとみるみるうちに、類の顔色が青ざめていく

それを、ニヤリとした笑みを浮かべながら見ている桜子
それを見ながらも、、、総二郎は、、

まあ、お前の気持ちも分かるけどよぉ。
何だかんだと理由を付けて、自分の殻に閉じこもり、何時までも親友の仮面を外さなかった類が許せねぇんだろ?
その挙句、祖父達の掌で転がされ、危うく取り返しのつかねぇ所まで、いきそうになったしな。

まあ、牧野を慕っているお前には、この一年、牧野との交流が途絶えた原因である類が、憎いんだろうけどよぉ、、
こいつはこいつなりに、司との友情もあった訳だしなぁ、、
と思いつつ、チラリと桜子を見ると、、
もっと煽れと、視線を寄越す

内心、深い溜息をつきながら、少々オーバーに話す俺、、
総 「んでよ、、牧野の肩に、ジュニアが手をかけてよぉ、、
   親しげに話しながら、車に乗り込んだんだよ。
   あの様子は、とてもただの通訳じゃねぇよう、、、な?」

桜子は、満足そうに頷き、あきらは呆れ顔、滋は面白くなりそ~と目を輝かせ、優紀ちゃんに至っては、類に対し、同情の眼差しを向けている
そして、類は、信じられないと言う感じで、目を見開いている

桜 「花沢さん、、そう言う経緯でしたので、私達は敢えて黙っていました」
と、沈痛な面持ちで語る
桜子の白々しい演技に、俺達は、恐怖すら覚えるぐらいだ

桜 「それで、、どうされます? 先輩が、もし新しい恋を始めていたとしたら?」
類 「もちろん、、もう一度、キチンと告白するよ。 まだ結婚した訳じゃないだろうしね。
   最後の最後まで、足搔いて見せる」

類の決意に、桜子も、そして皆も、安堵を覚えた

類 「それと、、牧野の友達のあんた、、」
類らしいと言うか、未だに名前を覚えていない事に、皆は呆れる

総 「優紀ちゃんだよ、、いい加減、名前覚えろよな」
その総二郎の言葉を、当たり前の様にスルーし、、

類 「あんたに貰ったクリスマスプレゼント、、ありがと、、あれで、目が覚めた」
と、珍しくお礼を述べた

その言葉に、優紀は、微笑む
優 「いいえ、、目が覚めて良かったです」

類 「それと、預かっている牧野のプレゼント、、こんな状況だから、まだ渡せていないんだ。
   でも必ず渡すから、、このまま預からせて貰ってもいいかな?」
優 「はい、、お願いします」


話しが一段落ついた所で、、
滋 「それで、、、類君のご両親は何て?
   高崎の娘との縁談は、乗り気だったんじゃないの?」

類 「両親は、俺の味方だった。 高崎との事は、全て祖父の単独行動。
   元々、祖父が創業者だから、口出しできない立場だったみたい」

あ 「だから、仕事の事も、お前の育て方にも、何も言えなかった訳だ」
それに対し、しっかりと頷く類

類 「両親に、高崎テクノロジーに代わる会社を聞いたんだけど、
   ヨーロッパには、そんな会社が無いらしいんだ。
   だけど、もう俺自身が、あそこと取引するのは嫌だし、
   祖父の言いなりになるのも耐えられない」
総 「そうだろうな」

類 「それに、牧野を振り向かせ、共に歩む未来を描いたとしても、
   祖父がいる限り、必ず邪魔をするだろうし」

あ 「だろうな。 牧野は、一般家庭の育ちだからな、、
   あの爺さんは、会社の利益になる相手以外は、納得しないだろうしな」

類 「ん、、だから、俺が牧野の場所へ降りる事にした」
その発言に、皆は驚く

あ 「おい、、それって、、、」
類 「ん、、会社を辞める事になる。
   まあ、高崎を切り、祖父が退陣すれば、話しは別だけどね。
   それは、不可能だからさ。 ホントは、先に辞めて、牧野を探しに行くつもりだったけど、
   居場所が分かった事だし、もう少し仕事をやるよ。
   無職になる前に、少しでもお金を貯めとかないとね」

総 「お前、、そこまで話し合ったのか? 両親も、良く許したな、、」

類 「ん、、俺もビックリした。 けど両親も、俺に負い目を感じていたみたい。
   俺の今後の人生は、祖父が作り上げる物じゃ無く、自分で作り上げれば良いってさ。
   だから、牧野に会って、しっかり話をするよ。  もう二度と、後悔したくないし」

あ 「そっか、、頑張れよ。 無職になったら、何時でも俺んとこで、雇ってやっからさ。
   だから必ず牧野の手を掴めよ」
滋 「滋ちゃんとこにおいでよ。 類君なら即戦力だし」

類 「ん、、考えとく、、その時は宜しく。
   パーカーカンパニーは、新規の会社からのアポは、取り次がないと聞くし、
   それなら、イースターに行われるチャリティーパーティに参加し、
   パーカー氏に直接、牧野の居所を聞いてみるよ。 その方が確実だからね。
   もちろん、、その前に、ちょっとアクションを起こしてみるよ。
   このまま、指をくわえて待っていられないからね」

すると桜子が、鞄の中から例の雑誌【 世界を担うジュニア達 】を取り出す
桜 「先程お話し致しました、先輩のお相手です。 凄く良い男ですよ」

そのページを開き、類の前に差し出す
それを受け取ると、食い入るようにそれを読み始めた

その類に対し、、
少々煽り過ぎましたが、もう後悔なさらないで下さいね、、
と、心の中で呟く桜子だった





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