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今でも…<完>

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フランスに来た初日に、両親に俺の気持ちを包み隠さず伝えた
その事とは別に、今回は、仕事も兼ねて来ている

先の事はどうなるか分らないが、今は、与えられた仕事を、全うするのみ
今まで、何不自由ない生活をさせて貰った
その感謝の意味も込め、、、考えていたプランを、皆の前で発言した
それが思いの外、好感触を得て、ここフランスで早速取り掛かる事となった

これが花沢での、最後の仕事になるかもしれない
これぐらいで、両親に恩返しが出来たとは思わないが、それでも少しだけ役に立てた事が嬉しかった
その為この出張の間、帰宅時間は、いつも21時を回っていた


麗 「類君、仕事に精出すのは良いんだけど、身体も疲れてるでしょ?
   明日ぐらいは、早く帰ってきて、一緒に食事をしましょ?」
類 「分かった」

麗 「今ね、、、今年のアカデミー賞作品は何か?って、テレビでやっているんだけど、映画とか見に行ってる?」
類 「いや、、全然行かないな」

麗 「アニメ部門では、日本の作品もノミネートされてたわよ?」
類 「ふ~~ん」

麗 「誰だったかしら、、えっと、、歳をとるとダメねぇ、、すぐ忘れちゃう。
   録画してあるのよ、、ちょっと一緒に見ましょ!」
と、強引に類の腕を掴み、リビングへ引っ張っていく

類 「えっ!!、、俺、今帰宅したばっかりで、、風呂に入ってゆっくり」
麗 「ほんの5分程だから」

母さんは、俺の話なんて聞こうともしない
さっき、映画なんて観に行かない、、と言ったはずなのに、、
そんな俺に、その賞の話をして、何になるんだろう?
ほんと、、マイペースっていうか、人の話を聞かないって言うか、、

でも、この後いろいろと迷惑を掛ける手前、その腕を振りほどく事が出来なかった
それに、ほんの5分程、一緒に付き合ってやれば、納得してくれるだろう、、と、渋々ついて行った

リビングのソファーに並んで座ると、母さんがすぐさまリモコンを操作し始めた
それは、ニュース番組の中のアカデミー賞報道
これなら、確かにほんの5分程だよな、、

麗 「明日、決定するらしいんだけど、、有力作品はね~」

俺の隣で、必死に説明する母親
母さんは、興味深いのかもしれないが、俺は全く興味がない、、
のらりくらりと、相槌を打ちながら、ボ~っと画面を見ていた、、が、
ある一点に、目が留まった

類 「母さん!! ちょっと止めて!!」
その言葉の大きさに、母さんはビックリする物の、、画面を停止する事無く話しを進めている

麗 「何? 大きい声出して!! それより、、あ~、この人よ、この人、
   日本で有名なアニメ制作会社の作品で、、」

それはどうでも良い、、
俺は、母さんの手からリモコンを奪い取り、少し巻き戻す
そして、目を凝らし画面を見つけた

俺の尋常では無い行動に、、、
麗 「どうしたの? 何かあった?」
と、やっと俺の様子を、気になり始めたようだ

類 「、、、居た、、」
と、ポツリと呟く

麗 「何? いた? 痛っ? 板? 訳わからないんだけど?」
類 「牧野、、、牧野が居たんだよ」

その言葉に、麗は驚き、画面を見る
類も確かめるように、もう一度巻き戻し、再生する
そして、その場面で一時停止を押した

類 「間違いない、、牧野だ」
麗 「どの子?」

俺は、テレビの前に行き、牧野を指差す
それは、テレビ画面の左端に映っていた

麗 「ねえ、、これアカデミー賞よ? 牧野さんって、ハリウッド女優?」
類 「違う!、、アカデミー賞の報道って、他にもやってたよね? それも見せて?」

母さんが、テレビのタイムシフトを操作し、
アカデミー賞関連の報道を、次々とテレビに映してくれる
それらを、一つ一つチェックしていく

どうも、日本人監督の元へ行き、いろいろと話をしているようだ
しかも一人では無い、、
もう一人の人物に、通訳をしているように見える

この人物は、、、俺も知っている
それに母さんも、気付いたようだ

麗 「あらっ、、この人って、、、アメリカで1,2位を争う企業の方じゃ?」
類 「ああ、、パーカー氏だ」

麗 「そんな方と、牧野さんが一緒って、、どこに接点が?
   牧野さんって、普通の家庭の方でしょ?」

類 「5年前に、一度会った事があるんだ。
   その時、このパーカー氏と、キャッチボールをした仲だよ」

麗 「一度会って、、、キャッチボール?」
母さんは、なぜそうなるの?と、頭を傾げながら、必死に理解しようとしている
そりゃそうだろうな、、

類 「この人に、アポ取れる?」
麗 「どうかしら? お父様に聞いてきたら?」

類 「ん、、そうする」
俺は、リビングを飛び出し、父親がいるであろう書斎に向かう


類 「父さん、、アメリカのパーカー氏に、アポ取れる?」
聡 「何だ?突然、、アメリカのパーカー氏って、、パーカーカンパニーか?」

類 「そう、、今、アカデミー賞の報道を、テレビで見ていたんだけど、
   そこに牧野が映ってて、傍にパーカー氏がいたんだ」

聡 「何で、牧野さんとパーカー氏が? どこに接点があるんだ?
   牧野さんは、普通の家庭の人だろ?」

こういう所は夫婦だよな、、、同じ事を聞いてくる、、、
まあ、誰でも疑問に思うか

類 「5年前に、知り合ってるんだよ。 
   道明寺とパーカーカンパニーの契約を取り持ったのが、牧野だからね。
   その時、牧野はパーカー氏に、凄く気に入られてる。
   何があったか分らないけど、とにかく今、牧野はパーカー氏と一緒に居る、、って事は、
   牧野の行先を、知っているはずなんだ」

矢継ぎ早に話す俺に、父さんは驚きつつも、、
聡 「分かった。 アポを入れてみよう。
   ただし、あそこは取引先以外とは、どんな相手も門前払いで有名だ。
   あまり期待するなよ」

類 「分かった」
と、ここで麗が入ってくる
手には一枚の招待状を持って、、

麗 「類君、、、これ、私達の代わりに参加する?」
類 「何?」

麗 「チャリティー仮装パーティーよ。 毎年、復活祭に合わせて、NYで行われているの。
   仮装しているし、目元には仮面を付ける決まりがあるんだけど、
   世界各国の著名人、スポーツ選手、芸能人が参加しているわ。
   だから、パーカー家も、招待されていると思うの」

つまり、そこに行けば、必ずパーカー氏と会えるって訳だ

類 「助かる。 それ、俺が行くよ」
聡 「かなり大勢が招待されているし、皆、仮装が決まりだ。
   探し出すのも一苦労だし、パーカー氏本人が来るとも限らないぞ?」

あっ、、確かにそうかも?
仮装となると、秘書か誰かに任せる事だって考えられる

類 「それでも、、、指をくわえて待ってられないし」

そうだよ、、
パーカー氏に会えなくても、会える可能性が一%でもあるんなら、それに賭けて見たい

聡 「それだけの行動力、、、なんで一年前に発揮しないかね~」
と、呆れたように呟く父親に、、

類 「俺も、つくづくそう思う」
と、照れながら答えるしかなかった






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