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Ti amo<完>

47 嬉しい知らせ

22
田村はベランダへ出る
そこにあるガーデンチェアに腰をおろし、景色を眺める
その先には、海が見え心地よい風が吹いている

良い所だ
ここでなら、お二人ものんびりと暮らしていけるだろう
だが類様は花沢の跡取り
会社にとって必要不可欠の人物

その類様の幸せは牧野様と共に暮らす事
ならば、私が社長を説得しなければ、、

田村は、気持ちを奮い立たせ聡の携帯をコールした

聡「田村か? 類は見つかったのか?」
田「はい。 元気で過ごされております」

一呼吸の後、ホッと安堵する聡の声が聞こえる

聡「おぉ、、そうか。 怪我とかは無いんだな? ご苦労だった。 それで牧野さんは? 牧野さんも一緒なのか?」

一緒も何も、既に結婚されております
と、お話しても大丈夫だろうか?
と、一抹の不安がよぎる

田「どうして牧野様と御一緒だと思われたのですか?」

聡「実は、美作のジュニアから、牧野さんもイタリアで行方不明になっていると類宛てに連絡があったんだ。
  それを知った時、類が牧野さんを幽閉している可能性もあると思い、一刻も早く事実を知る必要を感じ、
  美作社長に頼み、裏社会が関係していないか調べてもらった。 
  その結果、類と牧野さんを海に放置したと報告があった。
  類が生きているのであれば、牧野さんも生きているだろうと思ったのだが、、どうなんだ?」

田村は、聡の息子を思う気持ちに胸を打たれる
確かに色々な事を想定し、類様の狂気じみた犯行までも視野に入れた時、のんびり構えていられないと判断されたのだろう
それもこれも、牧野様の身の安全の為、、
第三者に依頼する事で、真実が明るみになるのは相当の覚悟があった事だろう

その心根に『きっと何とかしてくれる』と言う思いを強くする

田「牧野様もお元気です。 決して幽閉されている訳ではありません」
聡「そうか、、良かった。 本当に良かった」

かなり安堵した声が田村の耳に届き、思わず鼻の奥がツンとなる

聡「連絡の一つも寄越さず、何をやっていたのか分らないが、取り敢えず明日にでもこちらに、、」
田「申し訳ございませんが、それはまだ出来ません」

田村は、聡の言葉を遮る
上司の言葉を遮る事は、部下としてはやってはならない事だ
その上、上司の命令に逆らう発言だ

相当の覚悟を持っていると、聡も瞬時に判断する
そして、、何があったのだ?と疑心を持つ

聡「どういうことだ? 類も牧野さんも元気なんだろう?」
田「実は、お二人は記憶を失くしておられます」

聡「えっ?」
田「お二人は、小船に乗っていたそうで、目を覚ました時には過去の記憶が無かったそうです。
  それでも二人で手を携え生活し、その過程で愛が生まれ既に夫婦として暮らしております。
  類様が申しますには、牧野様を妻と認め、二人の生活を壊さないと誓うのならどこへでも行くが、
  そうで無いのならこのままそっとして欲しいそうです」

聡「その話は本当だな? 類の演技や言い訳ではないんだな?」
田「はい。 真実でございます」

田村の発言に、聡は一呼吸おく

聡「そうか。 それじゃ早く手続きをしよう。 牧野さんの家族にもすぐに知らせて、安心させてあげなければ」
田「早く、、手続き、、ですか? と言う事は、、」

聡「もちろん、二人の入籍手続きだ。 あいつの事だ。 きっと牧野さんに盛っているんだろう?
  早くしないと、子供が生まれるかも知れんだろ?」

田村は驚く
と同時に、息子の願いを叶えてやりたい親心だと判る

田「と言う事は、お二人の結婚をお認めに?」
聡「もちろんだ。 楓さんと牧野夫妻には私が頭を下げに行く。 だが、少し時間が必要だ。
  それまでの間、田村は二人の様子を見守っていてくれ」

田「ですが、道明寺社長がすんなりと引きさがって頂けるでしょうか?」
聡「もとはと言えば、道明寺側が牧野さんにイタリア行きのチケットを送った事で今回の事件に至っている。
  それに、行方不明になった牧野さんを、碌に探しもしないでサッサと死亡した事にしている事実。
  これを見る限り、楓さんは牧野さんに拘っていない。
  その点、牧野さんのご家族は、道明寺側から既に亡くなっていると知らされ、塞ぎこんでいるらしい。
  一刻も早く生きている事実を伝え、その上で類との結婚を認めて貰う様説得しなければならない。
  こちらの方が、かなり時間がかかりそうだ。 とりあえず、頭を下げてくるよ」
 
田村は感無量だ
何もかも、田村の願いどおりに進んでいる

聡「ところで、そろそろ類の居場所を教えてくれないか? 
  お前の事だ、私が二人を引き離すつもりと知ったら、急いで二人を隠すつもりだったんだろ?」

田村の心情を何もかも知っている社長に、田村は驚くばかりだ

田「申し訳ございません。 類様の幸せは、私の幸せでもありまして、、」
聡「あぁ、、類の一番の腹心は、お前だからな。 これからも、類と牧野さんを頼むぞ」

田「ありがとうございます。 お二人はリパリ島のホテルで働いておられます。
  あの人見知りの激しい類様が、フロントやコンシェルジュをされており、牧野様は掃除業務を担当されています」




田村の報告に、聡は心底安堵した
そして、田村との電話を切った後、直ぐに麗にも報告する

その麗も、電話口で感極まり泣き始め、直ぐに入籍に向け準備をすると張り切り始めた
その姿に、聡もやっと笑みを見せる

美作社長からの報告書が、グッドタイミングだった
何も知らなければ、きっと私は二人を引き離していただろう
いくら記憶を失くしているとはいえ、類と司君は親友だ
そして牧野さんは司君の婚約者
記憶が戻った時、二人はかなり後悔する事が目に見えている

だが、二人がこうなったのは大河原の身勝手な企みのせい
そしてターゲットは司君
楓社長は何も知らないのだろうか?
会社の為だけに司君と大河原の一人娘との結婚を望んでいるのだろうか?
本人たちの気持ちなど無視して、大河原の企みに呑み込まれるつもりだろうか?

まあ、あちらはどうなっても良い
こうして報告書で黒幕まで上がっていると言う事は、既にマフィアが触手を伸ばしているはず
こちらが報復手段に出るまでも無いと言う事だろう

少なくとも、類が無事だった
それだけで良しとしよう
そして息子の願いは牧野さんとの未来なのだから、気兼ねなく牧野さんを貰い受けるとしよう
類にとって、身を挺してまで守りたい大切な女性なのだから


聡は受話器を手に取り、牧野家に電話をかけた

聡「初めまして。 私、花沢類の父親の聡と申します」

突然の電話に、千恵子は驚く物の、それはすぐに歓喜へと変わった



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22 Comments

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2018-09-28 09:26

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2018-09-28 09:27

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2018-09-28 10:22

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2018-09-28 11:00

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2018-09-28 11:04

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2018-09-28 11:16

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2018-09-28 13:37

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りおりお
Re: mayumi~様

りおりお  

2018-09-28 13:55

類パパは、今回の真相を知っていますから、類君の希望なら、、と、類君の気持ちを尊重するつもりですね
やはり、身を挺して守った女性ですし、記憶を失くしてもなお、その気持ちは変わらない
その上で、つくしちゃんを妻と認めてくれるなら、、と言うのであれば、そうしてあげよう
と言う親心でしょうね

とにかく、、類パパは話の分かる人で良かった
そしてすぐに牧野家に連絡を入れるところも素敵ですよね

花沢家では、受け入れ態勢万端のようです

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-09-28 13:59

こちらも久しぶりの快晴です
朝から洗濯物を干し、布団を干しと忙しかったです
そして明日から雨
しかも明後日は台風
もう前回のような大荒れは嫌だなぁと思う次第です

そしてお話、、
類パパは、話の分かる人のようです
と言うか、類君の想いに深く感銘したんでしょうね
自分を犠牲にしても守りたい女性
記憶を失くしても、その愛は変わらない
それ程好きな女性ならば、何とかして力になってあげたい、、
と思うのが親心

つくしちゃんの家族にもすぐに連絡
後は、楓さんをどうするか?かな?
一応、婚約者って事になりますし、いつどこで司君にバレルか分りませんからね
隠し通せるものでもないですし

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りおりお
Re: maru~様

りおりお  

2018-09-28 14:02

初めまして
楽しみにして頂きありがとうございます<(_ _)>

今回は、類パパがホントに素敵なパパだな、、と分かるお話でしたね
それもこれも、美作からの報告がグッドタイミングだったと思います

それに田村さんも良い仕事をしていますよね
取り敢えず類君とつくしちゃんが生きていることを報告し、類君の希望を伝えた上で、聡の反応を見る
その反応が良くない物であれば、田村さんの力で二人をどこかへ?と考えていたのでしょう
それだけ類君に忠誠を誓っている田村さん

類君もそんな田村さんだからこそ、仕事を頑張って来れれたのでしょうね
さて、、この後どうなるのかな?
是非これからも楽しんで下さいね

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りおりお
Re: ゆきた~様

りおりお  

2018-09-28 14:05

田村さんからの報告を受け、聡は直ぐに動きました
まずは、つくしちゃんのご両親への報告です
これも素晴らしい事ですよね
真剣に、つくしちゃんを類君の嫁にと考えての行動だからです

普通なら、楓さんに報告して、それから、、となるはず
仕事を抜きにして、本当に類君の事を思っての行動です

良かったね類君
そして牧野家も、花沢家に頭が上がらないでしょうね
道明寺よりも信じられる相手だと思う筈ですよねぇ

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りおりお
Re: キャ~様

りおりお  

2018-09-28 14:08

田村さんも、ホッと安堵した事でしょう
そして、そんな上司に仕えて来た事を誇りに思ったかも?

息子が行方不明になり、ずっと心配していました
ずっと探し続けていました
それを知っていますしね

そして類君の意思を尊重し、直ぐにつくしちゃんを妻と迎える為に行動を起こしました
類君、つくしちゃん、、良かったね
特につくしちゃんにとっては、道明寺へ嫁ぐよりも良かったと思います
楓さんよりも、聡と麗の方が人情味がありますものね

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-09-28 14:12

類君の希望通り、つくしちゃんを妻として認める為に、早速動きはじめました

これも、美作の報告書のおかげ
もしその報告書が無ければ、楓さんに事実を告げ、どうしたものか?と相談したはず
でも、聡の独断で決めました
あちらは既に死んだと思っているし探す気も無い
会社の利益に繋がらない人間は、司君の傍には必要ない
と言う、会社有り気の考え方だから
それが分かったため、サッサとつくしちゃん確保に動きます

でも類君の妻となった場合、何時までも司君に隠し通せませんからね
その辺はどうするのでしょうね

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りおりお
Re: まりぽ~様

りおりお  

2018-09-28 14:17

聡は、類君の希望通り動きましたね
それはやはり、息子の幸せを願っているから

本来ならば、楓さんの了承を先に取る所でしょうが、あちらは既に死んだと思い込み捜索もしていない
利益に繋がらない人物は、サッサと排除する
それが良く判った楓の行動ですよね

でも、類君の妻となれば司君に隠し通せない
その辺をどうするのか?
まだまだ聡にはやる事が残っているようです

そしてまずはつくしちゃんのご両親に連絡を
こちらも、つくしちゃんは死んだと思っているし、とにかく安心させなければ、、と言う、子供を持つ親としての当然の思い
さて、牧野家はどう反応するのか?

是非明日も楽しんで下さいねぇ

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-09-28 14:20

台風、、嫌ですねぇ
前回のような被害が無いと良いのですが、、

我が家のテレビの線がアンテナから外れ、ビロ~ンと垂れ下がったまま
関電に連絡しても、なかなかつながらず、二週間後にやっと繋がったのですが、今復旧作業に忙しくて、、
と言う理由で10月中旬ごろまで修理に来れないとか
それなのに、再び台風
お願いだから強風は吹かないで~と祈っています

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りおりお
Re: さとぴ~様

りおりお  

2018-09-28 14:26

聡は、良い人ですよね

部下にも労いの言葉をかけ、お礼の言葉も告げる
だから田村さんも頑張れるし、伸び伸びできる?

そして、類君の事を良く判っている聡
つくしちゃんの事が好きと分かっていても、まさか危険を顧みず助けに行くほど!とは想定外だったのかも?
記憶喪失になり、夫婦として生活をしていると聞いた時、それ程の相手なら、盛りまくっているはず、、と思う聡は凄いですね
って言うか、記憶が無いからこそ素直に行動できると感じているのでしょう
記憶がれば、自分の気持ちをひた隠しにし、親友と言う一線を引いての付き合いでしたから

楓さんに報告するのも、取り敢えず筋を通すって事でしょうね
楓さんは納得していなくても、一応司君の婚約者ですし、類君の妻として迎えた暁には隠し通せませんからね

大河原の方は、、聡が手を出すまでも無い、、と思っているのかも?
と言うか、マフィアが絡んでいると判った時点で、手を出さない事を決めたのかもしれません
それだけ危ない人達って事なのでは?

さて、、聡の行動にも目が離せませんね

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2018-09-28 17:04

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Re: ミキッ〜様

りおりお  

2018-09-28 21:06

類パパ&類ママは、吉報に嬉しさを滲ませています
そして、記憶喪失と言う事実
だから連絡をして来なかったのか…と納得したでしょう

そして、類くんの願いを叶えるべく、直ぐに動きました
行方不明になって約二ヶ月?
いつまでも仕事に穴を開けるわけにはいきませんしね
それに、類くんが身を投げ売っても助けたかったつくしちゃんと、記憶をなくしても一緒に暮らしている事実は、アッパレ!としか言えませんよね
それだけ類くんが好きな人って分かったのでしょう

つくしちゃんの家族も、生きていると聞いて喜んでいるかな?

明日も楽しんでくださいね

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2018-09-28 21:50

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りおりお
Re: mizuta~様

りおりお  

2018-09-28 22:14

類パパは、類君の気持ちを尊重して直ぐに動きました

既に美作からの報告書を貰い、行方不明になった経緯が判りました
そこには、類君もつくしちゃんも何の落ち度もない
それなのに、、同じ親を持ち物としては腹立たしい事

でも、大河原のやった事に、制裁を求めるつもりはないようです
マフィアの恐ろしさを知っているからでしょうね

そして楓さんには、筋を通すつもりでしょう
つくしちゃんと一緒にさせると言う事は、司君から奪うと言う事ですからね
楓さん自身には、つくしちゃんに魅力は感じていなくても、司君がどう動くか判りませんからね

でもまずは、類君の希望通り、つくしちゃんとの結婚に向けて動くようです
そうしないと仕事に戻ってこないですからね
早くしないと、、

それもこれも、類君の強い思いを知っているからでしょう
つくしちゃんが襲われた時、迷わず助けに入った類君
自分の身も顧みない行動ですが、それだけ好きな人って事ですからね
記憶を失くしても、その思いが変わらないんだから認めるしかない

さて、、話しが動き出しました
明日もお楽しみに

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