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さくらいろ

194 羽音にご用心

2019/03/01
LET'S AFTER ♫<完> 6
花沢家は8月末、二年間過ごしたイタリアからフランスへ引越した
そして9月から類はフランス支社長となり、華音は中学二年、光音は中学一年、心音は小学三年となり、羽音も幼稚園へ通わせる事となった
というのも、フランスでは小学校へ上がるまでの三年間も、幼児教育として通わせるのが普通だからだ

日本と違う点は、小学校が五年間、中学校が四年間、高校が三年間となり、小学生から落第や飛び級がある点だ
その学校が始まる前、類は子供達を前に告げた

類「飛び級はしなくて良いけど、落第はしない事!
  もしフランスの学校に馴染めないようなら早めに言う事!
  日本語学校もあるから心配いらない
  華音と光音はフランス語は大丈夫だと思うけど、ココはどう?」
心「入ってみないと判らないけど頑張る!」

類「ん。 それで一番の問題は羽音だよな」

皆は羽音に視線を向ける
そこには今も『おっぱい』を持った羽音の姿

華「『おっぱい』を持って行くって言わないよね?」
心「でも取り上げようとしたら叫ぶし、大暴れするし」

イタリアからフランスへ来る祭、類がこっそり取り上げようとしたのだが、大声を上げ暴れまくった
それから片時も離さなくなった

光「それに言葉は大丈夫かな? フランスの子供達と馴染める?」

羽音はイタリア語と日本語を半々に話す
フランス語教育は未だ一切していない
その為、使用人との意思疎通も上手くとれないが、そこは愛嬌の良さでカバーしている

光「仕方ない。 僕がなんとかしようか?」
類「出来る?」

光「とりあえず『おっぱい』を外へ持ち出さないようにすればいいんだよね?」
類「まあ、、そうだな」

光「じゃ、ちょっと行ってくる」

光音はサッと羽音の元へ行く
そこには、麗と遊んでいる羽音の姿
その横に『おっぱい』が置かれている

光「おばあちゃん。 今日もハオと一緒にお風呂に入ってくれる?」
麗「えぇ、、良いわよ」

光「ハオ! ちょっとおいで」
羽「ん? なあに?」

光「おばあちゃん。 ちょっとハオ借りるね」
と言いながら、羽音と連れ自分の部屋へ連れていく

光「ハオ。 幼稚園ってどんな所か知ってる?」
羽「んとね。 たくちゃんの子供達とあちょぶところ」

光「そうだね。 遊んだり、本を読んだり、絵を描いたりするんだけど、『おっぱい』は持って行けない」

その言葉に、羽音は手にしている『おっぱい』をギュッと胸に抱きしめる

羽「鞄の中に入れて持って行く!」
光「持って行くと誰かに捕られるかもよ?」

羽「えっ! これはハオの!」
光「だったら持って行かない方が良い。 それにね、その『おっぱい』はもともと僕がサンタさんから貰った物なんだ」

羽「えっ? にいにの?」

初めて知ったのか、目を丸くして驚いている

光「そう。 でも僕はその『おっぱい』は嫌いなんだ。 だってママの胸の柔らかさとは全然違うからね。
  でもハオは偽物の『おっぱい』の方が好きなんだ」

すると羽音はフルフルと首を横に振る

羽「ハオもママのおっぱいがちゅき。 でも、ちゃわらせてくれないし、吸えない」
光「だね。 ママの胸はパパの物だし、今は詩音が吸っているしね。 でも、ママ以外の胸なら触れるし吸えるだろ?
  おばあちゃんの胸とかさ。 それにハオは母乳を卒業しているんだし、いつまでも吸っていたらおかしいよ?」

羽「うん」

羽音はしょんぼりとする
その姿を見て、光音はすかさず告げる

光「もし『おっぱい』から卒業するなら、ハオにとっておきの魔法の言葉を教えてあげる」

すると、パアッと瞳を輝かせる
その分かりやすい表情の変化に、光音は笑いを堪える

羽「おちえて!」
光「分かった。 じゃ『おっぱい』から卒業だね」

すると羽音は手にしていた『おっぱい』を光音に差し出す
その羽音の頭をヨシヨシと撫でながら、、

光「魔法の言葉の後にハグをしても良いけど、胸をモミモミしたらダメだよ?」
羽「どうちて?」

光「警察官に捕まるからね。 でもお風呂とかなら大丈夫。 裸の付き合い?ってやつで許されるみたい」
羽「はだかのちゅきあい? 分かった。 裸の時にモミモミちゅる」

光「じゃ、教えるね。 魔法の言葉は『Je t'aime』」
羽「じゅていむ?」

光「ちょっと発音が違うな。 Je t'aime。 Je、、Je、、t'aime、、t'aime」

光音は発音をしっかり教える
それまでイタリア語と日本語しか知らない羽音には、フランス語の愛していると言う響きが、本当の魔法の言葉に聞こえる
そしてキッチリその言葉をマスターした羽音

光「試しに使用人に言ってごらん? 
  きっと相手は照れると思うし、ハオが両手を広げると身を屈めてハグしてくれると思うし、キスも出来ると思うよ」
羽「分かった。 やってみる!」

羽音は元気良く部屋を飛び出すと、近くにいた使用人に早速魔法の言葉を使ってみる
すると今まで立ち止まる事も無かった使用人が足を止め、照れた顔で羽音を見る
その使用人にもう一度『Je t'aime』と告げながら手を広げると、身を屈めてハグをし頬にチュッとキスをした

昨日とはまるで違う使用人の反応に、羽音は魔法の言葉を信じ込んだ
光音はその様子を見ながら、、、ほんとに単純な奴、、、と思う
そして手にしている『おっぱい』を類の元へ持って行った

類「えっ! それどうした?」

類はビックリだ
光音が何とかすると言って部屋を出て、まだ30分足らずだ
それなのに、『おっぱい』が回収できているのだから

光「『おっぱい』から卒業出来たけど、ハオの素行には気を付けた方が良いかもね
  まあ幼稚園の間は可愛いで済まされるけどさ」

類はどう言う事だ?と思いつつも、『おっぱい』が回収できた事にホッと安堵した



その日のバスタイム
羽音と一緒に入った麗は、真っ赤な顔で出てきた
そしてつくしに一言

麗「ハオ君には気を付けた方が良いわ。 とにかく女性関係には要注意よ!」
と助言する

一方の羽音は満面の笑みで、光音に告げる

羽「おばあちゃんのおっぱい、柔らかかった」



そして三日後、、
麗は羽音から逃げるように日本へと帰って行った




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Comments 6

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2019/03/01 (Fri) 09:31

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2019/03/01 (Fri) 09:40

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2019/03/01 (Fri) 10:57
りおりお

りおりお

Re: ビオ~様

羽音君は、光音君には敵いませんね
というか、光音君はホントに話の進め方が上手いです
類君以上ですね

そして羽音君
今はプレイボーイですけど、それも変わってきそうですね
お姉ちゃん達は純粋ですし、一人の男性だけを思っていますから

周りにフラフラした人がいないので、その内、、まともになりそうですよねぇ

2019/03/01 (Fri) 11:12
りおりお

りおりお

Re: ゆきり~様

羽音君の技量は確かな物のようです
麗さんもビックリしていましたし!!
かなりのテクニシャンに育っています(笑)

でも、光音君が上手く手綱を握りそう
上手く軌道修正してくれるのではないでしょうか?

幼稚園ぐらいまでは何しても許される年頃ですしね
それまでは、良し!としましょう

2019/03/01 (Fri) 11:13
りおりお

りおりお

Re: り~様

羽音君は、かなりのプレーボーイですよね
それに、そっち方面ではグイグイしそう?

でも今は幼稚園児です
まだまだ先がありますから(笑)

それに困った時は光音君に相談
何となくですけど、光音君なら簡単に羽音君をやり込めそうです
言葉巧みにね

光音君に言葉で敵う相手はいないと思います

2019/03/01 (Fri) 11:16
りおりお
Admin: りおりお
こちらは二次小説『類つく』のお部屋となっております
そういった類の物が嫌いな方は、回れ右をしてご退場ください
ヤフーブログ『類❤だ~い好き』から引っ越して参りました
引き続き類君とつくしちゃんの幸せな姿をお届けできればと思っております
尚、ブロ友は現在受け付けておりません
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