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キミの笑顔を守りたくて<完>

36 ゆっくりで良い

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すぐに邸に戻り、その足で牧野の部屋へ向かう
 
佳代と交代するが、相変わらず何も話さないと言う
ただソファーに座り、ずっと窓の外を見ている
 
俺は自室に戻り、バイオリンを持って来る
類 「久しぶりだけど、ちゃんと覚えてるかな?」
と言いながら、ケースからバイオリンを取り出し、窓辺に立ち
ゆっくりと弾き始める
 
その方が、牧野の姿が見えるし、牧野も俺の姿が見えるから

 
***

どこからか、優しい音色が聴こえてくる
ずっとずっと、暗い闇の中にいた私に
その音色は、心を揺さぶるかのようなメロディを奏でている
 
私の瞳から、再び涙がこぼれ落ちていた
 
 
***

バイオリンを弾き終り、そっと牧野を見る
 
すると、大きな瞳から涙が次々とこぼれ落ちている
 
そっとバイオリンを置き、牧野に近づきゆっくりと横に座る
そして、ふわりと抱きしめた
 
類 「ごめん、、気づいてあげられなくて、、、
   これからは、守ってあげるから、、、一人じゃない、、、、俺が一緒にいるから」
と、耳元に囁き、牧野の額にキスをする
 
 
***

私の耳元で、やさしい声がする
誰だろう、、、一人じゃない、、、、一緒にいる、、、、
私の心が震えてくる
 

***

食事も、牧野の部屋に運んでもらう
そういえば丸一日、何も口にしていないな
 
類 「牧野、食事にしよ。  俺、お腹すいたから、、、」
と、声をかけ、牧野の前に座る
外を見ていた牧野が、ゆっくりと俺を見る
 
務めて明るく 
類 「さっ 食べよ」 
と促し、食堂へ連れて行った

食事を前にしても、一向に箸を持とうとしない
牧野は、ただジッと俺の食べている姿を見ているだけだ

類 「これも、おいしいよ、、、、ホラ 食べな」
と、手を添えて牧野の口元に運ぶ
 
すると、、しばらくその箸をみていたが、やっと口を開けパクッと食べてくれた
だが表情はまだ無い
 
それでも、食べてくれた事にホッとしながら、とりとめの無い話をしながら口元へ運んでいく
それを、ゆっくりと食べてくれる
 
今はそれでいい、、、そう思う
ゆっくりで良いから、いつもの牧野に戻って
 
そして、俺に微笑んで
満面の笑顔を見せて
 
 
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2 Comments

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-  

2018-03-23 23:37

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-03-24 07:39

脱字です~~。 修正しました。

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