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今でも…<完>

64 バレンタインデー

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2月14日、、

その日、俺は、目覚まし時計の音で、飛び起きた

類 「嘘だろ、、」
俺の口から、自然に洩れた言葉

牧野から貰ったこの四角い物体は、何時も同じ言葉で、俺を眠りから起こしてくれていた
その牧野の声が聞きたくて、会社が休みの時も、ずっと目覚ましをセットしていた程だ

それが今日に限って、違うセリフを呟いている
目覚ましの日付を見ると、、2月14日、、
そうか、、バレンタインデー

俺は、もう一度目覚まし時計に耳を傾ける

《 類、、好き、、、あなたが好き、、今までありがとう… 》

同じセリフを何度も呟いている
目を閉じ、その声を胸の中に刻み付けるように聞き入る

このストップボタンを押せば、もうこのセリフは聞けなくなるだろう
明日からはまた、何時ものセリフに戻るに違いない

この愛の告白を吹きこむとき、あんた顔を真っ赤にしていた?
いや、、違うな、、
声が震えているから、、きっと、俺への思いを封印、、いや、決別しようとしていた?

あの頃、、俺、、、、
あんたにずっと親友だから、、って言ってたしな
ほんと、バカだよな

あんたの気持ちが、俺に向けられていたなんて、全然知らなかった
ヤバイよな、、

婚約報道はひとまず沈静化したんだけど、、あんたどう思った?
俺の婚約報道に、傷ついてない?
それとも、もう俺への気持ちは無くなった?
それは無いよな?

そう言い聞かせるように、もう一度目覚まし時計の声に耳を傾ける

《 類、、好き、、 》
うん、、俺も

《 あなたが好き 》
俺も、あんたが好き

《 今までありがとう 》
そんな別れのような言葉は、言わないで?
これからもずっとヨロシク、、そう言って?

ゆっくりストップボタンを押す

今度は、あんたの口から、この言葉を聞きたい
そして、思いっ切り抱きしめたい

あんた、、一体今どこに居るのさ?
せめて、連絡先だけでも、教えてくれない?

そう言えば、あいつら、牧野の好きな相手を知っている、、って言っていたよな?
つまり、知らなかったのは、俺一人って事か

牧野の近くに居たせいで、あいつの鈍感さが移ったか?
そう言えば司も、キョトンとした顔をしていたっけ

俺、、この一年近く、何をやっていたんだろう
でももうブレない
早く牧野を見つけだし、俺の気持ちを伝えよう

だからどうか、、
他の男に目を向けないで?
俺への恋心をそのまま持っていて?

本腰を入れて、牧野を見つけ出したいが、
それより先に、高崎テクノロジーと祖父を何とかしないとな

まあ、一週間後にフランス、イタリアへの出張を田村に入れて貰ったし、
そこで両親に相談しよう
何か、良い考えが見つかるかもしれない

だから、、もう少し待ってて、、、牧野


***

つくしは、シェフと共に、チョコ作りに専念していた
今日はバレンタインデー
日頃お世話になっている邸の方々に、お礼の意味を込めて

つ 「明日は特別スペシャルデ~、、一年一度のチャンス~♪」
先程から、日本語で同じ歌を繰り返し歌いながら、作業しているつくしに、
シェフも肩を揺らせ、笑いをかみ殺し、手伝っていた

邸の人達には、ガトーショコラ
SPの人達には、アーモンド入りチョコ
なんとか3時頃には出来上がり、早速ケーキを切り分け、紅茶と共にリビングへ持っていく

つ 『お待たせ~』

皆の前に、ケーキと紅茶を置いていくつくしに、、
ジ 『つくし、、今日は、アレンとケビンに誘われなかったのかい?』
つ 『ああ、、二人共、ディナーに行こう、、って誘われましたけど、断りました』

それを聞き、アレンはケビンを、、ケビンはアレンをジッと見る
そして、ハンナはクスクスと笑っている

ジ 『どうして? どちらかを選べなかったのかい?』
つ 『ディナーなら、ここのシェフの料理で充分ですし、ほらっ、、今日はこれを作ってて』

ハ 『そう言えば、朝からシェフと、キッチンで楽しそうに作っていたわね』
つ 『ええ、、バレンタインなんで、皆にチョコケーキを作っていたんです。
   日頃のお礼を込めて、お世話になっている人達に渡す日なんですよ』

ア 『何でチョコケーキ? それに女性が渡すのっておかしくない?』
つ 『日本では、女性が男性に、愛の告白として、チョコを贈る日なんだけど、
   いつの間にか、お世話になった人や友人にも、渡すようになったみたいで、、
   あっ、シェフに手伝って貰ったから、味は保証するよ!』

アレンとケビンは、前に置かれたケーキを見る
どう見ても、同じ大きさに見える
どちらかと言うと、ジョージのケーキが一番大きいように見える

ケ 『じいちゃんのケーキが、一番大きくない?』
と、ボソッと不満を呟く

つ 『そう? じゃあ、私のも食べる?
   ケビンが、こんなにチョコケーキが好きだとは知らなかったな』
と言いながら、自分のケーキもケビンの前に置く

相変わらずの鈍感さに、皆は肩を揺らせるしかない

ハ 『くすくす、、、違うのよ、ほらっ、あなた達、、つくしに渡す物があるんじゃないの?』

その言葉に促されるように、二人は一度部屋に戻った
そして、アレンは花束を、ケビンは紐でくくられた風船の束を持って来る

ア 『はい、、つくし』
ケ 『つくし、、受け取って?』

本来ならば、その後、愛の告白をする物なのだが、二人はその言葉を、グッと呑み込む
今はまだ、その言葉を言うタイミングではないような気がして

つ 『ありがとう、、』
二人からのプレゼントを、嬉しそうに受け取るつくしを見て、今はこれで充分だと思う二人だった






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2 Comments

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2018-03-26 09:57

このコメントは管理人のみ閲覧できます

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-03-26 10:19

そうです!
拭いてどうする?(笑)
吹きこまなくっちゃ

修正しました

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