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花沢類という男<完>

46  1月5日 ①

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1月5日
花沢物産本社
初出のこの日、全社員を前に、類が訓示を述べている
 
初めて彼の姿を見た女子社員は、朝礼中と言うのに、黄色い声を上げたが、
その声を彼の一言が、一変させる
 
類 「うるさっ、、ここ職場だよね? 
   仕事する気が無い奴は、辞めてくれて構わないから」
言葉だけでは無い、蔑むような冷ややかな視線を浴びせる
 
シーンと静まり返った所で、、
類 「花沢類です、、フランス支社より、この度転勤となりました
   円安の今、ヨーロッパからの輸入商品は、かなり厳しい物が在りますが、去年と同様
   あるいはそれ以上の、売り上げ達成を目標に、頑張りましょう
   まずは、各部門の部長職以上の方、今年度の目標数値を示した上で、方針を添えて、
   近日中に提出下さい
   そして皆さんは、その数値が達成できるよう協力ください、、以上です」
 
一方的に述べた後、重役達の元に戻る
そして、解散となった所で、会議室に移動し、各重役と秘書との顔合わせとなった
 
どの重役も、類より年上だが、彼等に対しても容赦なく発言する
類 「販売促進部は、誰が担当?」
重 「はい、、私です、、大森と申します」
 
類 「大森常務だね。 
   あのさ、、、ポスターやパンフレットを配れば、良いと思ってる訳?」
早速の厳しい追及に、一気に会議室が凍り付く
 
重 「いえ、、そういう訳では」
今日は、初顔合わせだ、、
挨拶程度だろうと思っていた重役達は、一気に顔を引き締める
それでも類は、言及を緩めない
 
類 「各店舗にも、足を運んで売り場チェックしてる?
   有名芸能人を使えば、売り上げが上がると思ってない?
   もっと社員に、商品知識を持たせて、ニーズに合った商品を売る様にして」
重 「畏まりました、、早速取り掛かります」
 
類 「それと、その横のあんた」
突然降られた大森常務の秘書は、他の女性秘書に目くばせをしながら、笑みを称え立ち上がる
皆の中で、自分が指名された事で、ジュニアの秘書に抜擢されると思っている
 
秘 「はい、、」
類 「あんた、、俺に媚びを売ろうとしてる?」
途端に、青ざめる大森常務の秘書
 
秘 「いいえ、、私は、、」
類 「その短いスカート、、何? 
   座りながらも、さり気無く足を開いたり組んだりしてさ」
その一言で、この場にいた秘書は、一斉に足を閉じ揃える
 
類 「その派手な化粧も控えれば? ここは夜の社交場じゃないんだけど?
   胸の開いたブラウスも、要らないでしょ?
   秘書の仕事は、上司のスケジュール管理とサポートであって、色気は要らない」
と、凍て付く様な視線を送り、蔑むような低い声で告げる
 
秘 「申し訳ございません、、気を付けます」
類 「ん、、次は無いから。 
   そういう格好をしたければ、そういう場所で働いてくれる? じゃ次」
 
次々と各常務の仕事っぷりを評価していくジュニアに、皆、何も口を出せないでいる
類は、日本勤務が決まった時から、夜遅くまで各部門を調べつくし、良い所悪い所を、書き留めていた
 
悪い所はビシッと指摘し、良い所は皆の前で、絶賛していく
それにより、各常務の士気も高まり、やる気を起こさせていった
 
そうしてその日の内に、専務の人間像が出来上がった
仕事に厳しく、冷静沈着、、
話し方もクールで、凍てつくような視線を向け、笑顔すら見せない、ユーモアもない
そして、、、女嫌い
 
 
 
 
 
そんな類を、ずっと見て来た田村は、
類に気付かれない様、そっと息を吐く
 
類様の仕事に打ち込むお姿は、非の打ち所が無い、、、それでいいのだが、
もうすぐ25歳になられると言うのに、一向に女性に興味を示されない
 
今日も沢山の女性たちが、類様にアプローチをかけていたというのに、それを一蹴された
社長も、類様の事を大変心配しておられ、フランスの女性に興味を示されないのなら
と、日本本社勤務にされたというのに、、
このままですと、二年ごとに転勤になりそうです
 
最終的には、政略結婚という可能性も、残されていますが
これだと、仮面夫婦になる事、間違いなしです
お子様のお顔も、、無理でございましょう
 
再び深く溜息を吐いた時、、
類 「田村、、もう一人、秘書を付けるから」

(そうでしょうね、、フランスでも、私の他に、もう一人男性秘書が付いておりましたし、、)
 
田 「畏まりました」

(どうせ、適当に使えそうな男性を、ピックアップしろって事ですよね、、
類様の我儘に耐えられそうな、根性の座った男性でも、探させて頂きます)
 
ところが、、
類 「営業販売部の牧野つくしを、俺の秘書に異動させて」

(珍しい事もおありですね、、類様が指名されるとは、、、
『つくし』君ですね、、また男性ですか?
これだから類様に、変な噂が立つんでございます
私も初めて耳にした時は、驚愕いたしましたが、有り得なくもないと納得致しました
なんせ生まれてこの方、類様の周りは全て男性で囲まれておりましたから
まあご本人は、ご存じないでしょうし、私も口が裂けても言えません
それに、プライベートの事までは、私の担当外ですので、、)

田 「畏まりました」
 
 早速、PCで営業販売部を調べてみます
(しかし、、類様が特定人物を指名するとは、珍しい事もある物です
類様のお知り合いの方でしょうか?
と思いつつ、営業販売部の履歴書ページを捲っていきます)
 
すると、、、
(『牧野つくし』と言う方は、一人しかおられませんが、
性別の欄には、【 女性 】 となっております
見間違いでしょうか?、、それとも、同姓同名の方が、他にもおられるのでしょうか?)
 
半信半疑のまま、もう一度初めから、見落とす事無く調べる田村

(やはり、この方しかおられません、、、
写真を見る限り、、、凹凸の無い、のっぺりとした顔に、今時どこで売っているのか?
という様な、ダサイ、、、失礼致しました、、個性的なメガネをかけておられます
目の上の長さに、パッツンと切られた前髪の黒髪の女性、、、
この方で、間違いないですよね?
類様は、このような方が、ご趣味だったのでしょうか?
フランスには、絶対に存在しないような方です)
 
次に、じっくりと履歴を見る田村、、

(英徳大学卒業? 類様より、一つ年下?
英徳? 類様は、中学まで在籍しておりましたが、
この方は、大学から英徳に来られています
と言う事は、どこに類様との接点が?
あっ、、そういえば、西門様は英徳大学を御卒業されていましたね
と言う事は、休みの間に西門様にお会いして、そこからのご紹介でしょうか?)
 
納得した田村
だが、まだ疑問が残る

(『つくし』と言うお名前ですので、てっきり『まさし』『さとし』と言った類かと思っておりました
もしかして、類様もそう思っていらっしゃるかもしれません
 
案外、西門様に嵌められているのかもしれません、、
あの方は、類様と違い、少々お遊びがお好きと言いますか、茶目っ気があると言いましょうか?
 
なんにせよ、、私に非はございません
これは、類様のご指示ですので、粛々と人事異動手続きを勧めさせて頂きます
後で女性と知り、やっぱり止めた、、と言わないで下さいよ
 
それでも初めて類様が、女性を傍に置かれるのですから、私も嬉しくなって来ました
きっと類様、、驚かれるでしょうね、、、
その時の類様の表情は、ぷぷっ、、見る価値大です、、
あっ、、私としたことが、、今は仕事中でした、、
でも今年は、何か良い事がありそうな予感です
 
どうしてもニヤついてくる顔を、どうする事も出来ずに、パソコンに向かいます
そうして心の中で、、、手を合わせて祈ります
 
類様、、頑張れ、、、
 
牧野さん、、類様に耐えて下さい、、
あなたは、花沢の希望の星です、、、)
 
 
 
 
 
 

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