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牧野つくしという女<完>

62 ⑤(社長登場)

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類は、電話を掛けるが、何時まで経っても繋がらない

類 「電話に出ない。 外は寒いし、、、あっ、もうマンションに戻ったのかも」
と言ったかと思うと、コートを手に取り、今にも執務室を出ようとする類
その腕を、しっかりと掴む麗

麗 「ちょっ、、ちょっと待って! それは有り得ないの!」
類 「なんでさ、、母さんが出て行ったのを確認して、戻っているかも知れないだろ?」

麗 「だから、それは無いの! 
   だって、つくしちゃんから、マンションの鍵を、返して貰ったから」
そう言いながら鍵を取り出し、掌に乗せる

類はそれを見て、目を見開き、フツフツと怒りが込み上げてくる

(何だって、、そんな事を、、じゃあ牧野は今どこにいるのさ。
母親に追い出され、鍵も取られ、、、ある意味、同棲に反対しているように見えるだろ?
あいつ、かなり誤解しやすい質なんだ。 
変な方向に考えていたら、もう俺達、元に戻れなくなるかもしれない
ホントこの人は、昔っから思い込みが激しいと言うか、きちんと確認すればすぐに分る物を、、これが自分の母親で無ければ、殴り掛かっている所だ)

麗 「ほんとに、ごめんなさい。 
   だって、綺麗な女の子だったし、どう見ても芸能人にしか見えなかったし、、
   履歴書のつくしちゃんとは、まるっきり違うし、、、とにかく、ごめんなさい」
と、頭を下げる

(あぁ、、奥様、、、私の説明が悪かったのでございます。 
どうかお顔を、お上げください)

田 「類様、、
   私も、牧野さんとあの可愛らしい方が、同一人物だとは、全く気付きませんでした
   それに、元はと言えば、私が社内の噂を、奥様にご相談した事がキッカケで、
   このような事態を引き起こしたのでございます。 本当に、申し訳ございません」
と、田村も平伏す様に頭を下げる

二人のその姿を見て、、
(せめて田村には、話しておくべきだったか? 
そうしたら、ここまでややこしい誤解を、招く事は無かったのかも知れない)
と、少々反省をするものの、、、

(どうしてこうも、二人が揃いも揃って、思い違いをするんだ?
とにかく今は、一刻も早く、牧野を見つけ出す事が先決だ
今の俺にとって、牧野と言う存在は、仕事より重要な存在なんだから)

類 「田村、、悪いけど、パーティには行けないから。 牧野を探す方が、先決だから」
(そうでございますよね、、ですが、、今回のパーティは、誰かが出席して貰わなければ)

田 「そうでございますが、、
   誰か代理で行って貰うと致しましても、もう他の重役達も帰られまして」
麗 「今から、電話で呼び戻す事は出来ないのかしら?」
と、話し合っていると、聡が執務室に入って来た

聡 「何だ? 皆して、騒々しいが?」
突然の社長の訪問に、類と田村は驚く

(父さん?)
(社長?)

聡 「それで、、牧野さんはどこかな?
   キチンと挨拶をして、明日には、ご両親の所へ、挨拶に伺おう」
と、ニコニコしながら三人の元へ近づく

そんな聡に、麗が縋るように抱きつく
麗 「あなた~、、どうしましょう、、私ったら、つくしちゃんに酷い事をして!」
と、泣き始めた

それを見て、ギョッとする聡
聡 「一体、どうしたと言うんだ?」

すると今度は、入り口に控えていたSPが、室内に入ってくる

S 「差し出がましいようですが、、私がエントランスで警備をしていた所、、
   茶色のワンピースの上に、コートを羽織られた、可愛らしい女性がマンションから出てこられ」

(!!!)

類 「それだ! その女性が牧野だ! 昨日、一緒に選んだんだ、その茶色のワンピース」
麗 「ええ、、茶色のワンピースを着ていたわ」
と、二人はSPの目撃証言に、期待を寄せる

類 「それで、、どこへ向かった?」
まるで、掴みかかるように問い詰める類に、SPも一瞬たじろぐ

S 「はい、、それが、エントランスを出られた所で、雪道に足を取られ、派手に転倒されまして」
類 「転、、、倒、、、」

(あいつ、、二日前も転倒したんだよな。 どこか怪我をしているんじゃないだろうか?)
(えっ? 転倒? あの後、転んだの?)


S 「はい、、頭は打たれていないようだったのですが、手にしていたバックも放り出すほどで、、
   すぐに助け起こしたのですが、本人は、大丈夫と言われまして、
   下を向かれていましたが、涙が頬を伝い落ちておりまして、、
   マンションを背に、右方面に歩かれていたのですが、左手を押さえたままでして」

(泣いていた? それって、母さんに、ある事無い事を言われて、、誤解して?
それに左手と言えば、二日前に痛めた所だ)
(私のせいだわ、、あの時、私が酷い事を言って、そこからずっと泣いていて)

類 「あいつ、、二日前にも転倒して、左手首を負傷しているんだ」
S 「あの様子ですと、、、骨折されているのかもしれません」

(骨折? じゃあ牧野は今、、)

それを聞き、麗はかなり動揺する
(骨折? 私の不必要な言葉で、つくしちゃんの心を傷付け、その上、怪我までさせて、、)

麗は、無意識に聡の腕を握り締め
麗 「ああ、、どう致しましょう。 私のせいだわ、、私が、、、どう致しましょう」
と、ブツブツ言っている

類 「俺、とにかく牧野を探すから、
   父さんと母さんは、悪いけど俺の代わりに、パーティへ行って来て。
   田村、場所と内容を教えてあげて」

(私が出来る事と言えば、類君とつくしちゃんの代わりに、仕事を熟す事よね?
その間に、類君がつくしちゃんを探してくれるはずだし、、謝るのは、それからよ
あ~、、でも、許してくれるかしら?)

麗 「ええ、、分かったわ。 つくしちゃんが見つかったら、連絡をちょうだい。
   すぐに駆けつけ謝るから。 そして、とにかく謝らせてちょうだい」
と、必死に訴える

聡 「何かよくわからないが、お前達の代わりに行って来ればいいんだな」
類 「そう、、詳しくは、母さんから聞いて!」

田村は、直ぐに場所と内容が書かれた用紙を、聡に渡す
それを受け取った聡は、麗の肩を抱いて、すぐさま執務室から出て行った

類 「田村、、整形外科を当たって。 
   骨折しているなら、必ずどこかで、受診しているはずだから。
   俺は、総合病院を当たってみる」

田 「畏まりました」

こうして二手に別れ、電話で問い合わせを始めた
すると、類の方で、それらしい女性が受診したと言う総合病院が見つかった
ただ、個人情報の為、名前や病状などは、一切教えて貰えなかった

類 「田村、、たぶん、この総合病院だと思う。 俺、直接行って聞いてくるから」
田 「私も、お供します」

こうして、類は田村と共に、つくしが受診した病院へ向かった





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