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きらきらひかる<完>

67 直談判

4

類は、スタッフに連れられ、ホテルの一室の前に来ていた

コンコンッ

ス 「花沢氏を、お連れ致しました」
祖 「入りたまえ」

ス 「どうぞ、、」
類 「失礼します」

類は、部屋の中に一歩入るなり、厳格そうな容姿の重吉にたじろぐ物の、しっかりと目を見て話す

類 「花沢類と言います。 初めまして」
祖 「花沢物産のジュニアだろ? まあ、、お掛けなさい」

類 「はい、、失礼します」
類が、重吉の前に座ると、スタッフの一人がお茶を目の前に置き、一礼をして部屋から出て行った

祖 「それで、、私に何の話しかな?」
類 「単刀直入に言いますと、私は、お孫さんであるつくしさんを好きになりました。
   そして、私の気持ちを伝え、つくしさんも同じ気持ちである事を確認しました。
   ただ、今後の二人の付き合いには、色々な障害があります。
   そこで、つくしさんの祖父であられる川崎さんに、力添えを頂きたいのと、
   今回、彼女が女性であると知りつつ、このセミナーに参加させてくれた事への
   お礼が言いたいたくて、連絡を取って貰いました」

余りの簡潔すぎる話に、今度は重吉の方がたじろぐ
祖 「それは、、単刀直入すぎる話だな。
   まずは、聞かせて貰いたいのだが、どうして私が、つくしの事を女だと知った上で、
   このセミナーに参加させたと思うのかね」

類 「つくしさんから、家庭の事情を聞いた時には、「つくし」と言う名前から、
   単に男性と間違えたのだろうと思っていました。
   それが、最後の指令で展望台へ行った時、石碑を見て、その場所があなたの所有地、
   あるいは、息のかかった施設だと分りました。
   そこで、全てが理解できました。

   このセミナーの修了証と記念品を交換条件に、お金を工面する約束をされたそうですが、
   記念品が何であるかを、知っていたはずですよね?
   それなのに、あなたはこの話を娘さんにした、、という事は、、
   娘さんに無理難題を言えば、娘さんは孫を連れて、あなたの元へ帰るだろう、、、
   と考えたのでは?と思った次第です」

重吉は、類の鋭い観察眼に一目置く

祖 「なるほどな、、君の想像通りだよ。
   私は、孫のつくしが女だと知りながら、娘の千恵子に、この話をした。
   そうすれば、娘と孫たちが、私の元に帰って来ると踏んでな。

   駆け落ちをしたとは言え、大切な娘に変わりは無い。
   その娘の様子を、心配しない親はいないだろう?
   だから、こっそり娘の動向を、窺っておった。

   貧しいながらも、二人の子供を作り、幸せそうに暮らしている娘を見ながらも、
   お金で苦労する姿を見る度に、何とかしてやりたいと思っておった。
   だが、駆け落ちをし、親子の縁を切っている手前、表だって助けてやることが出来ない。
   だから、あの男の事故の話は、こちらとしても願ったり叶ったりだったんだが、、、

   あの娘は、事もあろうに、私の話に乗ると言い出した。
   孫のつくしが、女であると私に黙って、このセミナーに参加させると言うんだぞ?

   それでも孫であるつくしが、最終的に断ると思ったんだが、これまた参加しおった。
   でもこのセミナーは、過酷なアウトドアだ。 絶対に途中リタイアすると思っておったし、
   途中でバレるだろうと、、高を括っておったんだが、、、」

類 「彼女は、本当に一生懸命に男を演じ、数々の指令をクリアしていきました。
   それは、あなたの娘さんの血を引いているからじゃないでしょうか?
   一度決めたら、最後までやり通す。 そんな強い意志を持っていますから」

祖 「そうか、、つくしは、男を演じ頑張っておったか、、それならどうして気が付いた?」

類 「同室でしたし、指令も、ずっと一緒に行っていました。  
   どんなに男を演じていても、ふとした瞬間に、女性らしさが出ていましたから」

祖 「そうか、、それを君は知りながら、黙っていた、、と」

類 「はい。 彼女の事を俺の親友も気に入っていました。
   もし、彼女が女だと話したら、きっとすぐさまアタックしていたでしょう。
   それを避ける為にも、ずっと黙っていました
   それに、女だと知れると、即リタイアになりますから、、それだけは避けたいと思って
   少しでも長く一緒にいたいと思っていましたし、、頑張る彼女を、応援していましたから」

祖 「君の親友とは? それは、道明寺、美作、西門のジュニアか?」

類 「はい、、そうです。 男と思っているからこそ、自分の気持ちにかなり戸惑っていたようです
   それでも、今後も牧野とは、親友として付き合いたいと、切に願っているようです」

祖 「そうか、、つくしは、それ程までに、魅力があるのか、、
   それに君には、色々と世話になったらしいな。
   川に溺れそうになった所を助けたり、斜面を転がり堕ちた時にも介抱してくれたり、
   雷雨の中も、安全を確保してくれたり」

その発言に、自分達の行動が、何処かから見られていた事を知るが、
それだけ孫が、可愛いのだろうと思い遣る

類 「それを言うなら、私の方も、つくしさんには助けられてきました。
   彼女とペアで無かったなら、私は、早々にリタイアしていたはずです。
   元々、私は、アウトドアが苦手でしたが、それをつくしさんが楽しい話で紛らわせてくれ、、
   精神面で、凄く助けられました」

祖 「そうか、、互いを助け合い、、無事乗り越えてきたという事か、、
   そして、、それ程までに、つくしを気に入ってくれたのか」

類 「はい、、彼女の人柄、性格、家族思いな所、真面目で努力家な所、
   その全てに惹かれています」
祖 「ほぉ、、つまり、つくし個人を好きになったと?」

類 「はい。 私は、牧野つくし個人に惹かれました。 
   決して、彼女のバックグラウンドに惹かれた訳ではありません」
祖 「ズバリ物を言う奴じゃな、、君は。
   つまり、、私の存在には、魅力を感じないと?」

類 「はい。 私は、川崎ゼネコンと取引がしたいのではなく、
   牧野つくし個人との未来を、二人で築いていきたいと思っています。」

祖 「ほお、、どうやって? お宅も、日本では有数の企業だろ? 
   つくし個人となると、かなり貧しい家庭だし、そんな女性との交際は反対されるだろ?
   私が、バックについていると話した方が、交際も順調に進むのでは?」

類 「そうですね。 今のままでは、確実に反対されると思います。
   ですが、彼女が英徳大学に入り、経済学部で私と共に切磋琢磨する姿を見れば、
   何も言わなくなるはずです。
   なぜなら、今までの俺は、何事にもやる気がなく、父親の様に、大勢の社員を引っ張り、
   リーダーシップを取りながら、更に会社を盛り立てて行く自信が全くありませんでした。

   それがこのセミナーに参加した事で、リーダーとしての在り方や、友の大切さを知り、
   何事にも協力して、粘り強くやる事を教わりました。
   いろんな意見を聞き、その中で、最善策を瞬時に選び出し、それを友と共に達成する事の
   喜び、楽しさ、充実さ、、ありとあらゆる事を、教わりました。

   そして、私に新しい感情を、目覚めさせてくれました。 
   どんな困難にも立ち向かっていく勇気を、教わりました。 
   自分たちの未来は、自分達で掴み取れる事を、教わりました。 凄く感謝しています。

   その上、私にとって、無くてはならないかけがえのない人物と、出会う事が出来ました。
   彼女の存在が、更に私を奮い立たせてくれる事を、きっと両親も分ってくれると思います。
   そして、私の両親も、バックグラウンドに惹かれるのではなく、牧野つくし個人を
   気に入ってくれると信じています。」

祖 「それで、、私に大学へ行く後押しを?」

類 「そうです。 今回、あなたからお金を貰っても、やはりまだ家庭は貧しいままです。
   ですから、すぐさまバイトに励み、高校卒業後もすぐに就職し、家計を助けるつもりです。
   決してそれが嫌だと言うのではありません。
 
   ただ、彼女のやる気、向上心の芽を摘み取って欲しくないんです。
   彼女も、金銭面での不安が無くなれば、大学に通ってみたいと言っていました。
   大学で経済学を学べば、きっとどこの企業からも引く手あまたの人材になるはずです。

   なぜなら、幼い頃の生い立ちから、しっかりとした人格が備わっているからです。
   金銭面もシビアですし、泣き事も言わず、努力を惜しみません。
   私には無い、沢山の良い面を持っているんです。
   ですから、大学で沢山の事を学び、私と共に今後も成長していきたいんです。

   私が、大学の授業料を出すと言っても、キッパリと断られました。
   他人である私の世話に、なりたくないと、、
   それに、そのお金は、私の親が出す事になるんだから、、、と

   ですから、他人では無いあなたからなら、素直に受け取ってくれるのではないかと、、
   もちろん、、私が大学卒業後、働き始めましたら、大学代金を支払います、、ですから」

類の切に訴える言葉、そしてその瞳に、重吉も聞き入ってしまう
それ程、類の瞳には、強い意志が宿っている、、
決していい加減な気持ちでは無い事が良く分かるし、
つくしとの未来を、一生懸命掴みとろうとしているのが分かる。
それも、、自分達の手で。

それが、自分の主催したセミナーで学んだと言うのなら、、
何を反対する事があるのだろうか、、
親から与えられたものを、そのまま引き継ぐのではなく、
自分の意志や行動で、新しい未来を掴み取る事が、このセミナーの目的なのだから。

祖 「もう良い、、、よく分った」
その言葉に、類はホッとし、緊張を解く
類 「では、、」

祖 「英徳大学か、、、あそこは、金持ち大学だが、レベルもかなり高いぞ?」
類 「分かっています。 受験の日まで、俺がつきっきりで、勉強を教えるつもりです」

祖 「それでも、合格しないかも知れないぞ?」
類 「かも知れません。 ですが、、彼女は、努力を惜しみません。
   俺達二人の未来を自分達で掴みとる為に、貪欲に勉強するはずです」

祖 「買い被りでは?」
類 「それは無いでしょう。 あなたの娘さんの子供です。 
   一度決めたら、とことん貫き通すはずです」
その言葉に、重吉も頷く

祖 「そうだな、、そう言う娘だった。 その娘の子供だ、、、つくしは、、」
と、重吉は、少し遠くを見つめた

祖 「それで、つくしの気持ちも、君と同じで、、二人で未来を切り開いていきたいと?」

類 「はい、、気持ちは一緒です。
   ただ、私のバックグラウンドには、、、かなり尻込みしているようです
   それも、私が時間をかけて、ゆっくりと分かって貰えるように努力します。
   いえ、、分かるはずです。 
   私も、バックグラウンドに奢ることなく、一人の男として、つくしさんを守り、
   行動する姿を見せる事で、きっと分かってくれます。
   決して、つくしさんを悲しませるような事はしません」

その類の言葉を、神妙な面持ちで、重吉は聞いていた
愛する者を得ると、こうも男らしくなり、キッパリと言葉を紡ぐ
それが、セミナーで得た経験だとしたら、これ程嬉しい事は無い

祖 「そうか、、せめてもの罪滅ぼしではないが、、二人の後押しをさせて貰うよ、、」
類 「ありがとうございます」
と、類は深々と頭を下げた






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4 Comments

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2018-05-02 13:29

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-05-02 14:19

つくしちゃん視点では祖父なので祖に直しました

花晴れの類君登場
昨日は、嬉しかったです

確かに、ピンクでは無く白いパーカーが良かったですね
ピンクのパーカーにするのなら、下は白いパンツが良かった
薄水色のジーンズでしたよね
白い靴に白い時計

やはり、10年前に比べて、旬君の身体がかなり鍛えられ、白が着れなかったとか?(笑)
でも、雰囲気はあの当時の類君でした
それだけで、嬉しかったです
おばたのお兄さんじゃなくて良かった(笑)

でもあのセリフからするに、司君とつくしちゃんは、順調そうですね
そして、あのスタイルの類君は、きちんと仕事をしているのか?と心配になりました(笑)
だって、27か28歳の設定のはずですからね

でも、まさか類君まで登場するとは思わなかったのでうれしいです
この調子だと、次は総ちゃんが出ると思います
真央ちゃんも出て欲しいなぁ

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2018-05-02 16:36

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-05-02 17:14

赤ペンも良いですけど、たまには雑談も良いですよ
って言うか、今までが誤字脱字が多すぎて、雑談をする機会があまりなかったような(笑)

おかしいなぁ、、きちんと誤字脱字を修正しているつもりなんですけど、何故か見落としがあるんですよ
なので、これからも赤ペン先生の程、よろしくお願いします

確かに、最終回は全員集合で登場して欲しいですね
つくしちゃんを真ん中に、四人が並ぶ感じで(笑)
でもまずは、次は総ちゃんが出るかなぁと、期待しています

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