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❤献上作品❤

甘いモノ・・・その後1

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類とつくしは、カフェに来ていた

「ここの抹茶ケーキと抹茶オーレが絶品なんだって」
「へえ、、和風茶寮でもないのに、和スイーツが多いな」

二人は、額を突き合わせメニューを見る
店内は、老若男女問わずほぼ満席に近い状態
それが頷けるメニューだ

「決めた! 抹茶ケーキとコーヒーにする」
「じゃ俺は、抹茶オーレ」

すると、つくしがチロリと類を見る
その視線に、類はクスッと笑みを漏らす

「分かってる。 一口飲みたいんだろ?」
「えへっ、、類には、抹茶ケーキを一口あげるから」
「了解」

決まったところで、類が店員を呼び注文する
するとその店員の後ろを見知った男性と、初めて見る女性が、別の店員に案内される形で、二つ隣の席へ座った

「あれ? 西門さん、、、と、、誰?」
「さあ?」

「まだ遊び歩いているのかな?」
「いや? ここ最近は、家元襲名に向け、遊びは止めているって聞いたけど?」

大学生の頃は、それなりに交流があった類と総二郎も、社会人となった今では、なかなか会う機会が無い
もちろん、会う機会があれば、雑談に講じる事もあるが、この手の話を進んでする事は無い

それに、総二郎からは、つくしのとの関係を聞かれる事はあっても、類から総二郎の女性関係を問う事は無い
だが、真面目に仕事に取り組んでいると聞けば、そう言う遊びは既に卒業していると思っているし、落ち着いた雰囲気になっていると感じていた

「じゃあ、、、西門さんの本命の人かな?」
「どうだろう? 仕事上の相手かも知れないし、、」
と、類は言葉を濁す

総二郎が誰かと付き合っていると聞いてはいないし、憶測で判断できる問題でもない
そんな類とつくしの前に、注文していた抹茶ケーキ、コーヒー、抹茶オーレが届く
それを見たつくしは、感嘆の声をあげる

「うわ~~、美味しそう」
「だな」

つくしは、早速ケーキを一口頬張り、幸せそうな顔をする
そして類の方に向けフォークを置き、皿を差し出す

類は、ニコリと微笑み、自分の抹茶オーレをつくしに差し出した

「先に飲んでも良いの?」
「ん、、俺、猫舌だし」
「ふふっ、、知ってる」

つくしは、抹茶オーレのカップを両手で持ち、フーフーと息を吹きかけ一口飲む
類は、フォークで一口大にケーキを切ると、それを口に入れる

「あっ、美味しい」
「ん、、ケーキも美味しいな。 評判になるのも頷ける」

こうして二人が一つの物を分かち合うようになったのは、何時頃からだろう?
今では、至極当然の行為となり、類としてはそろそろきちんとした形にしたいと思っている

「牧野」「ねぇ、、類、、」

類の決死の呼び掛けは、つくしの言葉と重なり、しかもつくしの視線は、二つ隣へ向けられている

「西門さんの連れの女性の前に、抹茶ケーキと抹茶オーレが置かれたんだけど」
「えっ?」

類は、その言葉が信じられず、そっと二つ隣を窺う
確かに、女性の前には抹茶ケーキと抹茶オーレが置かれ、それを口に入れ幸せそうな顔を見せる女性の姿が、類の場所からは良く見える

それが、、
――信じられない

過去、総二郎を前にして、このような物を口にして無事だった女性はいない
注文した時点で、その女性とは縁が無かったと憤慨し、席を立つ程、総二郎の中では、抹茶は神聖な物だ

現に親友の類でさえ、総二郎の点てたお茶にミルクを入れてほしいと頼んだだけで、15分ほど説教を食らった事がある

それが、、
抹茶ケーキに抹茶オーレ?
こんな自殺行為の食べ物を頼むなんて、、

という事は、西門流関係者ではない
しかも、今も総二郎が憤慨することなく、席に座っていると言う事は、遊びとかではなくかなり真剣な相手だと分かる

それを頷けるようなつくしの独り言が発せられる

「西門さん、、ずっと笑顔で女性を見ているんだけど、、」

類の席からは女性の姿が、つくしの席からは総二郎の姿が見えるのだが、その姿が信じられず、視線はずっと総二郎に向けられている
もちろん、類自身も信じられないのだが、女性は今も美味しそうにケーキを口に運び、抹茶オーレを飲んでいる

「ねぇ、、西門さん、、どこか具合が悪いとか? ほらっ、色彩障害? 緑が黒に見えるとか?」

つまり、抹茶がチョコに見えている?と言いたいのだろう
かなりひどい言い方だが、それだけ信じられない光景が繰り広げられていると伝えたいのだろう
それは類も同じなのだから良く分かる

だがそれは、、
――総二郎にとって本命の相手だからに過ぎない

それを伝えようと類が口を開いた時、総二郎の少し大きな声が聞こえた

『じゃあ、なんでOKしてくれねぇんだよ!!』






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8 Comments

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2018-04-02 09:45

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Re: ゆきり〜様

りおりお  

2018-04-02 10:12

私も大好きです!
抹茶スイーツって、ハズレがないですよね
総ちゃんは、受け入れないでしょうけど、好きな人がそれを好むのなら、自分のポリシーを捨ててまで受け入れる!
総ちゃんを、そこまで変えたカスミちゃんにアッパレ!

そこに偶然居合わせた類くんとつくしちゃん…
どうするのでしょう?

ぜひお楽しみに〜

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2018-04-02 13:32

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2018-04-02 13:40

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-04-02 14:10

総ちゃんの決死のプロポーズ!
その現場を目撃した類くんとつくしちゃん!
ビックリですし、声もかけられない!

総ちゃんが惚れた相手は、カスミちゃんですが、これは総つく作家様のGipskräuter様です
Gipskräuterは、カスミソウという意味だそうで、お部屋開設三周年記念に書いたお話です

なので…総ちゃんがGipskräuter様にプロポーズと言うことになります

私も類君にプロポーズされたい❤なぁ…

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Re: り〜様

りおりお  

2018-04-02 14:13

そうです!
まさか、ここに二人がいるとは思わずに、総ちゃんは決死のプロポーズです!
しかも、抹茶に混ぜ物を加える事は、完全否定してきたはず!
それが…好きな人がそれらを好きなら、あっさりと認め、自分もそれを口にする

総ちゃんが真剣な恋をすると、こうも変わるんですねぇ

それを見た二人…バレるとやばい?
どうなるのかお楽しみに〜

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-  

2018-04-02 15:06

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Re: たけうさ〜様

りおりお  

2018-04-02 15:37

早速ありましたね(笑)
必ず、誤字脱字が隠れていることが分かりました(笑)
そして、自分では気付かない…
何故だろう?

修正しました
有難うございます

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甘いモノ・・・その後2
『甘いモノ』 Gipskräuter様へのブログ開設3周年記念献上作品