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今でも…<完>

63 二人の思い

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1月末の休日

ケビンとつくしは、大学時代の友人達と、スケートを楽しんでいた
ヨタヨタと滑るつくしを見ては、皆が大笑いし、、
スイスイと滑るケビンを見ては、皆が絶賛していた

その後、皆で食事に行こうと盛り上がり、ゾロゾロと移動を始めた
その時ケビンは、道端のワゴンで売っている雑誌に、目が留まった
そして、そっと近くのSPに、その雑誌を買っておくよう指示を出す

カフェに入った後、ケビンはつくしの前に座る
その方が、つくしの表情が良く見えるからだ

そのケビンの横には、自然に女性が腰を降ろす
以前のケビンなら、その女性の肩に手を置き、耳元で語りかけたりしていたが、今はそんな事はしない

目の前のつくしに、変な誤解をして貰いたくない、、と言う思いで
そして、食事をしながらも、コロコロと変わるつくしの表情を楽しんでいた

友 『つくしは、ケビンの秘書やってるんだ』
つ 『そう、、まあ秘書見習いって感じだけどね』

友 『だろうな、、
   つくしが完璧な秘書として、バリバリと仕事を熟すのって、3年はかかりそうだし』
つ 『そんなに? でも、まだまだ教えられる事、覚える事が多くて。
   早く一人前になりたいんだけど』

ケ 『そうだな、、まだ秘書の後ろで、チョロチョロと何かやってる感じだけど、
   つくしが入れるコーヒーは、凄く美味しいよ』
と、おどけた口調で茶化す

つ 『それ、、褒めてる? 良いコーヒー豆を使ってるからだと思うけど?』
ケ 『バレた?』

つ 『もう! 今度から、ケビンには入れてあげないからね』
ケ 『うそうそ、、本当に美味しいよ』
こうして、久し振りの友人達との語らいを楽しんだ後、邸へ戻った


邸に着いた後、SPから、そっと雑誌を受け取り、そのまま部屋に戻り、その雑誌を広げる
前回は、日本の雑誌だったから、記事を読む事が出来なかったが、これはアメリカの雑誌。
もちろん、英語で書かれている

ケビンは、記事を読み進めていく
【 日本では、まことしやかに囁かれていた花沢物産ジュニアの婚約報道だが、
  ここにきて、本人自ら完全否定した。
  ここからは、彼の言葉をそのまま記す。

 ≪ 私は、ここ最近噂されている方と、婚約そして結婚は、絶対に有りません。
   祖父達が勝手に盛り上がり、婚約と言う虚像を抱き始め、
   それをマスコミにリークしたのが、事の始まりです。

   私の意思を無視し、周りが勝手に騒いだ為、このように大きな事態に発展し、
   申し訳なく思っております。

   一言だけ言わせて貰えば、私の心の中には、ずっと一人の女性が住んでいます。
   5年前から、その女性だけを思い続けています。
   彼女だけが、私に必要不可欠の女性です ≫

  彼の写真を見て貰えば、彼の言葉が真実だと分かるだろう
  彼の本当の春は、一体いつになるのだろうか?
  いつの日か、彼の隣でその意中の女性を、拝見したい物だ 】
と、雑誌は締めくくられていた

ケビンは、一通り読んだ後、記事の横に載せられている写真を見る
真剣な表情で、瞳には強い意志を宿しているのが見て取れた

本棚から【 世界を担うジュニア達 】の雑誌を手に取り、花沢類のページを開く
この時の彼は、疲れ切ったような表情で、冷ややかな目線だ
確かに、記事通り、人生を諦めているように見える

この事を、つくしに話すべきだろうか?
でも、、
つくしは、この大学時代の先輩が、きちんと仕事を熟していて、
婚約した事に、ホッとしたと言っていたよな?

結婚式には、祝福メッセージを送る、、って言っていたし、
婚約や結婚が無くなったと知ったら、どう思うだろうか?

わざわざ俺から教える必要もないだろうか?
ただでさえ、秘書の仕事で、日々疲れているだろうから、こうして気分転換に連れ出した所だ
リフレッシュした所で、わざわざ悩みの種をまく必要もないか?
こうして、どこにでも売っている雑誌に掲載されているぐらいだし、
つくしの目に止まるのを、待つとしようか?

ケビンは、2冊の雑誌を閉じ、本棚に戻す
そして、皆が寛いでいるリビングへ向かった

***

その頃、二泊三日の短期出張からの帰路の為、空港に来ていたアレン
飛行機の中で読む雑誌を買う為、売店に来ていた

迷わず何時も購読している経済誌を手に取るが、隣りの雑誌の見出しに目が留まった
それも手に取り、二冊を購入し、飛行機に乗った

機内で、早速目的の記事を広げ、目を通す
一通り読み終えた後、フ~と深く息を吐き、窓から外を見る
機体は、かなり上空に上がり、外は青い空が広がり、下には白い雲が見える

( つ 『初めて飛行機に乗った時、この雲が綿菓子だったらな~って思ってね
    あっ、綿菓子って知らないか? 甘くてフワフワしたお菓子の事なんだけどね…』 )

つくしの何気ない呟き、会話に、どれだけ心が和んだだろう
彼女の裏表のない表情に、どれだけ癒されただろう

この記事の類は、以前雑誌で見た顔付きと、ガラリと変わっていた
それに、彼の心の中にいる女性、、それは、つくしの事だろう

そうでなければ良い、、
別の女性であって欲しい、、
そう願うのは、おかしい事だろうか?

つくしにこの雑誌を見せれば、直ぐに分かる事だが、、
それを確かめるのが怖い

情けないな、、
恋には、相変わらず臆病になってしまう


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