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花沢類という男<完>

48  1月6日 ①

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11時頃、上品そうな女性が、入って来た
この人って、、、確か、社宅で、、、
 
佳 「牧野様、、体調はよろしいですか?」
つ 「はい、、もうすっかり大丈夫です。 
   それに、様ではなく、さん付けでお願いします
   私の方が、年下になりますから
   それより、ありがとうございました、、あの時、助けて下さったんですよね?」
 
佳 「はい、、エレベーター内で、動けなくなっておりましたので」
つ 「本当に、ありがとうございました、、助かりました」
と、改めて、深々と頭を下げる
 
佳 「それでは、退院いたしましょうか」
(えっ? この人が、迎えの人?)
 
つ 「あの、、葉山さんの、知り合いの方ですか?」
すると女性は、ぽかんとした顔をし、、、
 
佳 「葉山?」
つ 「はい、、社宅の私の隣に住んでいる、葉山リュウさんの知り合いの方ですか?
   昨日、葉山さんが、、、迎えの車を寄越すから、、、って」
 
すると女性は微笑み、、、
佳 「私は知り合いではございません、、
   掃除、洗濯などの身の回りのお世話をしております、佳代と申します」
 
(と言う事は、葉山さんのハウスキーパーさんか
にしては、凄く物腰の柔らかな、上品な方)
 
つ 「男性の一人暮らしですし、そう言う方が必要ですよね」
佳 「はい、、確かに身の回りのお世話はさせて頂きましたが、
   牧野様には、お食事などの面倒を見て頂き、ありがとうございます」
と、今度は佳代さんが頭を下げる
 
つ 「いいえ、そんな、、、私は別に、、、それにまた、様付けで呼んでますよ
   さん付けで良いですから、、私も、佳代さんと呼ばせて貰いますから」
 
すると佳代さんは、笑みを浮かべ
佳 「畏まりました、、それでは牧野さん、参りましょうか」
つ 「はい、、よろしくお願いします」
 
 
入院代も既に支払い済みだと言われ、そのまま車に乗せられる
葉山さんが、支払ったんだよね、、
つまり、、口止め料?って事かな?
それ以外、お金を支払う理由なんてないよね?
 
 
車は、東京駅に向かうものだと思っていたのに、、、、
着いた先は、花沢物産のすぐ近くのマンション
(ん?)
つくしの頭には、『?』マークが浮かぶ
 
つ 「あの、、、ここですか?」
佳 「はい、、そうでございます」
 
つ 「ここって、、会社から、凄く近いんですけど」
佳 「はい、、その方が通勤に便利だからと」
 
(確かに便利だろうけど、、、って、、
私は、どこかの支社に行くんじゃないの?)
 
私が、あまりにもぽかんとした顔をしていたせいか、、
佳 「まあ、、、御存知なかったのですか?」
つ 「はい、、、」
 
佳 「口下手は、相変わらずのようですね」
と、ポツリと呟き、、、
 
佳 「社宅から、牧野さんの荷物は、既に運び入れております
   とりあえず、お部屋にご案内いたしますので」
と、私を伴い、マンションへ向かう
 
(このマンションに住むの?
それなら、社宅でも良かったのに、、、何で引っ越し?)

再び、つくしの頭に『?』『?』『?』マークが浮かぶ
 
(あ~、、社宅は、葉山さんと専務の愛の巣だから?
一応、葉山さんを寝取った私を、遠ざけたい訳ね)
と、納得し、部屋の前まで行く
 
佳 「こちらになります」
と、玄関を開け、私を招き入れてくれる
 
つ 「広い、、、」
佳 「どうぞ中にお入りください」
 
言われるがまま、中に足を踏み入れる
カウンターキッチンから続くリビングは、優に20畳はある
 
そこに、私の部屋にあったラグマットと、ソファーセットが申しわけなさそうに置いてある
カウンターキッチンの前には、二人がけのテーブル、、
これも、私の部屋から持って来たものだ
このリビングには、どうも不釣り合いというか、、場違いのように見える
 
佳 「こちらが寝室になります」
と、横のドアを開けると、、、見覚えのあるベッド
 
佳 「申し訳ございませんが、牧野様のベッドは小さいから、、と言われまして処分致しました」

そ(りゃ、あのシングルベッドじゃ、この部屋には不釣り合いだ、、
って言うか、、この寝室「だけでも、社宅の半分の広さはある)
 
つ 「良いですけど、、、今日から、このベッドで寝るんですよね?」
佳 「はい、、、ここには、ベッドはこれ一つでございます」
 
そのベッドをよく見る

(どう見ても、葉山さんの部屋に有ったベッドに見える
あっ、、以前、あのベッドを勧められた事があった
じゃあ葉山さんからの、引っ越し祝いだろうか?
でも、一人で寝るには、大きすぎるよね?
 
それに、、、
こっちを、葉山さんと専務の、愛の巣にすればいいのに、、
なんで私が、こっちに住む事になったんだろう?)

再び、つくしの頭に『?』『?』『?』『?』『?』マークが増えていく
 
 
その後も、次々と間取りを説明していく
トイレ、お風呂、そして寝室の隣には、6畳程のフローリング部屋
そこにつくしの荷物が、一か所に纏めて置いてある
 
佳 「こちらが、ウォークインクローゼットでございます。 
   服類は、全てこちらに収納しております」
そう言って、その扉を開けてくれた
 
つ 「えっ?」

その扉の中には、私の服はもちろんだが、半分は男性物の服が、ハンガーにぶら下がっている
スーツ、カッターを始め、私服まで、、
その数も、半端では無い、、、
 
(何? 何で男性物まで?)

戸惑っているつくしの背に、、
佳 「お部屋は以上です、、牧野さんのキッチン用品は、全て収納してございます
   冷蔵庫の中にも、飲み物、フルーツ、野菜などが入っております
   今から荷物の整理をされるようでしたら、お手伝いいたしますが?」
 
(ちょっ、、ちょっと待って、、頭の中を整理しよう
そうよ、、まずは落ち着こう)
 
つ 「あの~、、まずはコーヒーでも飲みませんか?」
佳 「そうですね、、そろそろお昼ですし、もうすぐ来られるでしょうし」
 
(来る? 誰が?)
と思っている間にも、佳代さんがキッチンの冷蔵庫を開け、フルーツ盛り合わせを出し、
サンドイッチを出し、コンロに火をかけ、、、と、昼食の用意を始めた
 
つ 「手伝います」
何時もの癖で、すぐに声をあげ、佳代さんの元へ向かう
 
佳 「退院されたばかりですので、ゆっくりされて下さい」
つ 「いいえ、、是非、手伝わせて下さい、、
   私の住まいですのに、ここまでして頂いて、申し訳なくて」
 
久し振りにキッチンに立つ、、
フルーツも、サンドイッチも、どう見ても二人分はある
 
でもそれよりなにより、昼食の用意までしてくれた事に、嬉しさが込み上げる
(退院したばかりの私の身体を気遣って、
こうして、自分のお手伝いさんを、私に寄越してくれるなんて
二人分に見えたのは、佳代さんの分?
さっき荷物の片づけを手伝う、、と言ってくれたし、、
 サンドイッチも、エビや生ハム、アボガドなど、いろんな具が入っている
鍋の中のミネストローネも美味しそう)
 
佳 「沢山、食べて下さい」
つ 「すみません、、ありがとうございます」
と、二人キッチンで会話をしていると、
玄関からガチャガチャと言う音が聞こえ、乱暴にドアが開いた
 
(誰? インターホン鳴った?)
と思いつつ、そっと廊下を見ると、
突然、抱きしめられる
 
(えっ?) 
 
類 「退院おめでと」
 
(葉山さん?)
 
私の頭上から、葉山さんの声が聞こえた
 
 
 
 

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