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きらきらひかる<完>

69 未来

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祖父から、思いがけない告白を聞き、千恵子は思わず涙した
そして、隣りのつくしは、あんぐりと口を開けたままだ

父 「お前が、金を借りに来る事も、予想はついていた。
   だから、これ幸いと、つくしをセミナーに参加せせる様に告げたんじゃよ。
   女であるつくしを、参加させるはずがない、、と踏んでな。
   そうすれば、お前と孫達は、私の元に帰って来るだろ?

   ところがお前は、つくしを参加させると言うし、つくしの方も、実際に参加した。
   だから今度は、つくしがリタイアする事を願ったんだが、、
   こちらも失敗に終わった様だ。
   花沢のジュニアは、他人に無関心と聞いておったのに、いつのまにか、
   つくしのナイトの様に、甲斐甲斐しく世話を焼き始めるしな」

その言葉に、つくしは頬を染め、、、
つ 「ナ、、ナイトって///、、あれは、兄弟、、って感じで、、手のかかる弟って感じで、、」
と、小さく呟く

父 「私の完敗だ。 だから方向を変えようと思う」
千 「方向を代える? とは?」

父 「もう意地を張るのは、止めようじゃないか。
   お前の夫の賠償金や、他の補償手続きは、すでに済ませてある」

その言葉に、千恵子は驚きつつも礼を言う
千 「お父さん、、、ありがとうございます」

父 「それと、交換条件と言う訳ではないんだが、お前とお前の夫は、私の所で働きなさい」

思いがけない言葉に、千恵子は驚きを隠せない
それは、父親との確執に、雪解けを感じさせる条件だから
千 「えっ?」

父 「お前の夫は、工場での単純作業しか出来んのだろ?
   それなら、我が社の土木部門で働くと良い。 お前は、その土木部門の経理をしなさい。
   スーパーのレジ打ちでは、折角学んだスキルも活かせないだろ?
   それにこの20年、お金の大切さを学んだのだから、経理上節約できる部分を、
   どんどん指摘すると良い。」

千 「ありがとう、、お父さん」
余りにもいい条件に、千恵子は思わず涙する

父 「それとつくし、、、お前は、英徳大学を受験しなさい」
つ 「えっ 英徳大学?」

父 「そうだ。 両親が、私の所で働く様になれば、生活は楽になるから、
   お前はバイトをする必要も無くなる」

千 「確かにそうですけど、、お父さん、、突然、どうしたんですか?」
千恵子は、涙を拭きながらも、突然の父親の申し出が、不思議でならない

父 「お前にしてみれば、突然の事かもしれん。 
   だがな、お前が駆け落ちせず、私の元にさえいれば、孫たちは当然の如く
   大学へ進学しただろう?
   それを、両親が貧しいからと言う理由で、学ぶ機会を初めから与えないのはおかしい話だ。
   それにな、、私も何時までも健康で居られる保証はない。
   だから、、残りの人生、お前達と共に、孫の成長を見届けたかったんじゃよ」

父親の言葉に、千恵子は心が震える
千 「お父さん、、、本当に、、本当にすみません。 そして、、ありがとう」
と、何度も頭を下げた

父 「つくし、、お前は、大学に行けるとしたら、行きたいと思わないか?」
つ 「行きたい、、行きたいです。 でも英徳大学は、、その授業料がバカ高くて、、」

父 「それは、私が出してやろう」

千 「えっ? お父さんが?」
つ 「お爺ちゃんが?」

二人は、何度目かの驚きで、重吉を見るが、
重吉はその二人を、優しい眼差しで見つめている

父 「先程、つくしが絶賛してくれた帝王学のセミナーなんだが、
   あれは、私が企画し主催した物なんだよ」

その言葉に、二人は驚き過ぎ声すら出ない

父 「だから、セミナーの間中、つくしの事は報告して貰っていたんだが、、
   お前は、F4というヤンチャ者達を上手く手懐けたらしいな」

つ 「そんな、、ただ友達に、、」
父 「彼等は、ずっと4人でつるんでいてな、、他の誰の意見も聞かない奴等だったんだよ。
   それがこの二週間の間に、他の人の意見にも耳を傾けるようになった。
   たとえそれが、友達だとしても、その位置に認めて貰えたお前は、
   何かを持っているのかも知れん。
   それに、、、そのセミナーを、絶賛してくれただろう?
   それだけで、私は凄く嬉しかったんだよ」

つ 「そんな、、私はただそう感じただけで、、それに、私には、そんなすぐれた所なんか、、」
と、首を振りながら答える

重吉は、記念品の中のパズルを手に取り、つくしに見せる

父 「努力、、お前が書いた文字だ。 これは、自分の心の中の言葉だ。
   お前は、どんな困難にも立ち向かい、努力を惜しまないのだろう?」
つ 「誰が、、そんな、、、」

その呟きに、重吉は微笑む
父 「良いか、、、英徳大学に合格すれば、大学の授業料は、私が合格祝いとして出してやる。
   だが、受験までは、あと半年しかない。 死ぬ気で努力しろ。
   そして、自分の未来は、自分で掴みとれ!」

つ 「お爺ちゃん、、、」
父 「今まで、何も手を貸さず、申し訳なかったな」

つ 「ううん、、、そんな事無い」
父 「家が貧しいからと言って、全てを諦めようとするな。
   家族の為に、犠牲になるな。 お前はまだ若い。 無限の可能性があるだろ?
   努力は必ず報われる。 そしてお前は、一人じゃない、、、そうだろ?」

つ 「うん、、、お爺ちゃんと言う強い味方がいる」
父 「私もそうだが、お前をこの二週間、そっと支えてくれた奴がいるだろ?」


重吉の言葉に、ある一人の人物が脳裏に浮かぶ

つ 「それ、、って、、花沢類?」
父 「そうだ、、彼に言われたんだよ。 
   お前との未来を、二人で築いていきたいから、少し手を貸してくれとな。
   彼の人生には、お前が必要だそうだ」

つ 「花沢類が、、そんな事を?」

父 「彼の会社も大手だが、お前との未来に、私のバックグラウンドは要らないそうだ。
   お前個人と切磋琢磨し、共に支え合い向上していく姿を見せる事で、
   彼の両親を納得させると息巻いていたわい。
   それらを、今回のセミナーで学んだんじゃと。
   自分の未来は、自分の手で掴みとる、、、何事も諦めない精神、、と言う物をな。
   だから、お前を英徳大学に、通わせて欲しい、、と言ってきおったわい」

つ 「花沢類、、、何時の間に、お爺ちゃんに?」
そのつくしの問いかけを、重吉は笑みを見せる事でスル―する

父 「それじゃ、お前の家庭教師を紹介する。 
   後は、受験までのスケジュールを、二人で話し合うと良い。
   じゃあ、家庭教師の先生に、入って貰おうか」

その言葉を合図の様に、ドアが開いた
そこには、類が立っていた

類 「くすっ、、、よろしく、、牧野。 これからも、、ずっと、、ずっと、宜しく」
つ 「は、、な、、ざわ、、、る、、い」

つくしは、ビックリしすぎて、上手く言葉が紡げない
そんなつくしに向かって、ニッコリと笑う

類 「後半年しかないけど、俺と共に頑張ろ? そして、二人の未来を、掴みとろ?」
その言葉に、つくしはポロリと涙が零れ落ちる
そして、しっかりと何度も頷いた

類は、そんなつくしの傍に行き、そっと涙を拭う

そんな二人の姿を、重吉と千恵子は、微笑みながら見ていた





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