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さくらいろ

116 行方不明

2018/07/19
LET'S AFTER ♫<完> 2
光音は、急いで玄関に向かう
すると、そこに佳代が居た

佳「光音様? どちらへ行かれるのですか?」
光「幼稚舎に忘れ物しちゃって。 取りに行ってくる」

佳「それでしたら、丁度運転手が華音様の迎えに行く所ですので、乗っていかれますか?」

本当なら、このまま一人で出かけたかったが、それは無理だと判断する

光「うん」

こうして花沢の車で、再び英徳へ向かった
そして先に幼稚舎で光音を降ろす

光「じゃ取ってくるから」
運「私も一緒に参ります」

光「分かった。 じゃ行こう?」

光音はドキドキしながら幼稚舎へ向かう
ここで怪しまれたら元も子もない

校舎の玄関前まで来た所で、運転手に向き合う

光「じゃ、ここで待ってて」
運「畏まりました」

既に園児は皆帰宅し、先生たちも職員室に居るのか玄関に誰もいない
光音は一人で校舎内に入る
もちろん、誰にも見つかりませんように、、と願いながら

そして教室を通り過ぎ、そのまま奥の出口から出る
そのまま木々の裏を通り、門へ向かう
その視線の先には、運転手が今もジッと待っているのが見える

その運転手にゴメン、、と心の中で謝り、ダッシュで門を出た
そして大学部の前に停車しているタクシーに飛び乗った

光「ここまでお願いします」
と、鍵と一緒に入っていた住所の紙を渡す

運「一人? お母さんか家の人は?」
光「パパは海外出張中。 ママは病気で家にいる。 だから一人で幼稚舎に来たんだ」

普通なら怪しむ所だが、ここは英徳前
しかも英徳の制服を着ており、いかにも賢そうな子供だ
それに差しだした紙も、大人の字で書かれている
運転手は、その紙に書かれている住所に向かい、車を発進させた

運「偉いなぁ。 家にいるとお母さんの病気が移るから一人で幼稚舎に?」
光「そう」

運「あぁ、、それに今日はバレンタインだから、どうしても行きたかったのかな?」
光「そうなんだ」

光音は話を合せる
少しでも不振がられないように、、との思いだ

その頃、一向に光音が戻ってこない事に、運転手は心配でならなかった
そして思い切って中に入った
そこで光音がどこにもいない事を知り、急いで自宅に電話を入れた

運「大変でございます。 光音様がどこにもおられません」




つくしは、心音と遊んでいた
佳代から光音が忘れ物を取りに行ったと聞いた時、何で自分に何も言わず一人で?と思った
だが今日はバレンタインデー
帰宅した光音はチョコを持っていなかった
多分それを取りに戻ったのだろう
そして茶化されたくなかったのかもしれない、、と良いように考えていた

そんなつくしの元に、佳代が飛び込んできた

佳「つくし様! 大変でございます。 光音様が行方不明だと今しがた運転手から電話が」
つ「えっ?」



その知らせは、直ぐに類の元にも伝えられた
会議中だった類は、それを中断し、急いで執務室へ戻る

類「どう言う事? 光音は幼稚舎だろ? 迎えは?」

田村に聞くより、家の者に確認を取った方が早いか?
とすぐさま自宅に電話を入れ、佳代に状況確認を取る
そこで、つくしが幼稚舎に向かったと知り、類も直ぐに向かう事にした

類「田村。 悪いけど後は頼む。 何かあれば、直ぐに連絡する」
田「畏まりました」

幼稚舎へ向かいながらも、光音の行動が不思議でならなかった
あの光音が、つくしに心配をかけるような事はしないはず
でもどう考えても、誰かに連れ去られたと言うよりは、自分の意思で行動している様に思えてならない

その証拠に、一度帰宅しながら再び幼稚舎へ向かっている
本当に忘れ物を取りに行くのであれば、つくしを伴う筈
それが今回は、つくしに内緒で行動している

おかしい
何があった?

その疑問は、幼稚舎に着いてすぐに分かった

先「あの、、今日光音君に『親子だと結婚できないのか?』と聞かれまして『そうだよ』と答えたんですが、、
  それから一日中元気が無くて、、」

つくしは先に担任から聞いていたのだろう
ずっと自分を責めている

つ「帰宅した時、様子がおかしかったの。 でも何でもないって言ってたのを鵜呑みにして。
  もっときちんと話を聞けばよかった。 どうしよう? どこへ行ったんだろう?」
類「つくしの所為じゃない。 光音が純粋すぎたんだ。 そして多分、もがいているんだと思う。
  自分の気持ちの行き場を探してさ。 それより、ここからどこへ行ったんだ?
  とりあえず、あきらと総二郎にも電話をしてみるよ。 もしかして、あいつらに救いの手を伸ばすかもしれないし」

つ「うん、、」
類「後、、警察に捜索願を出そう。 事故にでも遭ったら、シャレにならないからね」

事故と言う言葉に、つくしの身体は震えだす
そのつくしの肩を、しっかりと抱き寄せ、類はあきらに電話をした
次に、総二郎に電話をする

類「総二郎! そっちに光音が行ってない?」
総「光音? 一人でか? 来てねぇぞ?」

類「そう、、、」
総「どうかしたのか?」

類「実は、、いなくなったんだ」

総二郎は絶句し直ぐに言葉が出ない
類「今日、幼稚舎で、、親子は結婚できないと知ったらしくて、、それで相当ショックを受けたみたいなんだ」

もちろん総二郎も、その時の光音のショックは痛いほど判る
だから今まで本当の事が言えなかったのだから

そしてふとクリスマスプレゼントの事を思い出す

総「あっ、、もしかして、、、あのマンションなんじゃね?」
類「マンション? それどこ?」

総「俺個人のマンションだよ。 とりあえず、そこに行ってみるわ」
類「俺達も行く! 住所教えて!」





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2018/07/19 (Thu) 14:00
りおりお

りおりお

Re: り~様

光音君は、ショックを受けています
じゃあ何で今まで誰も教えてくれなかったの?と疑問にも思っています
それを確かめるために、総ちゃんがくれたマンションへ向かいました

からかって遊んでいたんじゃ?と思ったから

光音君が居なくなって、類君もつくしちゃんも、そして光音君を煽っていた総ちゃんもあきら君もビックリです
でも、皆も本当の事が癒えなかったんですよね
純粋に、つくしちゃんの事を思っていたから、、

さて光音君、これを乗り越えられるかな?

2018/07/19 (Thu) 14:53
りおりお
Admin: りおりお
こちらは二次小説『類つく』のお部屋となっております
そういった類の物が嫌いな方は、回れ右をしてご退場ください
ヤフーブログ『類❤だ~い好き』から引っ越して参りました
引き続き類君とつくしちゃんの幸せな姿をお届けできればと思っております
尚、ブロ友は現在受け付けておりません
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