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牧野つくしという女<完>

63 ⑥(相談)

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約一時間程で、つくしの手術は終わった

看護師に呼ばれ、滋、桜子、優紀が部屋に入ると、そこには憔悴しきったつくしの顔があった
それでも三人を見ると、作り笑いを見せる
その不釣り合いな顔が、より一層痛ましく見える

つくしは、左手の傷の上に、防水テープが貼られ、その上をグルグルと弾力のある包帯が巻かれているが、ギブスはしていない

医 「三日程は、傷口の消毒に通院して下さい。
   今は、麻酔が効いていますが、それが切れますと、痛みがあると思いますので、
   痛み止めと化膿止めの抗生物質も処方しておきます。
   それでは、明日お待ち致しております」

医師の説明を聞いた後、滋がつくしの肩を抱き、診察室から出た

滋 「つくし、、このまま滋ちゃん家に行こ? そこで、ゆっくり話を聞くから」
つ 「うん、、、ごめんね」

桜 「先輩、、、あの、、」
つ 「桜子、、それに優紀も、、わざわざありがとね」

優 「私達の事はいいから、、それより、滋さん家で、ゆっくりしよ?」
桜 「そうです、、何でもお聞きします。 私達は、先輩の味方ですから」

つ 「うん、、ほんと、ありがとね」
つくしの小さな覇気のない声が、つくしの心の痛みを物語っているようで、
三人は、それ以上何も言えなかった


滋の家に着き、何時も四人が寛ぐ部屋に入った

つ 「本当に、、ごめん、、皆も、明日仕事なのに」
滋 「そんな事は、どうでも良いから、、それより何があったの?」

つ 「うん、順を追って話すとね、、、実は、前回、メープルで食事をしたでしょ?
   あの後から、、、全然抱いてくれなくなって、、」

桜 「と言う事は、その後も、何度かお会いしていたんですね?」
つ 「うん。
   そしたら二日前のバレンタイン前日に、、仕事先の秘書と、軽率な行為をしたって」
(キスをしたみたいで

その言葉に、三人は憤慨する

滋 「何やってんのよ! あの男は!」
(それって、、しちゃった、、って事でしょ? 
つくしのおかげで、女の身体に目覚めて、いろんな女を知りたくなった訳?)

桜 「そうです、、余りにも酷いです」
(ああいう男は、快楽にしか興味が無いんです。 ゲイを卒業したと思ったら、
今度は、女性の身体の柔らかさに、すっかり虜になったと言った所でしょうか?)

優 「信じられない!」
(軽率って事は、、、やっちゃった、、って事よね?
ゲイの次は、二股? バレンタインの前日なら、許されるとでも思った訳?)

つ 「だけど、必死に謝るし、私に話してくれるって事は、反省しているって事でしょ?」

滋 「まあ、、そうかな?」
(普通、言わないよね?)

桜 「ええ、、」
(立派な浮気ですから、必死に隠します)

優 「うん」
(ひた隠しにするよね?)

つ 「でもね、、その人の電話番号とアドレスの名刺を、大切に胸ポケットに入れて
   あって、こっそり携帯に登録している所を見て」

(何やってるかね、、葉山って男は! それって、ホステスの常套手段じゃない)
(良くあるパターンですわ。 受け取った事事態、もうダメです)
(何で、名刺なんかを受け取るかな~、、それって、下心有り、、って事になるでしょ?)

滋 「その女、顔に自信があるタイプ?」
(つくしより、美人系?)

桜 「それとも、身体に自信があるタイプ?」
(先輩より、胸があるとか?)

優 「やり手なタイプ?」
(セックスが好きそうとか?)

つ 「石原さとみに、よく似てる。 身体はよくわからないけど、、やり手だと思う」
(凄く可愛かった。 それに、仕事は凄くやり手だと思う)

(なるほど、、つい、あのプ二プ二唇に惹かれたか。 
あれは、女に目覚めた男には、魅力的に見えるかもね)
(体型は分からないって事は、顔に自信のある方ですね
でも、先輩の方が、可愛さも可憐さも、断然上ですのに。 見る目が無いですね、葉山さんは)
(やり手に、引っかかった訳ね。 
つくしの従順さも良いけれど、一度、主導権を取られてみたかったとか?)

つ 「たぶん、、私が名刺の存在に気付いているとは、思っていなかったと思う。
   だって、その日、二週間ぶりにやりたいって言って来たから」

(でも今思えば、、名刺は、私に対する、引き際を諭すアイテムだったのかも
もう、エンゲージリングを用意するくらいの、仲だったんだし
ご両親にも、その旨を伝えていたんだし)

滋 「それ、、罪滅ぼしなんじゃない?」
桜 「ええ、、先輩を抱いて、君の方が良いよ、、、って言うつもりなんじゃ?」
優 「うん、、魂胆、、見え見え」

(やっぱり、、そうだったんだよね。 演技だったんだよ。
それで、私の気持ちを確かめて、別れる気が無ければ、愛人として知らない顔で付き合い、
別れるんなら、それはそれでよし、、って考えて)
つくしは、三人の言葉を聞き、涙がこぼれる

つ 「でもね、、その時は、それでも良いと思ったの。 
   私を抱いてくれて、比べて貰っても、、
   それで最終的に、私を選んでくれれば、と思って。
   でもそれすらも出来なかったの。 私、、、生理になっちゃって」

(だって、、好きだったんだもん 
比べて貰って、最終的に私の元へ戻ってくれたら、それで良いと思っていたんだもん)
涙を流すつくしの背を、優しく優紀が撫でている

優 「それだけ好きだったんだ」
(かなり好きだったんだろうな。 葉山さんの趣味を、何でも受け入れるぐらいなんだし)
つ 「うん」

滋 「初めての恋だもんね」
(初恋だから、何でも素直に受け入れて。
これが初恋じゃ無ければ、浮気をした時点で、きっぱりと別れられたのに)
つ 「うん」

桜 「初めての男性ですものね」
(初体験が、ゲイの方、、と言うのが、そもそも間違いだったんです
ゲイの方って、これ程、性行為に対して、激しい方とは知りませんでした)

つ 「うん、、、だから、マウスアップダウンも頑張った」

(ん? マウスアップダウン、、、って何?)
(新なSM用語ですか?)
(何かわからないけど、大変そうな事の様に聞こえるんだけど?)

滋 「初めての体験も、一杯頑張って、、、エライよ! つくしは!」
つ 「でも、その翌日のバレンタインに、、こっそりその人に電話して、出かけて行って」

(はっ? バレンタインに、電話? 出かけた?)
(はっ? 何を考えているんですか? バレンタインですよ?)
(はっ? 何をしている訳? 
それって、つくしよりも、石原さとみとの付き合いの方が、真剣って事でしょ?)

つくしはもう、涙涙だ。
それに対し、三人は憤りを隠せない

滋 「バレンタインに、つくしを置いて出かける?」
桜 「何で自分から電話をするんですか! あの人、一体何を考えているの?」
と、素直に怒りを爆発させる二人に対し、優紀だけは違った

優 「でも、、もしかしてその人に、別れを告げる為に、会いに行ったのかも」
と、少しでもつくしの気持ちを浮上する言葉を、敢えて告げる

でも内心は、、
(普通、バレンタインには、別れ話をするにしても、会う事事態がおかしいんだけど)
と思っていた

つ 「私も、、そう思おうとしたんだけど、、帰宅した時に、石鹸の香りがして、、
   服も着替えていて、、多分、その人からのプレゼントだと思う。
   それに、私にプレゼント、、って花束をくれて」

滋 「つくし、、、つくしの気持ちもわかるけど、、それ確実に黒だよ」
(確信犯だよ、、花束を渡せば、何でも許されると思ってるよ)

桜 「ええ、、浮気して、平気な顔で帰ってきて、、
   プレゼントを渡せば、それでイチコロって思ってるんです」
(ある意味、知能犯かもしれません。 
恋愛初心者の先輩なら、イチコロとでも思ったのかも知れませんね)

優 「つくし、、悪い事は言わない。 そんな二股かけるような人、止めるべきだよ」
(もうダメだ! ここまで女癖が悪いと、これから先も、苦労するだけだよ)
と、つくしを、諭すように述べる

つ 「そうなんだけど、、でも、好きだって言ってくれて、、キラキラした瞳で笑いかけてくれて、、
   その表情や言葉が、とても偽りだとは思わなくて
   だからもう一度、私だけを見て貰えるように、、、頑張れば、、、って」
(だから、必死にマウスアップダウンも、、
生理中だから、身体は無理だけど、でも、類を喜ばせれば、、って考えて)

(つくし、、初恋だもんね。 恋に不慣れだもんね)
(先輩、、健気です。 葉山さんは、先輩のどこが不満だったんでしょう?)
(恋は盲目って言うけど、その通りだよね。 惚れた者の負けって事だ)

桜 「それで、ベビードールですか? これで迫るおつもりだったんでしょ?」
つ 「うん、、生理が終われば、これ着て、迫ろうと思って」

滋 「それが、、今日突然、別れを告げられたの? 
   やっぱりその、石原さとみが良いとか?」

つ 「それが、、マンションに突然、彼のお母さんが来て、、
   既に、結婚を決めている人がいて、エンゲージリングも用意しているって、、
   私の事は、遊びだから、鍵を置いて出ていきなさい、、って、、、、っう、、」
そこまで話し、泣き崩れる
(全然知らなかった。 私に内緒で、石原さとみと結婚を考えていたなんて
既に、エンゲージリングまで用意していたなんて)

そんなつくしの背をさすりながら
滋 「男は、そいつだけじゃないから」
(葉山さんから合鍵を貰っていたんだ、、、知らなかった~
それに、つくしと二股の上、相手の方との結婚を考えていた訳? 絶対に許せない)

桜 「そうです、、先輩でしたら、また出会いは沢山ありますから」
(お母様と遭遇ですか。 ビックリされたでしょうね
葉山さんって、どことなく神経質そうで、ちょっと癖がありそうでした
その人のお母様でしたら、きっともっときつそうな人ですよ。
だから、その反動から、ゲイになったのかも知れませんし
悪い事は言いません、サッサと別れましょう)

優 「あんな男は、早く忘れよ?」
(葉山さんの母親が、ゲイの息子を心配して、話を進めていたのかも?
でもそんな母親だと、後々苦労するよ? 気が強そうじゃない?
だから、結果別れて良かったと思う)

つ 「だから、、会社も辞めようと思う。 もう顔を会わすのも辛いから」
滋 「うん、、いつまでも、ここに泊まると良いよ。
   それに、滋ちゃんの所で、働こ?」
(つくしさえ良ければ、ずっとここで暮らしながら、一緒に仕事に行こう)

桜 「そうです、、完全に忘れる為には、全ての物を捨てて、一から始めましょ?」
(滋さんの会社でしたら安心です。 
福利厚生もばっちりですし、なにより、こうしていつでもお会いする事が出来ますから)

優 「うん、、そうしなよ」
(花沢物産には、もう良い思い出も無いし、
サッサと辞めて、滋さんの所で、新しい第一歩を踏み出すべきよ)
と、三人は、慰めていた

すると、滋の携帯が鳴り始める
表示を見ると、司からだ

今日は、大河原を代表して、パーティーに出席し、向こうで合流する事になっていた
ところが、急遽予定が変更になり、代役を立てたのだが、司には連絡を怠っていた
席を外し、部屋を出て電話に出る

滋 「司?、、、ゴメン、、ちょっと今」
司 「おい、、お前、牧野の行方知らねぇか?」

滋 「つくし?」
司 「ああ、、何かよ、、骨折して病院で治療後、行方が分からないんだとよ
   ○○病院と言ったら、お前んとこの系列だろ?」

滋 「つくしなら、、私の家にいるけど?」
司 「おっ! 助かった、、じゃ今すぐあいつに連絡して、迎えに行かせるから、、
   それまでそこで預かっててくれ」

(あいつ?って、、、葉山?)
滋 「はあ? 何言ってんの! 冗談じゃないわよ!
   つくしはもう、花沢を辞めるし、二度と顔も見たくないって言ってんのよ?」

司 「まあまあ、、俺も詳しくは知らねぇけど、何か誤解らしいぜ?
   とにかく、お前ん家に行くから、待っててくれ」
と一方的に電話を切った




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