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Precious Love<完>

その後3 あの時

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類との電話を切った後、ノアは心が温かくなるのを感じる
類と結婚し、赤ちゃんまで授かることが出来た
これほど幸せで楽しくて嬉しい時間を過ごせるのは、生まれて初めてだ

そして、言いにくそうに伝えられた道明寺のプライベートジェットの件
かなり類に負担をかけていると感じた

でも、もう大丈夫
私も、ママになれるから

ノアは、窓辺のソファーに腰をおろす
そして、窓辺に飾られている二人の結婚式の写真を手に取りながら、あの日の事を思い出す



「ノアちゃん。 あの時は、ほんとに悪かった。 類から話を聞かされた時、ノアちゃんと牧野が瓜二つでさ。 類の事が心配になって勝手に調べたんだ。 それが上っ面の報告書だって事にも気づかないでさ。 お前の事を散々傷つけた。 ほんとに悪かった」
と、あきらは頭を下げる

「ううん。 類の事を思っての行動だって分かってるから」
「でも、お前を追い詰めるような事を言って、、」

「もう良いから。 あれがあったから今がある。 そりゃ、あの時はかなり傷ついたし、もう何もかも失ったと思ったけど、今は類の愛情を一杯受けて幸せだから」

ノアは、幸せいっぱいの表情でニコリと笑みを見せる
その笑みを見たあきらは、目に涙を溜めながらしっかりと頷いた

「あぁ、、類に幸せにしてもらえ。 いや、もう幸せになってるか! それに、、今日のお前、すんげぇ綺麗だ」
「先輩! 本当に申し訳ありませんでした。 私、、私、、」

そんなあきらを、ズイッと押し除け、桜子が前に出る
そして涙しながらノアに謝る
そんな桜子の肩を、ノアはゆっくり摩りながら、、

「もう良いから。 あの時は、不審人物以外の何者でもなかったと思う。 決して桜子の所為じゃないから。 だから、また友達になってくれる?」
「もちろんです! ありがとうございます。 花沢さんと、ずっとお幸せに。 それに今日の先輩、、凄くお綺麗です」

「ありがとう」
と言いながら、類を見詰めて微笑む
その類も、ニコリと笑顔を見せる

「ノア! ほんとに良かった。 それにすごく綺麗」
「優紀、、」

桜子の隣に優紀が立ち、笑顔でノアに告げる

「ほんとに良かった。 無事妊娠できて、、ほんとに良かった」
「あの時は、叱咤してくれてありがとうね。 かなりネガティブ思考に陥ってて、、」

「ううん。 偉そうなことを言ったけど、女性にとって卵巣摘出は酷な事だし、将来を色々考え躊躇う事も良く分かる。 だから、、妊娠したって聞いた時はほんとに嬉しくて」

優紀は、ハンカチで目元を抑えながら、あの時の自分の行動を反省する
卵巣摘出を聞かされたばかりだった
精神的に弱っている時に、叱咤激励をしたが、本当にあれで良かったのか?
もし子供に恵まれなかったら、あの時の発言は、逆にプレッシャーを与えるのではないか?
ずっとノアを苦しみ続ける事にはならないか?
と、優紀自身も、自問自答する日々だった

「優紀のアドバイスは、かなりガツンときたよ? でも、前向きになれた。 もちろん、一年間はいろいろ悩みもしたけど、それでも優紀の言葉に勇気を貰えたのは事実だから。 確かに妊娠する可能性はあるんだし、初めから諦めてちゃダメなんだ、、ってね。 あのままだったら、、きっと今日という日は訪れなかった。 こうして幸せを噛みしめる事も、愛する人との未来を描くことも、、何もかも諦めていたから。 だから、ありがとね、、優紀」

優紀は、うんうんと頷く

「また、、友達になってね」
「もちろんよ。 これからもよろしくね」
と、二人は握手を交わす

「ほんとに、悪かった。 俺や母親を助けてくれたにも拘らず、お前の事に疑問を持ってさ」
と、優紀の隣にいた総二郎が頭を下げながら謝る

そして、サッとノアの右手を取り、ジッと見つめる
そこには、まっすぐな傷痕が残っている
あの時の傷だ

「ほんとに悪りぃ。 お前に傷を残しちまった」
「もう良いから。 それにこれは、私のやり方が悪かっただけ。 ほんとは、先にナイフを落としてから締め上げないと、、あっ」

バツが悪いとはこの事だ
ほんの3年ほど仕事をしただけなのに、すっかり犯人取り押えの技術が身についている
こんなんで、ほんとに類の妻となっても大丈夫だろうか?
と、急に不安が襲ってくる

その総二郎の腕を、類がサッと振り払う

「何、俺の奥さんに触ってんのさ。 たとえ総二郎といえども、今後一切、触れたりしたら許さないからね」
「あっ、、悪りぃ」

そして類は、ノアにニッコリと笑みを見せる

「大丈夫。 何も心配いらない。 それに、あんたは昔っから無鉄砲だっただろ?」

昔っから?
つまり、決してFBIになったからではなく、昔からこういう性格って言いたい訳?

「あぁ、、ほんとお前は、昔っから落ち着きがねぇし、喧嘩っ早いし、無鉄砲だし、向こう見ずだし、、いい加減落ち着いて行動しろよ」
と、総二郎も類の言葉に付け足しながら、ウインク付きで告げる

類の言葉に胸が熱くなる
西門さんの言葉に、不安も解消されていく

「うん。 そうだね」

皆とまたこうして、親友になれたことが素直に嬉しい
今度はノア・花沢としてだけど、、
牧野つくしとして残った大切な絆だから

ゆっくりと皆を見ていく
その瞳は、笑みを浮かべている
もうあの時の様な、疑心に満ちた射抜くような瞳ではない
それが何よりも嬉しい

――帰って来れた
――またこの場所に



喜びに浸っていたノアの背後から、ひときわ大きい声が聞こえた

「ノア!」

途端、身体がビクッと反応した









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6 Comments

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2018-05-22 09:27

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Re: おち〜様

りおりお  

2018-05-22 11:49

都会は見るもの買いたいものの宝庫ですよね
で、人の多さに人酔いするんです(笑)
向こう側に行きたくても、人が多くていけれなかったり…
あっという間にお金も時間も無くなります

お話ですが…
ノアちゃんのその後を少しだけお届けしますね
以降作業中に、どっぷりこの話にはまっちゃって(笑)
ついつい加筆という形で書いてしまいました
どうぞお楽しみくださいね〜

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-  

2018-05-22 12:19

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Re: キャ〜様

りおりお  

2018-05-22 14:10

ノアとなったつくしちゃん
類君と再会し、改めて類君のことを好きになり、やっと司くんからの呪縛が解け、明るく輝く未来に!
で、終わっていたんですよね
あの後、結婚式でみんなと再会しているはずだし、その時のノアちゃんの心境は?と思いながら加筆しました
皆と打ち解け、元通り…ですが、まだ司君と滋さんと会話していません
二人に対して、ノアはどうする?
類君はどうする?
明日もお楽しみに〜

私は家族から、天然と言われてます
言い間違い、勘違いは、良くあります!
落ち着いた雰囲気は皆無ですね(笑)

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-  

2018-05-23 09:14

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-05-23 10:09

今日は朝から雨!
しかも肌寒い…
着るものに困りますね
しかも、あまり持ってきていない(笑)
こう言う時期に帰省していないので、タンスの中には冬物のセーターと夏物のペラペラのTシャツしかない(笑)
近くのスーパーに行っても、ど田舎のスーパーでこれといったものが無いし、半袖ばかり…
田舎あるあるです(笑)

お話…
司くんは、何かしたくて仕方ない
過去は戻せないけど、せめてノアの未来の手伝いをしたくて仕方ないんですよね
分からないでもないなぁ…

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