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もうひとつのfleurs printanières

11 田村の浮き沈み

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やっと、、カラナナに着きました
もう夜の20時を回っています
とにかく、牧野様のいらっしゃるホテルを探し当て、この携帯をお渡しし、類様の伝言をお伝えしなければ
そうすれば、今日はこのままホテルにゆっくりと寝ることが出来ます

えぇ、、できれば、格安ホテルではなく、牧野様が泊まっていらっしゃるホテルでゆっくりと旅の疲れを癒したいですねぇ
まあ、、それぐらいは経費で落としても大丈夫でしょう
ここまで頑張った、自分へのご褒美です

さて、、高級ホテルから探してみますか、、
大河原様の事ですから、たぶん、、最高級ランクにお泊りのはずですから

田村がピックアップした場所の中から、早速一番高級ホテルへ向かう
するとロビー横のレストランに、その探していた大河原滋様がいるではないか!!

不覚にも、田村の目に熱い物がこみあげる
苦労しました
やっと終わりを迎えます

田村は、そのレストラン内に入ると、ツカツカと滋の前に歩み寄る
すると、大柄のボディーガードがその手を塞ぐ

『どちら様ですか?』
『あっ、私、花沢物産日本本社専務の花沢類の秘書をしております田村と申します。 本日は、大河原滋様のお連れの牧野つくし様に用があって参りました』

そのやり取りを聞き、滋が声を上げた

「えっ? 類君の秘書?」
「あっ、大河原様。 突然の訪問で申し訳ございません。 類様の秘書をしております田村と申します」

田村は、恐縮しながら滋の前に名刺を差し出す

「あのっ、こちらに牧野様がいらっしゃるとお聞きしまして」
「あぁ、、つくしなら帰ったよ?」

「えっ?」

田村は、これでもか!!と言う程、驚く

「予定より早く仕事が終わったから、今日の便で日本へ、、、」

田村の落胆ぶりに、滋もそこから先の言葉が言えない
それくらい、悲壮感が漂っている

「そうでございますか。 本日の便で日本へ、、入れ違いという事ですね」
「うん。 って、、大丈夫? なんか、かなり疲れているような、、」

田村は、滋の言葉が耳から抜けていく

牧野様がいらっしゃらない、、
牧野様の携帯はここにある、、
この携帯から、類様に直接電話が出来ない、、
私が、類様に罵倒される、、
<役に立たない秘書>と言うレッテルを貼られる、、

ネガティブになっていく思考、、
だが、、

でも今しがた、、日本へ帰国したとおっしゃいませんでしたか?

田村は、ガバッと顔を上げ、滋を見る

「牧野様は、間違いなく日本へ帰られたのですね?」
「うん、、そうだけど?」

「羽田行ですか?」
「うん、、そうだけど?」

という事は、ご自宅に帰られているはずですよね?
じゃあ、ご自宅の電話から類様にご連絡をされている頃ではないでしょうか?
そうですよね?
何故ならお二人は、ラブラブのイチャイチャと言う関係なんですから

一気にポジティブ思考に変わった田村、、

「ありがとうございます。 それでしたら、私も日本へ帰りますので」
「あっ、、うん。 ご苦労様、、」

ちょっと類君も変わった人だけど、その秘書もかなり変わってるって言うか、、
似た者同士?って感じなんだけど、、大変だな、、花沢物産

と、滋は思いながら田村を見送った



***

やっと日本に着いたつくし
入国手続きを終え、ゲートを出ると、、そこには総二郎が待っていた

「牧野! 待ってたぜ」
「西門さん? どうしたの?」

「お前が、バイトを探してるって聞いてよ」

また?、、
なんでこうも次から次へと、、
と思いつつも、それを声には出さず、、

「うん。 でももう、目的の金額が集まったから、、」

滋さんからも、おかしいぐらいのバイト代を貰ったし、今回の飛行機代も全て滋さんが払ってくれた
もちろん、宿泊代もだ
それらを換算すると、現地で人を雇った方が断然安いのに、、とも思ったが、
ダイヤモンド採掘なんて、信用できる人でないと雇えないのも判るし、、
その辺は突っ込むことを止めた

って事で、もうバイトをする必要はないんだけどな、、

「まあ、そう言うなよ。 それに、お前、、、お茶が飲みてぇって言ってたんだろ?」

げっ!
って事は、滋さんが話したの?
だから、あたしの帰国時刻を知っていたんだ

「確かに、、日本茶が飲みたいっていったけど、、、別に、西門さんのお茶が飲みたいって言った訳じゃないんだから」
「まあそう言うなよ。 お前に美味しいお茶を飲ませてやるからよ」

「でもあたし、、美作さんから出向扱いで、、」
「あきらの了承も貰ってんだよ。 それに、他の奴らのバイトは出来て、俺のバイトは出来ねぇって言うのか?」

「いや、、そう言う訳じゃないんだけどね」
「じゃ決まりだな。 行こうぜ」

「ちょっ、、ちょっと待って! 今すぐ? あたし、オーストラリアから帰ってきたところで、、しかも10時間ほど飛行機に乗ってて、時差もあって」

つくしは必死に訴える
せめて、明日以降にしてほしい、、と言う願いだ

「悪いな。 急ぎなんだわ。 まっ、京都に着くまで、新幹線の中で寝てくれて構わねぇからよ」
「えっ? 今、京都って言った?」

「あぁ、、京都だ。 ほらっ、すぐに行くぞ」

つくしは、がっくりと肩を下ろす
嫌だと言っても連れて行かれるのが目に見えている
それに、美作さんの了承を貰っているのなら、あたしに拒否権は無い
って言うか、何で美作さんも許可するのよ!!
出向って形で、美作関係の仕事をするんじゃなかったの?


総二郎に連れられ、新幹線に乗った頃には、諦めの境地だった

「それで、、何をすれば良いの?」
「和紙作りだ」

「はぁ? 何それ?」

つくしは、乗る前に購入した駅弁を頬張りながら問う
その姿に、総二郎は苦笑いだ

総二郎の隣に座り、大口開けて弁当を頬張る女性は今までいない
モジモジとしたり、チラチラと視線を寄越したり、とにかく緊張の色を隠せないといった女性ばかりなのだが、、
今、自分の隣にいる女は、大口を開けそれを頬張り、その上ペラペラと話をしている

「和紙なんて作った事が無いっつうのよ! それの手伝いなんて出来る訳がないじゃない? ほんと、あんた達って、何でもあたしに頼むんじゃないっつうのよ。 専門知識も何もないズブの素人だよ? もっと他に、適任者がいるでしょうが!!」
「まあまあ、、俺は、お前が類の誕生日プレゼントを買う為に、仕事を探しているって聞いたからよ」

「まあ、、そうなんだけどね。 でもお金は貯まったし」
「何を買うんだ?」

「初めは名刺入れだったんだけど、お金が貯まったから腕時計?」
「なら、予定よりももっと高めの高級腕時計にすれば良いだろ?」

「そうだね。 あっ、携帯貸してくれない? あたし、家に置き忘れてて、類に全然連絡してない! 滋さんの所に行く前に連絡したっきりで、無事日本に帰ってきている事を伝えなきゃ」
「あぁ、、ちょっと待てよ」

総二郎は携帯電話を取り出す
そして、類のナンバーを押して、つくしに渡した


♪~~♪♪~~♪~~

『何? 総二郎!!』

なんか、、イラついてる?

「あっ、、類?」
『えっ? 牧野? えっ? なんで、総二郎の電話に?』

「今、西門さんと一緒だから」
『なんで? なんで総二郎と?』

「話せば長くなるんだけどね、とにかく今から西門さんと京都に行ってくるから。 類も仕事頑張ってね」
『えっ? ちょっ、、』

つくしは、すぐに電話を切る
他人の携帯電話だと、どうしても気を遣うからだ

「ありがとう。 西門さん。 これで類も安心したと思う」

つくしの呑気な言葉に、総二郎は笑いを噛み殺すのに必死だ

好きな女が、他の男と一緒に居て安心できるはずがねぇだろ?
しかも京都だぜ?
ほんとにこいつは、、鈍感っつうか、、
行き先を言えば安心するって言う考えは、親子の場合だけだろ?
今頃類の奴、ぜってぇパニックになってるぜ?
と、親友の気持ちを思い測った



***

つくしからの電話が切れた類は、その電話を暫しジッと見つめる

今、、総二郎と一緒って言わなかった?
なんで、総二郎と?
しかも、、京都?
それ、、旅行?

まさかな、、
俺と言う彼氏がいながら、旅行?

総二郎のやつ、、もしかして牧野と、、あんなことやこんな事を?
以前、嵐山に行きたいって言っていた事があるけど、、それを総二郎が叶えたとか?

そう言えば総二郎の奴、、
<牧野って、最近綺麗になってきたよな>
って言っていたよな

それに、
<牧野の奴、、最近特に色っぽくなったんじゃね?>
とも言っていたよな

そのどれもに、
<お前が、そうしているんだろうけどよ>
と笑って言っていたけど、それって俺を安心させておいて、ガッツリ牧野を食べるつもりだったとか?

あっ、俺がフランスに来ているから、今がチャンスとばかりに堂々と京都に向かっているとか?
だから、総二郎の電話を借りて、牧野が電話をしてきた?

くっそ!!
何てことだ!!
誰が話した?
俺がフランスへ来ている事をさ!!

類は、バンッとデスクを拳で叩く

今すぐ日本へ帰りたい
でも、、今はどうしても日本へ帰れない

田村は?
田村の奴、何をやってるんだ?


類は、すぐさま田村の携帯へ電話をかけ始めた





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8 Comments

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2018-04-16 09:31

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-04-16 10:05

田村さん、、可哀想ですね
やっと、つくしちゃんに会えると思っていたのに、、

でも、滋さんにすぐ会えたのはラッキーでしたね
これでつくしちゃんは日本へ帰りました
田村さんも、日本へ帰れますから、、って、類君の電話が怖い?

つくしちゃんも、総ちゃんの携帯から、二人で京都へ行く事を告げましたけど、、
まあ、行き先を言っておけば安心するはず、、と思う発想が笑えます

つくしちゃん自身は、やましい事など無いから、キチンと誰とどこへを言えたんですけど、、
類君からしてみれば、要らぬ妄想が次々と浮かんで、、
さあどうなる?

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2018-04-16 10:07

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2018-04-16 10:35

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-04-16 11:48

私も国語は苦手です
でも連句では、ノエ様のナイスアシストにより、無事完結できました
あのアシストがなければ、完結など無理でしたから😉
マムシ化…してますね(笑)
でも、いつでもどうぞ!
我が家のカテゴリーに『NOEの部屋』は、何時でも作れますから!

さて…田村さん…だんだんと不憫に思えてきました
頑張っているんですけど、相手が悪いですよね
司君や滋さんを相手だと、行動が全く読めないし、NYやオーストラリアにまで連れてきて、さっさと開放するなんて!
普通…一週間とか滞在しますよね?

それでも、日本へ帰ったことが分かり、少しは安心?
それも束の間何でしょうね(笑)

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-04-16 14:21

田村さん、、ご苦労様です

やっと、ここまで辿り着いたのに、すでにつくしちゃんは日本へ向かっています
滋さんも、同情の眼差しを向けているし、、
それに、類君の直属の秘書を、こうして単につくしちゃんに会う為だけに寄越すなんて、、
花沢物産の将来を心配しますよね

つくしちゃんも、日本に着いたとたん、総ちゃんに拉致されて、、
しかも、取り敢えず類君に連絡、、と言うぐらいの簡単な電話をして、、
誰とどこへ、、を伝えたら、それで安心すると思っているのでしょうけど、、
相手が総ちゃんと言う所が、類君のイライラを煽ると思っていません

類君のイライラはピークですし、、その矛先は田村さんへ向かいそうですよね
どうなる田村?
頑張れ!!

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2018-04-26 14:43

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りおりお
Re:キャ~様

りおりお  

2018-04-26 16:48

修正しました

つくしちゃんは、連れまわされているけど楽しそうですよね
でも、、田村さんは、、
心身共に疲労困憊ですよね

頑張れ

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