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牧野つくしという女<完>

61 ④(友人達)

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麗の消え入りそうな声に、類は驚愕する

類 「うそ、、だろ? 何で、、そんな、、」
麗 「だって、、、田村が、類君は女性に目覚めて、芸能人とハードプレイしているって言うから」

(はっ? 私が? 何時その様な事を?)

田村の名前が出た事で、類は、田村をギロリと睨む
すると今度は、田村が首と手をブンブンと横に振りながら、、

田 「とんでもございません。 私は、そのような事は言っておりません。
   ただ社内で、、その、、類様は、、ゲイで、かなりのハードプレイマニアと噂になっている、、
   と、奥様にご相談しただけで、、」

(えっ? ゲイで、ハードプレイマニア?)

麗 「ゲイ? で、ハードプレイ? やだ、、類君ったら、やっぱりゲイだったの?
   じゃ、つくしちゃんは、当て馬?」
と、麗の過激な発言に、類は再び驚きの顔を見せる

類 「何でそうなる訳? それに、やっぱり、、って何なんだよ!
   俺は、至ってノーマルだし、日々、牧野と普通に愛し合ってるし」

麗 「ほんとにほんとね? ちゃんと、つくしちゃんと、愛し合えている訳ね?
   その、、ちゃんと身体の関係も、きちんと出来ている訳ね?」

(何? その確認は、、どれだけ俺って、信頼が無いのさ。
それに、身体の関係と言葉を濁すけれど、それってセックスしているか?って事だろ?
そんなデリケートな部分を、何で親の前で公表しないといけないのさ、、
でも、、この人も、田村も、かなり誤解しているしな、、
ハッキリさせとかないと、もっと悪い方向に考えそうだし)

類 「ああ、、ほんと。 俺は、牧野と愛し合ってる。 きちんと、身体の関係もある。
   それより牧野を追い出した、、、って? あいつ、他に行く所なんかないはずだし、
   どこかのカフェにでもいるのかも知れない」

麗 「ほんとにごめんね。 私ったら、類君に色仕掛けで、身体の関係を迫っている、
   芸能人としか思わなかったから、、
   だって、ベビードールが置いてあったし」

類 「ベビードール? そんなの着た事無いけどな?
   まっいいや、、ちょっと電話してみるから」
と、携帯を取り出し、電話を掛け始めた



一方、マンションを追い出されたつくしは、左手の激痛に耐えながら、駅に向かっていた
二日前に転んだ時は、手首を動かさなければ、痛く無かった

所が今は、ズキンズキンと痛く、手も腫れてきている
それに、マンションを追い出された今、行く宛ても無い
ホテルに泊まろうにも、財布の中には、あまりお金も無い

つくしは、バックから携帯を取り出し、電話を掛けた

つ 「あっ、、滋さん?」
滋 「つくし? どうかした? つくしも、今日のパーティーに行くんでしょ? 
  滋ちゃんも今ね~」
と、話しを続けようとしたが、それをつくしが遮る

つ 「滋さん、、ごめん。 パーティーには行けなくて。
   それと、今日泊まらせてくれる? っ痛」
つくしの声が、あきらかにおかしい事が、電話越しでも伝わる

(つくしの声、、どことなくおかしい。 声に覇気が無く、弱弱しくて、、)

滋 「つくし? どうかした? 何かあった?」
つ 「うん、、雪道で転んで、ちょっと左手が、、」

(転んだ? まさか、骨折しているんじゃ?)

滋 「大変、、、今、どこ?」
つ 「あっ、、大丈夫だから、、パーティーが終わったら、迎えに来てくれない?」
その声も、痛みを堪えているように聞こえる

(こんな時に、そんな悠長な事を。 
 パーティーに出席できないくらい、左手がおかしいんでしょ?)

滋 「ばかっ! それどころじゃ無いでしょ? 
   パーティーは、他の人に行って貰うから、、で、今どこ?」
つ 「○○駅近くのスタバの前」

滋 「じゃ、スタバの中で待ってて! 外は寒いから、、、30分程で着くから」
つ 「うん、、ごめん」

電話を切った後も、手首が痛く、とてもスタバの中で、呑気に時間を潰す事は出来そうにない
つくしは、ジッとその場で待った

暫くすると、つくしの前に一台の車が止まり、中から綺麗に着飾った滋が飛び出してきた
滋 「つくし! 大丈夫? どこが痛いの?」

(私の電話一本で、仕事であるパーティーをキャンセルしてまで、駆け付けてくれる親友の存在が、とても嬉しい。
それに、今の私は、恋人も住む所も仕事も、全て無くなってしまった。
そんな中で、唯一残った親友と言う存在に、心が救われる気持ちになる)
その思いから、再びポロリと涙が零れ落ちる

つ 「左手首が、、、」
滋は、その言葉に、手首を見ると、傍目にも分かるほど、腫れているのが分かる

(あちゃー、、これ確実に折れているよ。 痛そ~)
滋 「大変、、すぐ病院に行こ? それ、折れていると思う。 痛いよね?」
つ 「ごめんね、、滋さん」
つくしは、自分を心配してくれる滋の姿に、次々と涙が零れる


(痛いよね、、それなのに、パーティーが終わってからで良いなんて、強がり言っちゃって)


滋 「いいから、、、ほら乗って」
つ 「うん」
こうして、急いで大河原系列の病院へ向かった

車中で、つくしはポツリと言う
つ 「滋さん、、私、会社辞めるね」
(はっ? 会社を辞める? 何かがあったんだ)

突然の辞める発言に、滋も驚く
滋 「えっ? 何でまた、、専務に虐められたとか?」

その問いに、ゆっくり首を横に振る
つ 「失恋、、、、しちゃった」
と一言呟き、下を向いたまま、静かに涙を流す

(失恋? 葉山さんとつくしが? でもこの前は、大切にするって言ったよね?
まさか、、あのゲイ男、、土壇場で、専務の方を選んだわけ? 
でも、とにかく今は、つくしを病院に連れていく事が先決だし、、)
どう声をかけていいのか分らず、ただ背中をさする事しか出来ない滋だった



病院に着き、レントゲンを撮ると、思った通り、骨折していた
医 「綺麗に折れていますね。 
   二日前にも転倒され、動かすと痛みを感じていたのは、ヒビが入っていたのでしょう。
   これですと、切開してプレートを入れた方が回復も早いですし、握力も戻りますから、
   すぐに手術をしましょう」
と言われ、直ぐに手術の準備に取り掛かった
部分麻酔をし、手術時間は、一時間程らしい

その間に、滋は、桜子と優紀に連絡を入れる
すると二人共、直ぐに駆けつけてきた

滋 「桜子、、あんたパーティーは?」
桜 「私は、まだ専務の秘書ではありませんから、、それより滋さんの方は?
   その格好ですと、パーティーだったのでは?」

滋 「そうだったんだけど、、
   つくしから切羽詰まった声で電話があって、あれ絶対何かあったんだよ」
優 「何か? って、何?」

滋 「詳しくは分からないんだけど、今日泊まらせてくれる?って言ってたし、、」
桜 「それ、、おかしいですね。 明日は、火曜ですし」

滋 「それに、、失恋した、、会社も辞めるって言って、ここに来るまで、ずっと泣き続けてさぁ」
その言葉に、桜子と優紀は、驚いた顔を見せる

(失恋? 別れたって事ですか? 嘘でしょ? だから、会社も辞めると?)
(この前まで、ラブラブだったじゃない? 一体、何があった訳?)

滋 「それに、、雪で滑って左手首を骨折って言うけどさぁ、つくしもすごく可愛い格好していたんだよ? 
   あれって、つくしが花沢専務とパーティーに参加する予定だったって事でしょ?
   だったら、何で○○駅にいる訳? 
   花沢本社は、××駅だし、つくしの社宅は△△駅でしょ?」

桜 「あっ、、じゃあ、葉山さんの家が、○○駅なんじゃないですか?」
滋 「それ以外にないよね?」
その言葉に、桜子と優紀は、しっかりと頷く

(間違いありません。 先輩は、葉山さんの家に行ったんです)
(何か思う所があって、葉山さんの家に行ったんだよ)

優 「でも葉山さんは、メープルで会った時に、つくしの事を大切にするって言ってましたよね?」
桜 「まさか、、、心変わりですか?」

滋 「それ以外ないじゃん。 
   なんだかんだで、あの男、、花沢専務を取って、つくしを捨てたんだよ。
   それで納得のいかないつくしが、パーティーの前に葉山の所へ行って、
   話しをしようとしたけど決裂した。
   途方に暮れたつくしは、雪道で足を滑らせ骨折した、、って所じゃない?」

優 「それで滋さんに、泊まらせて?と頼んだ、、って事は、、」
桜 「私達に、話しを聞いて貰いたかったんじゃないでしょうか?」

滋 「たぶんね。 
   だって、つくしったら、葉山さんのSMの趣味を、全て受け入れるぐらい、本気だったんだよ? 
   それなのにフラれたんだから、言いたい事も沢山有るはずでしょ?
   だから、皆で一緒に話を聞いてあげようと思って、呼んだんだよ」

優 「それで、つくしの容態は?」
滋 「左手首骨折、、今、手術している所!
   プレートを入れた方が、治りが早いんだって」

桜 「そうですか、、プレートを入れる手術って事は、傷が残りますよね?」
滋 「うん、、5cm程、切開するらしい。 
   でも術後、直ぐに退院できるし、そしたら私ん家で、詳しく話を聞いてあげよ?」
その言葉に、桜子と優紀は、しっかりと頷いた

桜 「それより、そのバッグは、先輩の物ですか?」
滋 「そう、、それと、これも持ってた」
と袋を見せる
二人も良く知っている、あの袋だ

優 「つくし、、そのベビードールを着て、葉山さんに、アプローチをしたかったのかも」
桜 「ええ、、男より女の方が良い、、って事を、見せつけたかったんでしょうね」
滋 「そうだと思う。 それくらい、必死だったんだよ」

つくしの事を思うと、遣り切れない気持ちが溢れてくる
ベンチに腰掛け、神妙な面持ちで、つくしの手術が終わるのを待っていた

三人は、話しと思考に夢中で気付かなかった
つくしのバックの中の携帯が、ずっと振動していた事を





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