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牧野つくしという女<完>

64 ⑦(大変だ)

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類は、田村と共に、○○総合病院へ向かった

受付の人を前に、、
類 「すみません。 
   先程ここで左手首の骨折治療を受けた女性に付いて、お伺いしたのですが」

受 「何でしょうか? 
   治療内容については、個人情報ですので、教える訳にはいかないのですが」

ここで類は、自分の名刺を差し出す
類 「花沢類と申します。 怪我をした女性の牧野つくしは、私の婚約者です。
   少し誤解があったようで、彼女と連絡が取れないのですが、
   怪我の状態を教えて頂けませんか? 
   万が一にも、その怪我を理由に、婚約解消を言い出されても困ります。
   もちろん、怪我の状態は、誰にも話しませんので」

それを聞いた受付の人は、担当医師に連絡を取り、他言無用を条件に、、
と言う事で、類一人、別室へ案内された

医 「私が、先程牧野さんを診察した者です。
   本来ならば、ご家族の方以外には教えられないのですが、
   花沢さんは婚約者と申されますし、、」
と、慎重に言葉を選びながら、類を窺い見る

類 「はい、、牧野は、俺の大切な婚約者です」
医師の目をしっかりと見て話す類に、ブレは見られない

医 「そうですか、、それでは、ご説明いたします。
   左手首を骨折されています」

医師は、レントゲン写真を写しながら、詳しく説明を始めた
それを、一言一句聞き漏らさないよう、耳を傾ける類

医 「以上です。 ですから2,3日後からは、進んで指先、手首を動かされた方が、
   握力、指先のしびれなど、回復に向かいますので、無理のない範囲で行って下さい」

類 「それでは、リハビリ次第で、元に戻るんですよね?」
医 「そうです。 ほぼ元通りに戻るはずです。
   ただ手術をして、プレートを入れましたので、手首の傷は残ります」

類 「わかりました。 どうもありがとうございました」
牧野の怪我の具合を聞き、取り敢えず一安心する。

それでも、自分と母親の責任で、牧野に怪我を負わせたのは事実
早く見つけて謝り、誤解を解く必要がある。

受付まで戻ると、田村が類の元に近寄ってくる
類 「手首の骨折だけらしい。 明日から、三日程、消毒の為通院になるから」
田 「そうですか、、」
と、田村も、ホッとした表情を見せる

(怪我の状態は分かったが、肝心の牧野行方が掴めない。
牧野が、マンションから追い出され、行く当てがないならば、どこへ行く?
近くのホテル? 
でもその前に、、、そうだ、あの親友達の所に、泊めて貰うんじゃ?)

そう思い立ち、すぐ司に連絡を入れた



パーティー会場では、司が滋の到着を、今か今かと待っていた
司は、道明寺代表として、滋は、大河原代表として出席する予定だ
そしてこのパーティーで合流し、一緒に挨拶に回る事で、
二人が親密な関係と思わせ、他からのアプローチを防ぐ狙いもあった

その滋が、何時まで経っても来ない為、司は、一人で主要人物と、挨拶を交わしていた
すると、司の元に、あきらが来た
隣には、あきらの秘書がいる

あ 「よぉ! 司!」
司 「よぉ!」
と、二人は手を挙げ、挨拶を交わす

あ 「滋はまだか?」
司 「ああ、、約束の時間は、とっくに過ぎているのによぉ。
   それより、、、お前の方は、良いのか?」

司は、敢えて桜子の名前を伏せ、問いかけた
その問いかけに、あきらは苦笑いを見せる

あ 「仕事だからな。 でもきちんと了解を貰ってっから、心配いらねぇ。
   それより類は? あいつ、つくしちゃんを連れてくるはずだろ?」

司 「そうだよな。 そう言えば、あいつの姿も見ねぇ、、、
   って、、おい! あれ花沢社長夫妻じゃね?」

司の視線を辿り、入り口を見るあきら
そこには、立った今、入って来たと思われる、花沢夫妻の姿があった

あ 「いつ帰って来たんだ?」
司 「さあ? じゃあ類の奴、来ねぇなぁ」

あ 「案外、あいつ、バレンタインで盛り上がり過ぎて、つくしちゃんが寝込んでいるとか?」
司 「ありえるな。 あいつ、おかしい位、精力があるしな~
   でもまあ、俺らも挨拶に行こうぜ?」
あ 「ああ」

二人は、揃って花沢夫妻の元へ行く
司 「花沢社長、、ご無沙汰しております」
あ 「おばさん、、お久しぶりです」

聡 「ああ、、、司君とあきら君か、、元気そうで、仕事の方も、頑張っているらしいな」
司 「まあ、それなりに、、ですけどね。 それより、類と牧野はどうしたんですか?」
その質問に、二人は顔を見合わせる

麗 「実は、、、私が誤解してね、、、つくしちゃんを、追い出しちゃって」
聡 「今、、類が、必死に探している所でね、、
   代わりに私達が、ここに来たと言う訳なんだが」
と聡は、麗を気遣うように言葉を選びながら話す

あ 「誤解? 追い出す?」
麗 「そうなの、、、類君のマンションへ行ったら、凄く可愛い女の子がいてね。
   てっきり類君が手を出した、芸能人かと思って、、マンションから追い出したんだけど、
   その子が、つくしちゃんだったのよ。 
   でも私の知っているつくしちゃんは、平安美人のような古風で地味な顔立ちだったから」

(ああ、、仕事モードの牧野の事だな)
(類のマンションにいたって事は、やっぱりあいつ、やりまくってたな。
だから、足腰が立たなくなったつくしちゃんを、そのまま自宅で休ませていたら、
運の悪い事に、お袋さんが訪ねて来たって事か? ついてねぇなぁ)

司 「牧野は、凄く美人ですよ。 ただ仕事に集中する為と、類の奴が嫉妬するから、
   わざとダサくしているんです」
あ 「それに、信じられないくらい類の奴、つくしちゃんに夢中ですよ」
と、笑いながら二人は話す

聡 「あの類が? 今まで、どんな女性にも、見向きもしなかったのに?」
聡は、二人の言葉を聞いても、信じられない思いだ

司 「はい、、かなり惚れ込んでいます」
あ 「それに、自制が効かないくらい、やりまくっていますよ」
と、あきらは、にやりと告げ口をする

その言葉に、聡は驚きつつも微笑み、麗は、少し頬を染める

麗 「ね? あなた、、だから早くしましょ?」
聡 「そうだな、、その方が、何時出来ても良いだろうし」
と、二人は見合って、コソコソと話している

司 「何を、早くするんですか?」
と、司は、疑問を投げかける

聡 「ああ、、類と牧野さんを、結婚させようと思ってね。
   今回、その為に帰国したんだよ」

(結婚? 類と牧野が?)
(はぁ? あいつら知り合って、まだ2カ月だぞ?)

麗 「そうなの、、つくしちゃんのご両親に挨拶に行こうと思ってね」
と、話し合っている所に、司の携帯が振動を始めた

司は、失礼、、と断り、携帯を見ると、類からだ
司 「類から電話?」
ポツリと呟く司に、三人の視線が向けられる

麗 「類君、見つけたのかしら? それとも、何かあったのかしら?」
聡 「司君、、悪いが、ここで電話に出てくれないか?」

司 「ええ、、良いですけど」
皆の視線が向けられたまま、司は通話のボタンを押した

類 「司? 今すぐ大河原に連絡をとって! そして、牧野の行方を聞いて欲しい」
司 「ああ、、分かった」
司も、花沢夫妻から聞いた話と、類の焦った声で、直ぐに状況が理解できた

その場で、今度は滋に電話を掛ける
滋と一通りの遣り取りの後、、、

司 「大変だ、、牧野の奴、花沢を辞めると、言っているらしい。
   それに、二度と類の顔を見たくないとも!!」

それを聞き、麗は目に涙を一杯溜める

麗 「私のせいだわ。 私が、つくしちゃんに罵声を浴びせて追い出したから」
と、涙をこぼしながら、声を詰まらせる

その麗に、
聡 「大丈夫だ。 私も一緒に謝るから」
と、背中をさすりながら、必死に慰めている

その間にも司は、類に連絡を入れている
それが終わると、、

司 「あきら、、俺も滋ん家に行ってくるわ」
あ 「俺も行くわ」

聡 「司君、、私達も一緒に構わないかね。
   妻が仕出かした事ととは言え、私も一緒に謝って、早く誤解を解いてやりたいんだが」

司とあきらは見合った後、しっかりと頷く
司 「良いですよ。 皆で行きましょう。 あきら、総二郎にも連絡を取ってくれ。
   何かよく分んねぇけど、類の焦った様子が電話でも分かるし、
   ただ事じゃねぇのは確かだからよ」
あ 「ああ、、分かった」

こうして、皆で大河原邸へ向かった




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2 Comments

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2018-06-07 12:39

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りおりお
Re: おち~様

りおりお  

2018-06-07 14:12

こちらは、周りを気にしながらも、笑って読めますよね
心苦しくならない(笑)

それにしても、どうしてこうも皆が誤解していくんでしょうね?
それに、どうして『類君はゲイ』と、、皆が思うんでしょう?
そこが不思議です(笑)

修正しました
また見つけましたら、教えてくださいね

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