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Precious Love<完>

その後7 怒り心頭

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道明寺のプライベートジェットは、予定の時刻を一時間も過ぎて飛び立った
もちろん、爆弾騒動の為だ

その機内の中には、、

『お前なぁ、、俺は、パスポートを持ってねぇんだぞ』
『でも、国際線に入れたじゃない』

『それは、爆弾騒ぎのせいだろ!』
『まあ、、これはプライベートジェットだし、なんとかなるわよ!』

『なんとかなる? まっ、もうどうする事も出来ねぇんだけどな!  既に空の上だし!』
『そうそう。 後ね、、この事、、類には内緒にしてくれる? やっぱり、ほらっ、、心配かけさせたくないじゃない?』

それが分かってんなら、爆弾解体なんかするなよ!
報告だけして、とっとと逃げろよ!!
と、ジョンはノアの今回の無鉄砲な行動を心の中で突っ込む
口に出して言えないのは、ノアの功績のおかげで、ぎりぎり間に合ったからだ

『もちろん、俺からは言わねぇよ。 それに俺は、日本の地を踏めねぇんだよ! パスポートがねぇんだからな! このまま、この飛行機でとんぼ返りだよ!』

でも、、花沢の奴は、もう知っているはずだぜ?
空港を一時閉鎖しちまったし、ボディガードも報告するだろ?
いや、もう既にしているんじゃね?

「あっ、ボディガードさん、、絶対に類には言わないでくださいね」

おっ、ボディガードの口を封じたか、、
でも、、もう遅いだろ?

「あっ、、はっ、はいっ、、」

ほらっ、あいつらも困った顔してるぞ?
それに予定時間よりも、一時間も遅い離陸だぜ?
何かあった事は一目瞭然だろ?
それにたぶん、、ニュースになってんだろうな、、
まっ、詰めが甘いとはこの事だな
しっかり花沢の奴に、お灸を据えて貰うんだな

『それより、、ほらっ、疲れただろ? 早く寝ろよ』
『うん。 兄さんもね、、』
『あぁ、、』

プライベートジェットは、ノアの為にきちんとしたベッドが備え付けられていた
そこに二人は横になっている
そして、ジョンの手をしっかりと握っているノアがいる
その手は、やっと震えが治まったようだ
それにやっと安心し、ジョンはノアの頭を撫でる



爆弾を無事解体した後、ノアがトイレに飛び込んできた
そしてジョンを抱きしめ、大きな声を出して泣きはじめた
それはまるで、小さな子供のように、、

そんなノアを、安心させる様にポンポンと背中を何度も叩いていた
そんな二人の元に、他のFBIがやってきた

FBIは、ジョンに耳打ちする
『この騒ぎで、空港は一時閉鎖されています。 この後、順に再開される予定です。 とりあえず道明寺のプライベートジェットを、真っ先に離陸させる手配を済ませました』

仲間たちの気遣いに、ジョンは感謝する
この後、残務処理が待っている
特に、爆弾を解体した張本人であるノアは、長時間拘束される事は間違いないだろう

『じゃ、とりあえず、、こいつを飛行機に乗せるから、後はよろしく頼む』

ジョンの言葉に、しっかりと頷くFBI達
そして、すぐに後処理を始めた
それを見ながら、ジョンはゆっくりノアを立たせたのだが、ノアの身体の震えが止まらない事に気付く

久しぶりの緊張感
しかも、爆弾解体と言う尋常でない緊迫感は、仕事を辞めてのんびりとした日々を送っていたノアには、かなり酷な事だっただろう

それでも、身体が自然に動いたのは、正義感の強さだろう
花沢の事も、お腹に子供がいる事も忘れ、切羽詰まった危機を見過ごすことが出来なかったんだろうな

もっとノアの近くに、ボディガードを配置すべきか?
他人から危害を与える事を想定するのではなく、この突飛も無い行動をする妹を抑え込む為の人材を!


プライベートジェットに乗った俺は、すぐに待機してある看護師に、ノアの状態をチェックさせた
万が一、、の事があっては大変だからだ

ところが、ノアが手を離してくれねぇ
仕方なく、手を繋いだまま、血圧やお腹の子供の胎動などを確認する看護師
そして、何事も無い事を確認し、やっとホッと一息ついた

『じゃ俺は、これで帰るわ。 気を付けてな。 あいつにヨロシク』

そんな挨拶をするだけで、目の前のノアは目に涙を溜めポロリと泣く
久しぶりの興奮状態に、気持ちが追い付かないのだろう、、
そのノアの頭に手を置きながら、、『大丈夫だから。 もう心配いらねぇ』と声をかけたのだが、一向にノアの興奮が収まらず、、フライトの時間が来てしまったという訳だ

たぶん、、
またシスコンと、茶化されるんだろうな
まあ、、そうなんだから仕方ねぇんだけどよ

と思いながら、ジョンもやっと眠りについた




起きた時には、既に着陸態勢に入っていた

「早っ!」
「バカか! これでもきっちり9時間は飛んでんだよ」

ジョンの言葉に、ノアは目を見開き驚く

「って事は、9時間も寝ていた訳?」
「しかも、、大きなイビキをかいてな!」

ゲッ、、とした表情をした後、すぐに顔を染める

「恥ずかしいじゃない。 起こしてよね、、兄さん、、」

コロコロと忙しなく表情が変わるノア
そんなノアの鼻頭をピシッと弾く

「痛っ!」
「ば~か、、今更だっていうんだよ。 でもぐっすり眠れたようだな」
「うん、、」

ぐっすり眠れた事に、ジョンは安堵する
緊張状態が解れたという事だから

無事、成田空港に到着し、タラップが横付けされると、ジョンはすぐに仲間に電話をかけ始めた

あれから9時間が経っている
爆弾事件の真相や犯人など特定できているだろうか?
それらを確認するためだ


飛行機のドアがゆっくり開くと同時に、この場所にいるはずのない類が、機内に飛び込んできた

「えっ?」

ノアは小さい声を上げ驚くが、類は、まっすぐノアの元へ行きギュッと抱きしめる

「良かった。 ほんと、、良かった」
「あれ?」

類の安堵の声に対し、ノアは、頭が回っていないようだ
そんなノアにしっかりとしたキスを落とす類
その後、再び抱きしめる

「あんた、、何で爆弾解体なんかする訳? 俺をどれだけ心配させるのさ」
「えっ?」

なんで知ってるの?と思いつつも、ノアは、キッとジョンを睨みつける
そのジョンは、携帯で会話中だが、ノアの視線を受け、手を横に振り俺じゃないとアピールする

すると次は、ボディガードを睨み付ける
もちろん、ボディガードは首をすぼめるのだが、、

「ニュースでやってる。 オレゴン州の空港内で爆弾騒ぎがあったってさ。 でも、愉快犯だったみたいだよ?」
「愉快犯?」

「爆発物は偽物。 でもかなり精巧にできていたらしいけどね。 それを仕掛けた犯人も、捕まってる。 空港職員だったんだよ。 何でも、搭乗客のセキュリティをしっかりしても、空港職員ならば簡単に爆発物を仕掛けることが出来るって教えたかったみたい。 空港の盲点をつく事によって、一躍ヒーローになりたかったみたいだよ?」
「偽物? 愉快犯? そっか、、偽物だったんだ。 良かった~~」

ノアは、ホッと安堵した表情で呟くが、その言葉に類がキッと怒りを表す

「ノア! 偽物だったから良かったじゃないだろ! 本物だった場合どうなったと思う訳? 俺がどれだけここで心配していたか分かる? あんたと、俺達の子供がいっぺんにいなくなったらと思うと、生きた心地がしなかったんだよ? ほんとあんたって、俺を心配させる事ばかりだな!」

類は、怒りとは裏腹に涙声になっている
かなり心配させた事に、ノアも深く反省する

「ごめん。 ごめんなさい、、」

ノアは、類の背中に回した腕に力を入れ、ギュッと抱きしめる

「まっ、、何事もなく済んだから良かったけど、もうこんな思いは嫌だから。 これで二度目だよ? 二度ある事は三度あるって言うけど、、絶対に嫌だから!!」

一度目は、道明寺のクルーザー事件だと分かる

「ごめん」
その声は消え入るように小さいし、シュンとしている
かなり反省し得ている事が窺え、類もやっと安堵する
そして今度は、ジョンに向き合う

「ジョン! とりあえず、、ありがと」
「いや、、俺は何も、、」

「最後の最後、、ノアを遠ざけてくれて、、」

そこまでバレているのか、、とジョンは思う
最後の最後とは、タイムリミットの30秒の事だろう

なら、、

「悪いが、もう少しボディガードを増やしてくれ。 外敵から守る奴じゃなく、お転婆な妹を封じ込める奴な!」
「もちろん、そのつもり」

「後、、もう二度と、道明寺の乗り物は使うな! たぶん、、何か憑りついているとしか考えられねぇ」

そのジョンの言葉に、類はプッと吹き出す

一度目は司のクルーザー
二度目は司の飛行機
確かに、、何かが憑りついているのかも?と考えられなくもない

「分かった。 もう二度と、司の手は借りない。 じゃ」
「あぁ、、妹を頼むな。 また生まれたら、会いに行くから」
「あぁ、、分かった」

類に促され、ドアへ向かう前に、ノアはジョンに向き合う

「兄さん」
「ん?」

「ありがと」
「あぁ、、どういたしまして」

ノアのにっこりとした笑顔
それをまた見ることが出来、ジョンも生きている実感が湧く

良かった、、
また、あいつの笑顔が見れた

あいつの笑顔が、、俺に平穏を与えてくれるんだ
今度は、、あいつの子供の笑顔を見てえなぁ
と思いながら、タラップを降りていく二人をずっと見詰めていた








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10 Comments

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2018-05-26 10:10

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Re: キャ〜様

りおりお  

2018-05-26 10:27

笑顔って、周りの人をも幸せにしますよね
そんなふうにいつも笑っていたいけど、笑いすぎると皺が…

類君を心底心配させたノアは、深く反省していますけど、またまた同じようなことがあれば、突っ走るんでしょうね
正義感が強すぎるんだから…
まあ、類君は何もかも分かっているでしょうから、対処するでしょうね

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2018-05-26 11:17

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2018-05-26 12:07

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2018-05-26 15:13

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Re: おち〜様

りおりお  

2018-05-26 23:04

ジョンもホッとしましたね
ノアちゃんもしっかり反省したようだし?類くんも、もっと対策するでしょう

そして、ノアの笑顔を見ることができて、ジョンもやっとホッとできましたね!

しばらく離れますが、類君に任せておけば安心ですし、道明寺に関わらなければ、こんな災難にも合わない?
ト、こじつけるしか無いですね(笑)

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Re: り〜様

りおりお  

2018-05-26 23:08

類君も、ノアちゃんの顔を見て抱きしめて、やっと安心したかな?
それでも、きちんと注意をしないとね!
無鉄砲で責任感の強いノアのことを好きになっていますが、命に関わることは類くんの身も持たない!
そこの所を、よく分かってもらわないとね!

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-05-26 23:12

道明寺は鬼門ですね!
何故か、ノアちゃんの命に関わるようなことばかり起こってしまうんですから

そこの所は、類君もよくわかったでしょう

ジョンも安心する為に、ボディーガードを増やしてほしいと頼み込みました
そうですよねぇ…
何故か危険と隣り合わせになるんですから!

明日もお楽しみに〜

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Re: ゆきり〜様

りおりお  

2018-05-26 23:16

運動会は、見ている方も疲れます
ケンタッキーは美味しかったですか?
我が家も、運動会の後は、王将を買ってきていました

お話…
無事、爆発物を回避できても、心労はかなりの物があります
落ち着くまでは、時間がかかったでしょうね
類君も、ノアを抱きしめて、やっと生きた心地がしたでしょうね
と同時に、二度と道明寺とは関わらないかも?ですね!

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