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LOVINGLY(分岐)

50 恋じゃない

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駅のホーム内で、呟くように遠くを見つめ話すつくしちゃん
何か、今にも消えそうで
 
総 「おい、、類の秘書として、ずっとそ傍でその姿を、定年まで見届けたらいいだろ?」
つ 「そうですね。 類さんが拒まなければ、、、、ね」
 
類が拒むねぇ
確かにあいつ、気難しい所があるしな
俺は、電話で、先程返した車を呼ぶ
 
総 「つくしちゃん、、車呼んだから、ちょっと俺に付き合え」
つ 「えっ? 何処に行くんですか?」

総 「映画! 観に行こうぜ! 時間は、大丈夫だろ?」
つ 「映画?」

総 「そう! じゃ、車もそろそろ来るころだし、此処から出ようぜ? 歩けるか?」
つ 「はい、楽しみです、、映画! 凄く久しぶり」

こうして、二人は映画館へ向かった
 
本当は、映画が見たかった訳じゃ無い
ただ、まだつくしちゃんの様子が心配だったのと
あまり、歩かせたくなかったのと
俺が、一緒に居たかっただけ
なのかもしれない


映画館の前で、何を見るかで悩むつくしちゃん

つ 「西門さんは、何が観たかったんですか?」
総 「別に何でも、、、あっ、ホラーは嫌かな?」

つ 「私も嫌です。 じゃ、時間的にこれにしますか?」
と、指さしたのは、王道のラブストーリー
今人気の、アイドルグループの男性が主人公の作品
 
映画館の後ろの方の席に座る
つ 「この主人公の男性、、、こんなに人気があるんだ
   8年前は、まだデビューして間もない頃で、、、可愛い感じだったのに、良い男性に成長してる」

総 「そうだな。 つくしちゃんんにとっちゃ、、、浦島太郎の気分だろうな」
つ 「確かに、、、、あっ、始まる」
 
その映画は、女性が病魔に侵され、最後の思い出作りに、、、と、久しぶりの同窓会に参加し、
そこで学生時代、片思いをしていた男性と再会する
男性の方も、久しぶりに会う女性に惹かれ、二人は愛を育んでいくが、女性の病気はだんだんと進行していき、、、というストーリー
 
映画が終わり、場内が明るくなってくるが、つくしちゃんは、その場から動かない
ジッと前を向いたままで
 
つ 「どうして、、、女性は、付き合ったんだろ?  
   どうして、自分が後僅かな命と知りながら、好きになったんだろう?」
と、ポツリと呟く
 
総 「んなもん、、、恋なんて、考えてするもんじゃねぇだろ?
   いつの間にか好きになって、気付いた時には、後戻りも出来なかったんだろ」
つ 「いつの間にか、、、、」

総 「そうだろ? つくしちゃんだって、いつの間にか好きになったんだろ?」
つ 「私が? 誰を?」
と、驚いた顔を見せる
 
俺は、しまった、、、、と思った

総 「誰って、、、そりゃあ、、、類の親父さん、、、とか?」

ここで、類の親父さんの名前を出しちゃ、まずかったか?
でも、、、咄嗟に他の言葉が、思い浮かばねぇし
 
ところが、俺の質問に、キョトンとした顔で
つ 「おじ様? そりゃ好きだよ? 命の恩人だし、、、でも、恋じゃない」
総 「恋じゃない? って、愛してない?、、って事か?」

俺の真面目な質問に、、、クスクスと笑いながら
 
つ 「当り前じゃないですか! おじ様は、ずっと亡くなられた奥様の事を愛してらっしゃるし、
   類さんの事も凄く愛してますよ!」
総 「じゃあ、つくしちゃんは、何でずっとフランスに?」

つ 「ん~、、、日本に帰るのが辛かったから
   でも、そろそろ帰らないと、一生日本に帰れなかったかもしれない
   だから、思い切って帰って来た、、、って所です」
と、笑った
 
つくしちゃんは、類の親父さんの恋人じゃない?
俺、、、間違った事を、類に教えたんじゃね?
ヤバイ、、、取り敢えず、類に謝まっとこ
その前に、こいつにも謝んないとな
 
総 「つくしちゃん、、、お前、茶って、飲んだ事ある?」
つ 「日本茶?、、、の事ですか?」

総 「違う、抹茶! 茶道のお茶だ」
つ 「無い、、、ですけど?」

総 「よし! 今から、飲ましてやる! 行くぞ!」
つ 「は? 今から?」

総 「ああ、、、今日のお詫びだ」
つ 「お詫びって、、、謝られるような事、何もしていませんけど?」

総 「あ~、うるさい! んじゃ、つくしちゃんと俺の初デートの記念だ! ほら、、行くぞ」
つ 「へ? 本当に?」

つくしちゃんの手を引き、、、それでも今度は、ゆっくりとした歩調で、駐車場へ向かった
 
 
 
 

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