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花沢類という男<完>

50  ③

2
 
辞令を持つ手が震える
 
つ 「専務第二秘書? 私が? 何で?」
類 「何で? って、、もう離れたくないからに決まってるだろ?」
 
つ 「離れたくない? 専務と私が?」
類 「そう、、俺が、、、」
 
つ 「葉山さんが?」
その私の呟きに、葉山さんの動きが止まる
 
類 「ん? あれ?」
と、一言呟き、斜め上を向いて何か思案顔をした後、再び私の方を向いた
 
類 「ごめん、、良く考えたら、まだ牧野さんに伝えていない事があるんだ」
と、真剣な表情を見せた
(それは、、ゲイだって事でしょ? 言わなくても知ってるし)
 
類 「取り乱さないで聞いて欲しいんだけど、、、」
(やだっ、、葉山さんの口から、専務との愛を語って欲しくない!
それなら、私から言おう
もう何もかもぶちまけて、すっきりしよう、、、そして、社宅に戻して貰おう
とてもこんな三角関係の部屋に、住む事は出来ない)
 
類 「実は俺、、、」
葉山さんが、続きの言葉を言う前に、私は立ち上がり、叫ぶように言う
 
つ 「ゲイなんでしょ!!」
ズバリと言いあてられ、驚いた顔で私を見ている葉山さん、、、
 
つ 「知ってるんです私、、、、葉山さんと専務が、愛し合ってる事、、、
   でも、決して二人の邪魔をするつもりなんか無くて、、
   だんだんと葉山さんの事が、好きになって、、
   あっ、葉山さんと、そう言う関係になれた事も、後悔していません
   大切に抱いて下さり、感謝していますし、嬉しかったです」
 
類 「牧野さん?」
(葉山さんは、私が次々と発する言葉に、茫然としている
そりゃそうだろう、、
私が、そんな秘密を知っているとは、思いもしなかったはずだから)
 
つ 「映画も楽しかったです、、4月公開の完結篇に誘って頂き、嬉しかったです
   でも、専務と見て下さい
   年末年始も楽しかったです
   もうず~っと一緒に過ごせたらいいな~と思ったぐらいです
   でも、、、ここで専務と三人で暮らすのは、耐えられません
   好きな人と専務が、、この部屋でラブラブしている姿を見せつけられる程、
   私の心は強くないです」
 
類 「牧野さん? ちょっと、待って、、」
(待てと言われて、待てるわけがない)
 
つ 「専務から、葉山さんを寝取った形になり、専務が憤慨した気持ちも分ります
   だってあの日、私が葉山さんの部屋を訪ねた時、、凄く怒っていましたから
   だからこうして、専務付き秘書にして、虐めぬこうとする気持ちも分ります 
   その延長で、二人の愛し合う姿を見せつけるつもりかも知れませんが
   ごめんなさい、、、やっぱり耐えられません!
   失恋したとはいえ、、どうしようもなく葉山さんの事が好きですから」
ポロリと涙が零れ落ちる
 
(ここまで一気に話した、、、
言いたい事は、全て言ったつもりだ
これを聞けば、、もう、私との同居も諦めてくれるだろう)
 
つ 「だから、、私を社宅に戻してください
   葉山さんは、専務と幸せになって下さい
   会社内で会っても、知らないフリをします
   二人の関係は、絶対に秘密にしますから」
ポロリポロリと涙が零れ落ちる、、
 
(やっと言えた、、葉山さんを祝福できる言葉が、、、
もう、、、もう、、これで何も思い残す事は無い、、、)
 
 
すると葉山さんが立ちあがり、ガバッと私を抱きしめる
いつも、フワッとした抱き方なのに、今はとても力強い
 
類 「ムリ、、あんたを社宅には戻さない」
つ 「何で? ここは、葉山さんの愛の巣にすれば、、、」
 
類 「ん、、、そうするよ、、、俺と牧野さんの愛の巣に」
つ 「だから、、それは、、、専務が、、、」
 
類 「俺が、その専務なんだけど?」
その言葉に、私の動きがピタッと止まる
(聞き間違い? 今、、俺が、その専務って聞こえたんだけど、、、)
 
そんな私の耳元に、ハッキリと呟く声が聞こえる
類 「俺が専務、、花沢類は俺、、、」
 
そう言った後、ゆっくり腕を解き、私の目線に屈み込む
類 「聞こえた? 俺が、、花沢類」
 
つ 「葉山さんが、、、専務?、、、で、、花沢類?」
唖然としている私の頭を、ポンポンと叩き、、、
 
類 「そう、、初め会った時、偽名を言ったんだ、、ごめん、謝る
   でも、それがどうしてゲイって事になる訳?」
 
つ 「だって、、、女性を近づけないって、、、」
類 「それは、香水臭いから」
 
つ 「女性を好きになったのは、初めて、、、って」
類 「ん、、初恋だからね」
 
つ 「この前、男の人が、、葉山さんの部屋にいて、、」
類 「あの時は、本当にゴメン、、総二郎が突然来てさ、、、
   いろいろ家の事でトラブルになってて
   聞かせたくない話しだったんだ」
 
つ 「久し振りで、朝までヘロヘロって」
類 「ああ、、久し振りに徹夜でドンペリを飲んでさ
   一本空けちゃって、もうヘロヘロ?」
 
つ 「じゃ、、、じゃあ、、ゲイじゃないの?」
類 「もちろん、、ゲイなら、こんなに牧野さんを、好きになったりしないだろ?」
 
つ 「私を、、、好き?」
類 「もちろん、、すんげぇ好き
   おかしいぐらい好き過ぎて、、あんたしか目に入らない」
 
その言葉に、涙腺が決壊したように、涙が次々と零れ落ちる
つ 「じゃあ、、、じゃあ、、、私、、このまま、、好きでもいいの?」
 
その涙を、指でそっと拭いながら、、、
類 「当り前、、ずっと好きでいて、、それと、凄い想像力のある牧野さんには、
   今夜じっくり事の真相を、聞かせて貰わないとね、、、
   でもその前に、、、そのお喋りな口に、おしおきしないとな、、」
そう呟き、両手を頬に添え、キスが贈られた
 
今まで、ずっと苦しい恋をしていた
それが、、今やっと解放された感じで、、、
 
唇が離された後、声を上げ、肩をしゃくり上げながら、泣きはじめた
そんな私を、フワリと抱きしめ、ヨシヨシと肩をさすってくれていた
 
 
 
やっと落ち着きを取り戻した私に、、、
類 「もう仕事に戻らないと、、、帰ったら、またじっくり話そ?」
つ 「はい、、、はっ、、花沢さん」
その言葉に、フッと笑みを見せ、、
 
類 「類で良いよ、、、俺も、牧野って呼ぶから、、じゃ行ってくる、、ゆっくりお食べ」
ポンポンと頭を叩き、玄関に向かう
 
数秒の間、狐につままれたようにボーっとしていた、、
そして、踵を返し玄関に向かって走る
 
そして、靴を履いている花沢さんを、後ろから抱きしめた
つ 「行ってらっしゃい、、、、るっ、、、類////」
 
すると、数秒固まっていたように動かなかった類が、クルッと後ろを向き
類 「行ってきます、、、牧野////」
と、はにかんだ笑みを見せる
 
その笑みにつられる様に、私も笑う、、
 
クスクスッ、、、
クスクスッ、、、
 
 
そんな類の首に手を回し、背伸びをして掠めるようなキスを贈った、、、
 
 
 
 
 
< 完 >
 
 
 
************
どうでしたか?
笑って頂けましたか?
 
今回、かなり苦労しました

誤解させる言い回し、、って、なかなか難しくて
それでも、、なんとか仕上がったかな?って感じです
 
次回作も、頑張ります
このまま、笑える作品をアップしようか、、それとも、少々シリアス系?が良いのか、、
と、悩んでおります
 
今後も、よろしくお願い致します
 
りおりお でした



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2 Comments

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2018-05-03 04:12

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-05-03 09:31

勘違い、、見ている方は笑えるんですけど、本人は全く気付かず勘違いしていますからね
まあ、主語が抜けると大変な事になる、、という教訓にもなったでしょうか?

楽しんで下さいね

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