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L.U.V<完>

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病院へ着くと、佳代が俺の到着を待っていた

その佳代も、ただ俺に頭を下げるだけで、何も言わない


「佳代、、牧野は?」
そう問う俺の声は、かすれていた



頼む
目が覚めたと言ってくれ
もう大丈夫だと言ってくれ


でも、、それはあり得ないとすぐに思い直す

あの時見た光景は、、
かなり重症だと分かるのだから



「こちらです」

そうか、、

やはり、、そういう事か


佳代は、病状を言わない
それが牧野の様態を示している

落ち着け
落ち着け


今はまだ、取り乱すべきじゃない
まだ何もわからない

牧野は俺を置いて行くわけがない



エレベーターに乗り込み、牧野の待つ部屋へ向かう
そして軽くノックをし、その部屋を開けると
沢山のチューブに繋がれた牧野の姿があった


顔色は青白く
酸素マスクをつけた姿で眠っている


そして、そのベッドの横に、牧野の両親と弟が呆けたように座っていた


「ま、、きの? 牧野? 俺、、来たよ? ねぇ、、牧野?」
静かな部屋に、俺の呟く声だけが聞こえる


でも牧野は何も声を発さない
目も開けてくれない


そんな俺に、牧野の弟が話しかけてくれる

「類さん、、どうぞ座ってください」
と、パイプ椅子を勧めてくれる

その言葉に応えるように、その椅子に座り、牧野の頬に手を添える


温かい


「手術は終わったんです。でも、、まだ予断を許さない状態で、、」
「すみません。 俺が、、俺が先にホテルへ行っておけ!と言ったばかりに、、」

「いいえ、類さんの所為ではないです」
「でも、、牧野を刺したのは、、、俺の、、俺の幼馴染で、、」

「えぇ、、お聞きしました。類さんの幼馴染の御嬢さんだとか」
「すみません。 本当にすみません」


俺の所為だ
俺が、、フランスから帰るとき、、静に対して色々な事を言った

本当の気持ちを告げたのに、、
プライドの高い静にとっては、耐えられないことだったんだろうか?


牧野を守ると誓ったのに、、

誰も、俺らを引き裂くことはできないと思ったのに、、
俺の愛で、世界の果てまで牧野を守ると、、
そう誓ったのに―――


守ることが出来なかった
守れなかった


ごめん
ごめんな



「類さん、、これ、、」
と、俺の前に、袋を差し出す
そこには、リボンがつけられている


「警察の方が、つくしの荷物だと言って、持ってきてくださったんです。
これ、つくしが嬉しそうに持って行ったんですよ。
類さんの誕生日だったんですよね?」


そうだった
昨日は、、俺の誕生日だったんだ



それを受け取り、その場で中を開けていく

すると、、
ワンショルダーのリュックが出てきた

それと共に、、メッセージカードも

< 花沢類へ
 誕生日おめでとう
 これからもよろしくね >


牧野、、
あんたの手から、これを受け取りたかった



ギュッとそのリュックを胸に抱きしめる

くっそ!!
くっそ!!
くっそ!!


ギュッと唇を噛みしめる
何も出来なかった
守る事も出来なかった
後悔ばかりが押し寄せる

でも、、
今、、牧野は、戦っている


布団の上に置かれている牧野の手を、そっと握る

「牧野、、、ありがと。 
きちんと受け取ったから、、これでまた、公園へ行こうよ。
きっとあんたの事だから、このリュックに財布と携帯を入れておけって言いたいんだろ?
ズボンのポケットじゃ、落とすかもしれないって言いたいんだろ?
だったら、、きちんとリュックに入れているかどうか確かめてくれなきゃ、、
ねっ、、だから、目を開けろよ」


その呟きにも、何も応えてくれない

ただ、、
ただ、、


眠ったように目を閉じている



どれくらいそうしていただろうか、、
あきらと総二郎が入ってきた

「類、、」
「悪いな、お前と入れ替わるように、警察に呼ばれてさ」


それから二人は、牧野の両親と弟と何かを話し、、
「ちょっと、三人を食事に連れて行くわ。 後で、交代するからさ」
「あぁ、、」

そっと肩を叩かれ、出ていくあきら

分かっている
根を詰めるなって事だろ?
自分を責めるなって事だろ?


でもさ、、
それは無理ってもんだろ?


牧野の額をそっと撫でる

「忘れないで、、

牧野がいない未来など、、俺が描く未来にはないんだよ
俺が進む道には、、いつも、、いつでも牧野が隣にいる

だから、、
だから、、

俺を置いて行くなよ

俺を置いて、、遠くへ羽ばたくなよ

どんな牧野でも、、
どんな牧野でも、、

俺のすべての愛を注ぐから、、
その注ぐ相手がいないんじゃ、
俺はどうすればいいのさ


だから、、

俺を置いて行くな
戻って来い!

牧野、、

愛してる
愛してる

愛してる、、」


いつもは牧野の涙を拭っていたのに、、
今日は、俺の瞳から、ポツリと涙が零れ落ちる


すると、、
眠っている牧野の目尻からも、ポツリと一粒の涙が零れ落ちた


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6 Comments

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-  

2017-01-26 09:05

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-  

2017-01-26 09:28

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ノエ様

りおりお  

2017-01-26 09:41

こんにちは

類君からは、後悔の言葉しか出ません
でも、類君が悪い訳では無い

類君だって、一生懸命だった
初めての恋に、きちんと真面目に向き合っただけ
だから、憧れていた静に対し、きちんと自分の気持ちを告げただけ
それはやはり、お世話になった女性だから
だから、きちんと関係を断ち切りたかっただけ

何一つ間違っていない
でも、、上手くいかなかった

つくしちゃんの耳にも届いているかな?
類君の切実な思いが、、

そして、、もう一つのブログでも本日、静の登場
沸点が上がりますね(笑)

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凪子さん

りおりお  

2017-01-26 09:45

類君、、後悔しまくっています

でも、類君が悪くない
自分の気持ちを正直に告げただけ
御世話になった人だから、、
いい加減な事をしたくなかったから、、

それでもこうなってしまった原因は自分にあると、やはり責めている類君
つくしちゃんも、この類君の心の叫びが聞こえているかな?

ガンバって欲しいですね
類君を一人にさせないで欲しい


しかし、、静、、やはり、、嫌いです~~
(あんたが嫌いにさせているんだろ~~と言うツッコミは無しね(笑))

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-  

2017-01-27 16:05

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さとぴ~様

りおりお  

2017-01-27 16:54

類君の叫びにも似た言葉

確かにグッと来ますよね
でも、、きっとそうなんです

『牧野がいない未来など、俺が描く未来にはないんだよ。
俺が進む道には、、いつも、、いつでも牧野が隣にいる』

私の描く類つくは、こんな感じです(*^_^*)

そして松村和子の『帰ってこいよ』
良く知っています、、、けど、、
いやいや、、ここでそれを思い出す~~~(@_@;)
こんな所で、さとぴ~様の人柄をまざまざと見せつけられた感じです(笑)

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