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LET'S AFTER ♫<完>

番外編③ (光音編①)

12
光音は今日も非常階段でボ~としていた
外は寒くなり、ラウンジで寛ろいだ方がマシなのだが、何故か此処に足を運んでいる

ラウンジには、以前F4が使っていた部屋が改装され、光音専用として用意されている
だが、そこに行く前に大勢の視線が注がれ「キャ~」という奇声が上がるのが好きではないし、特別扱いにも抵抗もある

そんな時に見つけたのがこの場所だ
吹き抜ける風は心地良く、暑さもしのげる場所だったのだが、逆に今は寒すぎる
でもここに来る理由は、ほんの少し心が温まる気がするからだろう

バタンッ!

ドアが開き、彼女が入ってくるのが分かる
俺が何も声を出さなければ話しかける事は無い
距離を置き、陽のあたる場所に座り込み、時間が来ると教室へ戻っていく

声を掛けると嬉しそうに、時には照れながら世間話や日常のたわいない話を少しするだけ
自分の話はしても、俺の事を詮索するような事は決してない
だから気楽にしていられる

しかし今日はかなり寒い

「寒っ」

光音はポツリと呟くと、スッと立ち上がる

「君も早く教室へ戻った方が良いよ。 今日は一段と寒いから」
「はい。 ありがとうございます」

クルッと振り向くと弁当を食べているようだ

「美味しそうな弁当だね」
「エヘッ、褒めてもらって嬉しいです」

「という事は、君が作ったの?」
「はい」

「凄いな。 じゃ行くね」

もう昼と分かり、光音もランチを食べるべくラウンジへ向かう
そこなら誰もに見られる事無く食事する事が出来る為、仕方なくだ

すると携帯が振動を始めた
表示を見ると『あきらおじさん』からだ
光音は直ぐ電話に出る

「あきらおじさん? どうしたの? 何かあった?」

常識人のあきらが、こんな時間に電話をかけるのは珍しい
以前あったのは、急な出張で今から出かける為、娘のあおを一日預かって欲しいと言う物
放課後、中一のあおを迎えに行き、一緒に帰宅した事がある

『光音。 お前、もう昼食は食べたか?』
「いや? まだだけど?」

『なら丁度良かった。 悪いけど大学部でランチを取ってくれねぇか?』
「大学? 何で?」

『藤堂商事って知ってるか? そこの娘が大学部にいるんだけどよ、お前と一緒に食事がしたいらしくてさ』

光音は、あからさまな溜息を吐く
こういうやり方は一番嫌いだし、両親もそう言う話は一切持って来ない
それが、、
両親と同様、俺の事を良く知っているあきらおじさんが持って来るとは、、

「切るよ」
『ちょっ、、ちょっと、待ってくれ! 俺だってこんな事、頼みたくねぇし、あおにバレたら殺されるから嫌なんだけどよ』

「なんであおちゃんに殺されるのさ」
『あっ、、いやっ、、とにかく今回だけ頼むわ。 俺じゃねぇんだけど仕事でミスした社員が、藤堂商事に助けられたんだよ。 それで礼を言いに行ったら、こうなっちまってさ。 もちろん一度だけランチするだけだし、その後一切会う必要ねぇから』

あきらおじさんがきっぱり断れないぐらい大きなミスを助けて貰った事が分かり、光音も悩む

「ほんとに食事をすれば良いだけだね」
『もちろんだ。 その後も何か言って来たら、きっぱり断ってくれ! でないと、、あおに顔向けできねぇ

語尾は消え入りそうな声で、光音の耳には届かなかったが、とにかく一度だけランチをすれば、あきらおじさんの面子が保たれる事だけは判った

「分かった」
『すまねぇ』

「貸し一つだから!」
『分かった。 悪いけど頼むな』

「うん。 それで相手の名前は?」
『藤堂静。 大学部一年だ。 大学部のカフェテリアで待っているそうだ』

「了解」

電話を切ると、真っ直ぐ大学部へ向かう
初めて入ったカフェテリア
適度な自然光が入り明るく快適な空間だが、ここでも皆の視線が光音に集中する

両親が有名人だから仕方ないけど、日本はヒソヒソと陰口が多すぎる
と光音は思う

そんな中、一人の女性が手を上げ立ち上がった

「光音! ここよ!」

光音? 初対面だよな?
と、光音は疑問を持つ

すると周りから羨望の声が聞こえてくる

「やっぱり静様の所へ来たのね」
「あの二人ならお似合いよね」
「名前で呼び合う程、親しいのかしら?」
「ほらっ、静様はフランス留学されていたし」

それらの声を耳に入れながら、真っ直ぐ女性の元へ向かう
栗色の長い髪をふんわりカールさせ、綺麗なメイクを施し、ブランド服を身に付けた女性
何処かで会ってる?
どこだ?

目の前に立つと、静という女性はスッと立ち上がると、何の前触れもなくハグをする

「久しぶりね。 まさか光音が英徳に来るなんて思わなかったわ」

突然の事で頭が回らない

「どこかで会ってる?」
「まあ、面白い事を言うのね。 フランスのパーティーでご両親とお姉さまの華音さんと出席されていた時、挨拶を交わしたでしょ?」

どのパーティーの事か判らないが、その中で挨拶を交わしたのか
でもそれだけだろ?
だったらほぼ初対面と言えるんじゃない?
それが何でこんなに親しそうにフランクに接する訳?

「ほらっ、座って。 ランチはもう頼んであるの」

あまりいい気はしないが、取り敢えず席に座る
此処で退席したら、あきらおじさんに顔向けできないし、この女性にも失礼にあたると感じたから
それだけみんなの注目を集めているから

ただ、、
携帯の録音ボタンを押し、テーブルの隅に置く

突然ハグをするような女性は、碌な女性じゃない
それこそ、ある事無い事言いふらす可能性があるから





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12 Comments

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2019-07-17 09:22

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りおりお
Re: chawa~様

りおりお  

2019-07-17 09:32

そうなんですよ
まさかの登場です

もちろん、、バッサリ(笑)
原作とかけています
あの時の類君の行動に釈然としませんでしたからね
ここは光音君にビシッと決めて貰いたい(笑)

お楽しみに

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2019-07-17 09:33

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2019-07-17 09:33

このコメントは管理者の承認待ちです

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2019-07-17 09:35

前回の時に、光音君との出会いがあった女の子を覚えていますか?
あの子とどうなったのか?

そして、原作でS嬢と類君のやりとりが気に入らないので、ここで光音君にビシッとね
って事で登場させました

「あったあった、こんな事が、、」と思うシーンが出てきます
その時の光音君の行動に注目して下さいね

お楽しみに

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2019-07-17 09:39

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2019-07-17 10:21

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りおりお
Re: 桜〜様

りおりお  

2019-07-17 12:13

番外編…久しぶりですね
そして今回は光音編…
しかも、S嬢の登場!

波乱が起きそうな予感…

明日もお楽しみに〜

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りおりお
Re: ビオ〜様

りおりお  

2019-07-17 12:14

久しぶりの光音君
どう成長しているのか?
ここに来てのS嬢の登場(笑)

さあ、光音君は、どうするんでしょうね
まあ、最初から不信感を抱いていますから大丈夫でしょう!

明日もお楽しみに〜

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りおりお
Re: り〜様

りおりお  

2019-07-17 12:16

原作では類くんとS嬢が一悶着ありましたが、ここでは光音君とS嬢です!
しかも、最初から光音君は、警戒しまくり!
良い兆候ですよねぇ

この後、何が起きるのか?
光音くんの行動は?

明日もお楽しみに〜

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2019-07-17 12:47

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りおりお
Re: シマエナ~様

りおりお  

2019-07-17 13:57

今回は、光音君の話です

光音君は、やはり類君に似ていますよね
そんな光音君に魔の手が忍び寄っています
S嬢の登場でどうなるか?

でも光音君は、人を見る目がありますからね
既に危険信号が点灯し、携帯で会話を録音すると言う行動に出ています
流石ですよねぇ

さて、、この後どうなるのか?
是非お楽しみに

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