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もうひとつのfleurs printanières

3 あきらの仕事

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「土曜日なのに、悪りぃなぁ」
「ううん。 元々あたしが頼んだような物だし」

「じゃ、悪いけど頼むな。 俺は、本社で仕事をしてくるからよ」
「うん。 分かった」

連れて来られて場所は、美作ブライダルサロン
結婚予定のカップルが次々と押し寄せては、衣装合わせをしていく
その衣装や小物を片付けたりするのが、つくしの仕事だ

確かに、猫の手も借りたいぐらいの忙しさだが、沢山のウエディングドレスやカクテルドレスを見る事が出来、頬は緩む

いつか、、
こんな衣装を着て、類の隣に立てたらな、、
と、妄想は膨らむばかり

「牧野さん! これも片付けてくれる?」
「はいっ!!」

衣装も、サイズ、値段によって置く場所が違う
浮かれてばかりいられない為、顔を引き締めきちんと仕事にあたった

そして休憩の時間になった
たまたま、チーフの方と一緒の時間になり、そこで仕出し弁当を食べながら話をする

「牧野さんが来てくれて助かったわ」
「いいえ、あたしも勉強させて頂きました」

「って事は、そろそろご結婚の予定が?」
「あっ、いいえ。 まだなんですけど、、何時かは、、って事で」

つくしは照れながら、手を横に振る
確かにいつかは結婚したい
その相手は類であって欲しいと思うのだが、未だその兆候はない

尤も焦るつもりもない
今の関係はとても良好だし、一緒に居られるだけで幸せを感じているのだから

「まあ、まだお若いものね。 焦る必要なんてないわよね」
「そんな感じです」

「でも、結婚の憧れとかあるでしょ? ウエディングドレスはどういう物が良い、、とか」
「はい。 だからこのバイトが凄く楽しくて」

チーフはおもむろにカタログを取り出す
そしてペラペラと捲りながら、、

「最近は、こういった裾がふわりとした物を好む人が多いんだけど、牧野さんはどうい物が好きかしら? 今後の参考に聞かせてくれる?」
「あたしですか?」

「えぇ。 好みも人それぞれなんだけど、中には気に入るドレスが見当たらない方もいらして、妥協するしかないという方もいらっしゃるの。 せっかくの結婚式なのに、それは残念よね? だからそういったことの無いように、いろんな意見を聞いて、沢山の形のドレスを用意するようにしているの」
「だから、あれだけの数のドレスがある訳ですね。形ももちろんですが、色も様々ありましたし」

「くすっ、、えぇ、そうなの。 数あるブライダルサロンの中から、わが社を選んでくれたんですから、最高の笑顔を引き出せるドレスをお届けしたいでしょ?」
「素敵です! 素敵な理念です!」

つくしは感動する
一人一人に向き合い、少しでも納得いくものを提供する
そこには、新しい門出をサポートできる喜びが見て取れる

「ありがとう。 じゃあ、牧野さんの意見を聞かせてくれるかしら? まずは形ね」
「私は、裾はロングトレーン? 後ろが長い物が好きです」

「ロングトレーンね」

チーフは、つくしの希望を書き記す
そしてロングトレーンのページを捲ると、つくしは覗き込みながら上半身の希望、ベールの希望、生地の希望など、事細かに希望を伝えた

「ありがとう。 これでまた一人、幸せな花嫁さんが生れるわね」
「お役にたつかどうかは分かりませんが、そう願っています」

つくしは、満面の笑顔でチーフに答えた
そして残りの時間も、同じようにちょこまかと一心不乱に働いた

18時になり、あきらが迎えに来た

「悪かったな。 突然バイトを頼んでよ。 かなり忙しかっただろ?」
「ううん。 こちらこそありがとう。 凄く楽しかった」

「今後の参考になったんなら、俺も嬉しい限りだけどな」
「/////あっ//// ありがとう/////」

つくしは頬を染めながらも、嬉しそうな表情を見せる
その表情が、あきらの心に残った




「よぉ! お疲れさん」

えっ?

つくしは、久しぶりに聞く声に、ふと後ろを振り向く
するとそこには、道明寺の姿

「なんで?」

呆然としているつくしの前に、司はつかつかと歩み寄りその手を取る

「じゃ、行くぞ!」
「えっ?」

「時間がねぇんだわ。 あきら、こいつ貰ってくぞ」
「おう! 気をつけろよ」

つくしの頭上で交わされる会話に、つくしはオタオタとする

「何? どこへ行くって? ってか、あたしは美作さんの仕事を」
「あぁ、、その事なんだけどよ。 俺んとこは今日で終わりなんだわ。 だから次は司の仕事をして来いよ」

「えっ? でも、、」
「つべこべ言うな! あきらが良いって言ってんっだから、黙ってついて来いよ!」

つくしは引き摺られながら、道明寺の車に乗せられる
そして、後ろを振り向くと、あきらが手を振っている
確かに、あきらが良いと言うのなら、つくしに断る理由などない
ただ、確認しておきたい

「あのっ、、道明寺?」
「何だ?」

「えっと、仕事の事なんだけど、、そのっ、その理由って知ってるよね?」

司と言えば元彼だ
その元彼の伝手で仕事が出来る事は嬉しいのだが、その理由が今彼の誕生日プレゼント!
それを知って、こうして仕事を紹介してくれるのなら喜んでやるつもりだが、、
普通の人なら、そう言う理由は嫌なのではないだろうか?

まあ、今では普通の友達関係になっているし、類と司の関係も良好だ
特に、自分を巡ってのいざこざは聞いたことが無い
考えすぎかもしれないが、その点はきちんと確認しておきたい

すると司は、ぶすっとした表情を見せる

「類への誕生日プレゼントなんだろ?」
「うん」

「それでお金が足りねぇんだろ?」
「うん、、そう」

「んとに、ならなんですぐ俺に連絡しねぇ? なんで、あきらに相談するんだ?」
「いや、美作さんに相談したんじゃなくて、あたしの独り言を勝手に聞かれたと言うか、、」

つくしは恥ずかしそうにモジモジしながら告げる

その姿を見ながら司は思う、、

以前はきっと、こうして俺の事を考えていたはずなのに、、と考えると、今でも心がモヤッとするぜ
それでも、昔の様に好きな女を無理やり振り向かせようとは思わねぇ
好きな女だからこそ、幸せになって欲しい
そして、無二の親友も、俺の気持ちを思い測って、今まで行動に起こせなかったんだろうな
んとに、義理堅いと言うかなんというか、、、
でも、もうそろそろいいんじゃねぇの?

「相変わらず独り言の癖が直らねぇんだな? まっ、そのおかげでこうして俺も手伝うことが出来るし」
「何? 何を手伝うって?」

「いや、、お前にバイトを紹介できるって事だよ! じゃ行くぞ」
「どこへ? ってまさか!!」

「当たり前だろ? 俺はNYに居るんだからよ。 ほらっ、お前のパスポートもしっかり貰ってきたしよ」
「ちょっ、何時の間に!!」

こうしてつくしは、道明寺のプライベートジェットでNYへと旅立った






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4 Comments

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2018-04-08 09:30

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-04-08 10:00

昨日は、ある意味考えされられました
原作は、どうあっても司君とくっつけたいのね?
やはり、主役は司君なのね?
類君は、当て馬にすぎないのね?
って感じです
でも…司君が、大人になってたのには、ビックリです
つくしちゃんの気持ちを考えて行動している〜…ですからね
分かっていた事とは言え、今更ここまで書く?と言う思いでした

さて…こちらのお話…
ブライダルサロンで必死に働く男つくしちゃん
何気に好みのウエディングドレスを聞かれてるし、これって偶然?
まだまだ、あきらくんが何を考えているのか分かりません
携帯も持っていないし、類君は、ハラハラだし…
どうなるんでしょうね

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2018-04-08 11:33

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-04-08 13:11

あきら君のブライダルサロンのお手伝いから、なぜかNYへ
司君も絡んできました

類君は、連絡が取れなくてイライラでしょうね

さて、どうなるのでしょう?

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