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花沢類という男<完>

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昨夜は、二人でドンペリを、1本開けてしまった
 
総二郎も、俺に話した事で、少しは気持ちが楽になったのか、
最後は『今、やれるだけの事をやる、、どうせ俺には、この道しかねぇんだし』と言っていた
 
そして8時には、俺の部屋を出て行ったが、、
総 「お前も仕事頑張れよ、、つくしちゃんとの事もな」
と言っていたけど、、、邪魔したのは総二郎だから
 
本当は、昨夜きっちりリベンジして、今頃、牧野さんを抱きしめて寝ているはずだったのにさ
でも昨夜は、本当に牧野さんに、悪い事をしたと思う
 
パジャマ姿で、小さなバックを抱えて来てくれたのに、中に入れる事すら拒んでさ
それにあろうことか、司に貰った雑誌を落としてしまい
あんな男女の絡みのページが開くなんて
 
あれじゃまるで、俺が日々そんな事ばかり考えているような人物に、見えるじゃないか
でも、、今度こそ、本当にリベンジしたい、、、と思っているって事は、
やっぱり、そんな人物なのかも
 
でも今度こそ、昨夜のお詫びも兼ねて、、、しっかりと愛したい
 
 
 
 
つくしは、空が明るくなり始めた頃、ヨロヨロとベッドへ向かう
さっきから、体がブルブルと震え、寒くて仕方が無い
コートを着たままだが、そのまま布団に潜り込み、頭まで布団をかぶる
それでも寒くて仕方ない
 
暖房をかけたくても、スイッチの場所まで行けそうにない
ただ布団の中で、寒さに耐えるように、ジッと丸くなっていた
 
すると、どのくらい時間が経ったのだろう、、
今度は熱くなってきた
 
熱くて仕方ないのだが、頭が重い
完全に、風邪をひいている事が分る
 
とりあえず、コートを脱ぐために、ゆっくり体を起こす
体が熱いのだが、汗は全く掻いていない
 
ボーとした頭で、必死に考える
今日はまだ1月3日、、
病院は、まだ閉まっているだろう
 
とりあえず、風邪薬でも飲もう、、
ついでに、水分補給の為の水も用意しよう、、、と、ゆっくり足を降ろす
 
そして、ふらつく体を支えるように、壁伝いでゆっくりと歩く
水を取り出し、薬を探すが、、、風邪薬、解熱剤だけが無い
胃薬、トローチ、便秘薬、咳止め、鼻炎薬はある
 
そういえば、前回生理痛の時に、飲み終えた記憶がある
あれから買うのを忘れていた
 
今も、ゾクゾクとした悪寒が、背中を駆け上がり、かなり熱を発しているのが分かる
この年で、これほどの熱を出すのは、初めての事で、かなり容態が悪い事が分る
とても、寝ているだけで治るとは思えない
明後日から仕事が始まるし、早く治さないと
 
とりあえず、ドラッグストアへ行って、薬だけでも飲もう
そうと決まれば、早速出かける準備をする
 
パジャマの上から服を着こむ
寒くて、とてもパジャマを脱げそうにない
ダルマの様に、何枚も服を着込み、コートを羽織り、
その上にマフラーをグルグルと巻き付け、ニット帽を被る
 
ドアを開けると、冷たい空気が顔に当たり、ブルッと震える
重い足取りで、壁伝いにゆっくりとエレベーターへ向かった
 
一階のボタンを押し、壁にもたれかかるが、、
エレベーターのあのフワッとした感覚で、頭がクラッとなった
 
一階に着いた時の、あの重力がかかる感じで、頭がずんと振動し、立っている事も出来ず、
エレベーター内の手すりを掴み、ゆっくりとその場に屈み込んでしまった
一旦開いたドアも、ゆっくりと閉まっていった
 
すると暫くして、再びドアが開いた
と同時に、誰かが声をかけてくれる
 
佳 「どうされたんですか?」
その声に、ゆっくりと顔を上げると、いつぞやの上品そうな女性だった
 
つ 「すみません、、すぐ降ります」
そう返事する物の、とても歩けそうにない
逆に、ぺたんと床に座り込み、壁に体を預けた
 
すると女性が私の手を取り、次に額に触れた感触がする
そして、誰かを呼んでいる様だが、もう動く事も声を出す事も出来ず、
ただ目を閉じ、口でハーハーと息をしていた
 
すると暫らくして、誰かに抱え上げられた
その人から微かに香る臭い
その安心する匂いに、ゆっくりと深い眠りに落ちていった
 
 
 
 
俺は、総二郎が出て行った後、やっとベッドで寝始めた
どのくらい寝ていたのだろう
それは、突然の携帯の音で起こされた
 
類 「、、、、は、い」
佳 「類様? 今、どちらです?」
佳代にしては珍しく、凄く慌てた声だ
 
類 「ん?、、、部屋、、、まだ寝てる、、掃除なら、、、」
佳 「大変でございます。 至急一階に降りて来て下さい。 牧野様が倒れておいでです」
その言葉に、一気に俺の意識が覚醒する
 
類 「えっ? 牧野さんが?」
佳 「はい、、エレベーターは今、停止しておりますので、階段で降りて来て下さい」
類 「分かった、、すぐに行く」
 
俺は、ベッドから飛び起き、急いで服を着替え、コートを手に取り、部屋を飛び出した
そして、一気に階段を駆け下りる
 
一階に着き、エレベーターの前まで行くと、エレベーター内で、牧野さんがぺたんと座り込み、壁に体を預けているのが目に飛び込んだ
口でハーハーと息をし、とても苦しそうだ
その隣で佳代が、どこかに電話をかけていた
 
俺を見ると、すぐ後ろに避け
佳 「熱が、大変高いようです、、玄関前に、車を待機させました
   病院にも連絡を入れましたので、すぐに連れて行きましょう」
類 「分かった」
 
牧野さんを抱え上げ、そのまま急いでエントランスホールを突っ切り、玄関を出て車に乗り込んだ
佳代も助手席にサッと乗り込み、運転手に花沢の病院に行くよう、指示を出している
 
俺は、膝の上で横抱きにした牧野さんの額を、そっと触る
熱っ、、、
頬もピンクに染まり、唇も熱のせいか乾いて、カサ付いている
 
たぶん、、昨夜のせいだ
パジャマで来てくれた牧野さんを、玄関で追い返して
 
俺のせいだ
ごめん、、、本当にごめん、、、、牧野さん
 
 
 
 

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