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きらきらひかる<完>

63 寂しい

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食後、類とつくしは部屋に戻る
そして、荷物の整理を始めた

つ 「長いようで短い二週間だったな」
類 「あぁ」

つ 「俺さ、、皆とは境遇が違うけど、ここでの体験は、凄く身になったよ」
類 「ん、、俺もそう。 確かに体力は使うし、暑いし、初めての体験ばかりだったけど、
   凄く楽しかった」

つ 「それと、、さっきは、皆に黙ってくれててありがとな」
類 「何を?」

つ 「俺が、大学にも行けない、極貧な家庭だって事だよ」
(あいつらがそれを知ると、絶対に何とかしようとするからな。 それは俺の役目だし)

類 「あのさ、、正直な所、牧野は大学に行きたいと思った事無い?」
つ 「もちろん、行きたいと思った事はあるよ。
   俺の高校も、大学や専門学校など、ほとんど進学だしな」

類 「だろうな。 最近は、学歴社会と言うか、大手企業はほとんど大卒を取るし、
   高卒となると、工場の作業員とかの単純作業が多いよな。
   それもオートメーション化されて、だんだんと就職も狭き門だしさ」

つ 「そうなんだよな。 単純作業か、接客業がほとんどなんだ」
類 「それに給料も安いし、休日も少なかったり、福利厚生も整って無かったり」

つ 「そうなんだけど、、仕方ないよ。 少しでも働いて、生活費に充てて貰わないとな」
(私が働けば、進ぐらいは、大学に行かせられるかもしれないし。
 やっぱり、男の子は大学に行って、少しでも安定した職に就いて貰いたいし)
(バックグラウンドは関係ないと言いながらも、やはり親の収入で、子供は左右されるんだよな。
 牧野も、本当は大学に行きたいだろうに、家庭の犠牲になるのって、おかしいよな)

類 「じゃあさ、お金の心配も何も無くて、大学も好きな所を選べるとしたら、英徳を選んでくれる?」
(そんな夢物語、ある訳ないじゃない? まあ、宝くじが当たったら、そうしようかな?)

つ 「あははっ、、そうなったら選ぶよ。 
   だって、花沢類や他のメンバーもいるし、きっと楽しいだろうしな」
と、冗談まじりに呟く
そして、片付けが終わったのか、ロフトから降りてくる

類 「あのさ、、その言い方だと、俺とあいつらが同等の立ち位置に聞こえるけど、、
   それって、おかしくない?」
(だって、俺達両思いだろ? 彼氏と男友達を同等に扱うなんて、おかしいだろ?)
(確かに、今までずっと花沢類に助けられてきたのに、他の人達と同じような扱いって
 おかしいっよね?)

つ 「ごめんごめん、、、そうだよな。 俺と花沢類の仲だもんな」
(ちゃんと、分かってるじゃん)
(兄弟って言う、他の人とは違う間柄だしね)

類 「そうだろ! これまで苦楽を共にしてきたんだし、俺達最強最高のペアだし」
と、ニッコリ笑う

(あっ、、この笑顔ヤバイ! こんなカッコいい人が、こんな優しい笑顔で見つめるなんて、、
 もう!! 兄とは思えないじゃない! これでも、必死に兄と思おうとしてるんだからね)
つくしも自然に顔を染め、下から上目使いで類を見上げる
つ 「うん、、最高のペアだな」

(やばっ、、この視線に、このピンクに頬を染めた顔、、かなりそそられるんだけど、、
 このまま、ベッドに押し倒そうか? でもここだと、まずいよな、、)

類は、押し倒しそうになる衝動を、グッと堪え、つくしをギュッと抱きしめる
(えっ? 何で、抱きしめる訳? また、、兄弟の愛情?)

類 「俺、、本当、あんたと出会えてよかった。 あんたと同室になれて良かった」
類の鼓動が、トクトクと早鐘を打っているのが、つくしの耳にダイレクトに伝わる

(あ~恥ずかしいんだ。 だから抱きしめて、言葉を紡いでいるんだ)
(咄嗟に抱きしめたけど、柔らかな胸の膨らみが、鳩尾に当たって、、ドキドキしてくる)

つ 「俺も、、」
と言いながら、類の腰に腕を回し、ギュッと抱きしめる

(良い思い出を貰った。 こんな素敵でカッコイイ人と、二週間も一緒に過ごせて、、
 人生で、一番輝いた時間を過ごせた)
(くすっ、、牧野ったら、、後一日残ってるのに、、こんなに抱きしめてくれてさ。
 合宿所では、男を貫くって言ってなかった? でも、、これで何もしないって、有り得ないよな?)

類は、腕を緩める
類 「牧野、、、」

類の呼びかけに、つくしも腕を緩め、下からそっと見上げると、類がニッコリと笑う
(キスしても良い?)

その笑顔に、つられるように微笑み返す
(間近でこの笑顔、反則!! どれだけ夢をみさせてくれるのよ)

と、そのまま類の顔が近付き、そっとキスを落とした
(えっ? あっ、、挨拶? 今まで一緒に生活した事へのお礼?)

戸惑いつつも、つくしは類からのキスを受け入れる
それは、明日には、もう会えなくなる、、と言う寂しい思いと、
自分の中に芽生えた恋という、淡い炎から。

類の方も、キスに夢中になっていく。
最初は、軽く重ねるだけのつもりだったが、柔らかい唇と、つくしの度重なる笑顔が、
それだけでは済まされない衝動に駆られる。
次第に、角度を変え、何度も啄み、、、そして、舌を入れ絡め取った
(えっ? これも挨拶? 
 でも、、これってどう考えても恋人同士って言うか、愛がこもっているんじゃない?
 今の私って、、男だよ? 何度も確認したよね? その上で、このキスって、、  
 まさか!! 花沢類って、、男好き? ゲイ?なんじゃ)

どのくらいキスをしていたのだろう。
不意に、唇に冷たい物が当たる。

ゆっくりと唇を離し、つくしを見ると、、涙が頬を伝っていた
類 「牧野?」
(いきなり舌まで入れて、怖がらせた? でも、嫌がってるようには、感じなかったけど、、)

するとつくしは、ガバッと類に抱きつく
つ 「寂しくなるな」

(私、、花沢類が好きだ! どうしようもないくらい、好きだ! 
 ゲイだとしても、これまでの花沢類の行動、言葉、仕種、、、その全てに惹かれている
 そして、、確実に失恋決定だ。 でも、、でも、、こんなキスされて、忘れられるだろうか?

類 「俺も、、でもこれで最後じゃないだろ?」
(俺達、、いろんな事をクリアにして、これからも付き合うんだし)
(最後になるんだよ。 だって、、女なんだもん! 
 男好きの花沢類には、きっと受け入れて貰えない             
 でも、今だけ、、今だけでも、夢を見させて貰おうかな?
 性別は違うけど、私だって好きだし)

つ 「そうなると、、、良いな」
(つまり、今後の生活と、大学受験と大学代が問題なんだろ?
 まあ、、俺とのバックグラウンドも関係あるのかも知れないけどさ)

類 「大丈夫、、、俺に任せな。 じゃ、あんたは先にシャワーを浴びといで。
   俺、消毒液と湿布を貰ってくるから」
(このままだと、マジここで襲いそうになるし、、
 とりあえず、セミナーが終了してから、事を進めるべきだし)

つ 「分かった」
(とりあえず落ち着こう。 後少しだけど、きちんと弟として、その時を迎えないとね)

つくしは、類から腕を離す。
そんなつくしの目尻に残った涙を、類が指先で拭う

類 「ゆっくり、シャワーを浴びといで。 今日で最後だし、一緒に寝よっか?」
手のかかる愛する弟の面倒を、最後まで見ようとしてる?
 まさか、、ここで襲う気じゃないよね? 
 そんな事したら、私にシメジもエノキも付いていない事がバレるし、
 きっと驚愕の叫び声をあげるかもしれない
 ここまで来たんだよ? 最後の夜ぐらい、兄弟として終わりたいじゃない?

つ 「一人で寝れるよ!!」
(残念。 最後の日ぐらい一緒に寝ても良いのにさ。 ガードが固いな。
 まあ、、ここじゃ最後までやれないか? 周りが気になるし、解散するまで気を抜けないしな)

類 「そ? 残念だな。 じゃ最後のバスタイムを楽しんどいで」
つ 「分かった」

こうしてつくしは、バスルームへ向かった
それを見届けた後、類もスタッフルームへ向かうべく部屋を出た




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