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Ti amo<完>

41 暗雲

8
類とつくしは、ランペドゥーザ島を後にし、シチリア島に戻ってきた
ここから島を横断し、リパリ島行きの船乗り場へ向かう

少し早く港に着いた二人は、リサとビアンカ一家にお土産を買う事にし、近くの店を散策し始めた
そこでつくしは、いろんな形のマグネットを見つける

ビアンカの冷蔵庫には沢山のマグネットが付いていた
つまりマグネットを収集しているのでは?と考え、類に相談しようと振り返る

すると、つくしの目の前を栗色のフワッとしたロング髪の女性が横ぎった
途端、つくしの脳裏にある一コマが飛び込んでくる

――今より若いルイが、栗色の髪の綺麗な女性とキスをしている映像

ドキドキと、つくしの鼓動が早くなる

何? あれは一体、、何?

記憶を失くしてからと言う物、漠然と駆け落ち説を信じていたが、もしかしてルイには恋人がいたのでは?
そして私とは単なる友人だったのでは?と、初めて疑心が生まれる
視線を自分の左手に向けると、そこにはきらりと輝くリングがある

どうしよう、、
既に時が過ぎている、、

もし、ルイが記憶を取り戻したら、きっと後悔するはず
その時、あたしは?
それを思うと、足元がぐらつく様な不安に苛まれる

類「ツクシ?」

後から声をかけられ、つくしはハッと振り向く

類「どうかした? ボーとして、、」
つ「あっ、ううん、何でもない。 あのね、ビアンカのお土産なんだけど」

つくしは、類にマグネットを見せる

類「確かに、あの家には大量にマグネットがあったし良いんじゃない? それにこれ、シチリア限定の柄みたいだし」

ルイの言葉がどこか遠い物のように感じる
もし、類に恋人がいたら、、
もし、記憶が戻ったら、、

ルイのバイオリンを聞いた時、確かにその音色と聞いた事があった
だから安心した
――私達は付き合っていた
そう確信した

でも先程浮かんだ残像も、確かにこの目で見た物だ
何で他の女性とキスを?
ルイは私の恋人だったんだよね?

つくしは、マグネットを選んでいる類を見る

こんなにカッコ良い人が、平凡すぎる私を選ぶとはとても思えない
きっと、あの綺麗な女性が恋人、、
この生活は、きっとどちらかが記憶を取り戻した時に破綻する

類「ツクシ、、俺達も記念に一個買う? ツクシ?」

自分の思考に入っていたつくしは、再び八ッと我に返る

つ「あっ、ごめん」
類「どうかした? さっきから変だよ?」

つ「ううん。 何でもない。 えっと旅行の記念にはコレにしよ?」
類「ん、、それと、リサにはこれなんてどう?」
と、リモンチェッロ(レモンリキュール)を見せる

類「これ、シチリアが有名らしいよ?」
つ「じゃ、それにしよ? それと、あのお皿も買って良い? 凄く可愛いよね?」

つくしが指差したのは、一面に描かれたアートのようなカラフルな皿だ

類「陶器も有名だよな。 じゃ、それも買おう?」

こうしてお土産を手に、リパリ島行きの船に乗った
その船から、ボーと海を眺めるつくし
やはりどこか様子がおかしいと類は感じる

類「どうかした? 疲れた?」
つ「ううん。 楽しかったなぁ、、と思って」

なんだ、、余韻に耽っていただけか?と、それを聞いて類は安心する

類「ん、、楽しかったな。 でも、この距離なら、また行けるし」

つくしは、『また行ける』と言う言葉を、心の中で繰り返す
また行きたい
類とまた、、

つくしは、類の肩に頭を預ける
すると優しく肩を抱き寄せてくれる

『また』を期待してはいけない
この幸せを永遠の物と勘違いしてはいけない

もし、ルイの記憶が戻り、困った顔をするならば、、、潔くこの手を離さないと、、


リパリ島に着いた二人は、一度荷物を置き、その足でリサとビアンカの元へお土産を持って行く
リサには、休日を貰ったお礼を述べ、ビアンカの家では、ユーリにランペドゥーザの海の素晴らしさを詳しく話した

そして帰宅してからも、つくしはチョコマカと動き回る

類「今日ぐらいゆっくりしよう? 疲れが出るよ?」
つ「うん。 でも荷物だけ片付けたいから。 あっ、ルイは先にシャワーを浴びてて?」

類「ん、、分かった」

類がシャワールームから出ると、つくしは窓辺に座り空を見上げている
その姿は、今にも消えてしまいそうなくらい儚げだ
昨日までこんな風だっただろうか?と思う

類「つくし?」
つ「あっ、シャワー終わった? じゃ、私が入るね」

つくしは笑みを見せながら、類の横を通り過ぎるが、類はその手をサッと掴む

類「あんた、、何かあった?」
つ「ん? 何も?」

類「かなり疲れてる?」

すると笑いながら、、
つ「疲れてる。 だって、凄く愛し合ったんだもん。 おかしいぐらいにね//// ふふっ、、シャワーに行って来るね」

つくしは、心配をかけないよう明るく遣り過ごす
類も、そう言われるとこれ以上何も言えない
なぜなら、かなり疲れさせた自覚があるからだ

類「新婚旅行って事もあるけど、水着にそそられたし、何時にもましてつくしが可愛く見えるし、、
  俺って、どれだけ盛ってんだろ? でもそれだけつくしに魅了されているんだよな」
と、ポツリと呟いた




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8 Comments

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2018-09-22 09:34

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りおりお
Re: まりぽ~様

りおりお  

2018-09-22 09:59

ここにきて、つくしちゃんの記憶の一部分が思い出されました
それは、にっくきS嬢と類君のキスシーン(←私がイラッとするシーンです(笑))

そこから急に不安になりました
過去は関係ないと言って、今こうして幸せに暮らしているけど、もし記憶を戻した時、類君は後悔しないだろうか?と
それはやはり、チラリと思い出したS嬢が完璧な女性だからでしょうね
容姿なんて完璧ですから

でもつくしちゃん!
類君は、つくしちゃんの事が好きなんだよ!!
ずっと昔っからね!!
と教えてあげたいですね

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2018-09-22 11:07

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2018-09-22 11:12

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Re: り〜様

りおりお  

2018-09-22 11:32

記憶をなくしてから、初めて不安を覚えたつくしちゃん
ほんの一欠片の記憶ですが、そこには類くんときれいな女性が…
もしかして?その人が恋人では?と思ってしまうほどで…

確かに駆け落ちしたと思い込み、こうして結婚し夫婦として暮らしているし、凄く順調ですけど、このままで良いのか?
記憶をもどしたとき、類くんが後悔するのでは?

そのつくしちゃんの不安に、類くんは気づくのでしょうか?

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Re: キャ〜様

りおりお  

2018-09-22 11:36

一欠片の記憶を思い出しました
しかも、何という記憶なんでしょう…
やはり、つくしちゃんにとってS嬢は鬼門です
自分には敵わないと、白旗を上げる人物ですからね
そこから不安になっています
もしかしたら?
類くんはその女性と付き合っているんじゃ?

その不安に、類くんは気づくのか?
そしてどうするのか?
つくしちゃんは、もっと沢山の記憶を戻すのか?
お楽しみに〜

出来れば、類くんとのNYのシーンを思い出して欲しかったなぁ

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-  

2018-09-23 17:13

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りおりお
Re: さとぴ~様

りおりお  

2018-09-23 17:47

つくしちゃん、、
確かに一番思い出さなくて良い映像を思い出しました
これ、、私も記憶の片隅にずっと残ってる(笑)

原作でも、類君とS嬢の遣り取りをすっぱり撤去してほしい(笑)
そうすれば、つくしちゃんと類君が両想いになったはずなのに、、
司君が横やりを入れても、類君の虚無感を何とかすべく奮闘したんじゃないかなぁ
それが、、S嬢が現れたばかりに、、、<(`^´)>
と、何時までも言ってしまいます

そしてつくしちゃん、、
S嬢を崇拝していますからね
そして自分では太刀打ちできないと言う劣等感を持っています

でもS嬢より性格は随分良いんだよ~
と教えてあげたい

だから気にしないで、ラブラブしといて~~と願わずにはいられません

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