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Precious Love<完>

その後6 カウントダウン

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ノアは、目の前の爆発物に悪戦苦闘していた
現場を離れ、既に一年半ほど経っている
昔なら、こことここを外して、、と分かった物だが、今は自信が無い
その為、声に出しジョンに確認を取りながらの作業だ

『もう! 線が絡まってる。 どこがどの線なのよ~~。 えっと電池についている線は、、、このデジタル時計についている線は、、』

すると、ノアの後ろから控えめな声が聞こえる

「あのぉ、、ノア様? 体調でも悪いのでしょうか?」

それは、ノアに付けられたボディガードだ
トイレに入ったっきり、一向に出てこないノアを心配して、声をかけながら恐る恐る入ってきたようだ
もちろんここは女子トイレ
変質者と間違われる可能性もあるのだから、ボディガードも恐々だ

すると、床に這いつくばっているノアを見つける

「ノア様? どこか体調が、、」
と声をかけた所で、ピタリと立ち止まる

後ろ姿で良く見えなかったのだが、近づくとその前には、おどろおどろしい物が見える
しかも、その蓋を開け、何やら線を弄っている
その隣に置いた携帯からは、何やら指示を出す声が聞こえる

『次に、基盤に付いた線を、、』

瞬時にボディガードには、ノアが解体作業をしていることが分かる

「ノア様!! 今すぐここを出ましょう!!」
「いいえ、、もう間に合いませんし、今解除しないと、、、大勢の人が、、」

「それでも、ノア様に何かありましたら、、類様が、、それにお子様が、、」

その声に、ノアはハッとする
だが、今から逃げる事も考えられない
時間が少なすぎるからだ

「すみません! 急いでニッパーかハサミを持って来てください。 もうすぐ線が解けるので、後は切断していくだけですから」
「それでしたら私がやります! ノア様は、急いで逃げて下さい」

「私の方が慣れてるから! 早くニッパーかハサミを持って来て!!!」

ボディガードも、ノアの切羽詰まった声に、覚悟を決める
そして急いでその場を後にし、トイレの外にいるもう一人のボディガードに後を託し、空港職員を探しに行った

もちろん、そのボディガードは、ノアの居るトイレに入る
そしてその作業に驚くものの、そっとノアの隣に座る
武力に対しての防御なら心得ているが、こういった爆発物処理はド素人だ
口を出すことによって、ノアの集中力が途切れる事だけは避けたい
そして万が一の事があった場合、少しでも身を挺してノアを護る為だ



ジョンは、空港職員の一人と共に、ノアがいるであろうトイレへ向かって走っていた
ノアがいるトイレの周辺は、既に人払いが始まっている
そして、耳に着けたイヤホンからは、『他に不審物は見当たらない』と、次々と連絡が入ってきている

それを聞きながら、ジョンは指示を出している

これだけのリード線があるという事は、フェイクが含まれているという事だ
間違った線を切ってもアウトだ
下手な振動を与えてもアウトだ

とにかく、どれがどこに繋がっている線かきっちりと見極める事が必要だ
その為には、絡まっている線を慎重に解く必要があるのだが、、
それを今、大切な妹が行っていると思うと生きた心地がしない

時間は、刻一刻と迫っている
空港職員や空港警察員に解体を頼むよりは、ノアの方が適任だ

爆発物に付けられていた爆弾の大きさからして、かなりの殺傷力があると分かる
時間が無い今、頼れるのは、、、やはりノアになってしまう

花沢、、、悪りぃな、、

ジョンは、心の中で類に謝る
そうしながら、ノアとFBIメンバー達に指示を出していた




ノアの元に、ボディガードがハサミを持ってきた
「ノア様、、ハサミです。 空港職員の持っていた物ですが、これで大丈夫ですか?」

それは文房具に使うハサミだ

「ありがとうございます。 リード線を切るだけだから」

ノアにハサミを渡したボディガードも、爆発物のすぐ近くに腰をおろす
ノアのボディガードである以上、この緊迫した状態で、ノアを一人にできない為だ

ノアは、確実にフェイクだと思われるリード線に、ハサミを添える

パチン、、、

一本切ると、ホッと安堵する
それはボディガードも同じようで、「ふぅ~」と息を吐いている

ノアの額には、玉のような汗をかいている
それを、手の甲で拭い、次のリード線にハサミを添えた

パチン、、、、
パチン、、、、


そして残り二本となったところで、ジョンが到着した

「ノア!!」
「あっ、、兄さん」

ジョンは、ノアの横に座り現状を確かめる
残りは二本のリード線
そして、タイムリミットは30秒

その二本は、全く同じ場所に設置されている
つまりどちらかがフェイク、、どちらかが本物だ

「ノア、、お前は今すぐここから離れろ」
「ううん。 兄さんと一緒にいる」

「バカか! お前は一般市民だろうが! 少しでも離れていれば、、命は助かるかもしれねぇだろ? おい! こいつを今すぐここから連れ出してくれ」

ジョンの言葉に、ボディガードが立ち上がる
そして、ノアの腕を掴んだ

「やだっ! 兄さんと一緒にここにいる!」
「バカ! やっと幸せを掴んだ所だろうが! しかもお前のお腹には、愛する人の子供がいるんだぞ! その子供まで犠牲にする気か! 良いから、サッサと連れていけ!」

ボディガード達は、ジョンに軽くお辞儀をし、ノアを無理やりトイレから引きづり出す
「やだっ! 兄さん、、兄さん、、やだっ! やだ~~!!」

ジョンの耳には、ノアの泣き叫ぶような声が、だんだんと遠ざかるのを確認し、ホッと息を吐く
と同時に、目の前の二本のリード線をジッと見つめる

カウントは、既に10秒を切っている
出来るだけノアを遠くに引き離すためには、ぎりぎりまで待つ必要がある

どっちだ?

8…
7…

ノア、、
幸合わせになれよ、、

6…
5…

くっそ!
子ども顔が見てぇ、、

4…

ジョンは、覚悟を決め一本のリード線にハサミを通す

3…
2…

ギュッと目を瞑り、手に力を入れる

1…

パチンッ、、、







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10 Comments

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2018-05-25 10:18

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2018-05-25 10:53

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2018-05-25 11:11

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Re: キャ〜様

りおりお  

2018-05-25 11:14

えへっ…
切っちゃった(笑)

ジョンも必死です
ノアを守りたいのは、類くんと同じぐらいありますからね

さてどうなったのかは…
明日のお楽しみです(笑)

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Re: り〜様

りおりお  

2018-05-25 11:15

ノアの安全を考え、最後の最後まで粘るジョン
そこには、妹を想う兄の気持ちと、好きな女の幸せを願う一人の男としての気持ちもあります

どうなったのかは…
明日まで暫しお待ちくださいね

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Re: ゆきり〜様

りおりお  

2018-05-25 11:18

明日、運動会の所が多そうですね
天気も良さそうだし?
暑いくらいかも?

そんな中、こちらのお話も熱い(@_@;)
どうなるのかは…明日までお待ちくださいね
お昼の休憩頃でも?ゆっくりご覧ください!

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-  

2018-05-25 11:27

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-05-25 11:57

大丈夫ですか?
確かに、気温の変化が激しいですよね
気をつけようなもどうすれば良いのか?ですよね

お話ですが…
ノアの身の安全が第一です
ジョンにとっても、ノアはかけがえのない女性ですからね
その手に赤ちゃんを抱かせてあげたいですね…

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-  

2018-05-25 12:28

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Re: おち〜様

りおりお  

2018-05-25 13:10

ジョンとノアは、既にしっかりとした兄妹となっていますよね
互いを思いやり、絶対に失いたくない存在です

やっと幸せになったノアとその未来を、何時までも見ていたいジョンですが、自分がやらなければ誰がやる?
とにかく時間が無いのが現状です

ノアを少しでも遠ざけるため、ギリギリまで待つジョンの呟きは、胸にグッときますね
どうなるのかは、明日です
お楽しみに!

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