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LET'S AFTER ♫<完>

番外編⑥ (光音編④)

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それから30分もしないうちに、心音と羽音と詩音が帰宅する
そして心音は橋本の荷物を光音に差し出す
ブランド物では無い至ってシンプルな黒い鞄に、何かのマスコットがついている

「ココ。 それ開けてみて? 何も変わった事がなければいいんだけど」

心音は言われた通り鞄の中を開ける
そしてノートをペラペラと捲ると
『出ていけ』『辞めろ』『お前が来るような学園じゃない』『貧乏人』
といった誹謗する言葉が書かれている

教科書も同様で、黒いマジックで書かれている部分は、本来の文字が読めない程だ

「酷い!」
「何、これ?」
と、心音と羽音は驚きの声を上げる

「虐め! それもかなり前から。 それにずっと一人で戦い耐えていたんだよ。 
そしたら今日、あの状態で大学部のカフェテリアに逃げ込んできてさ。 
それを追いかけてきた男女が、デッキブラシで殴りつけててさ。 
黙って見ていられず俺が助けてここに連れてきた」

「そうなんだ。 酷い事する人がいるんだね、英徳って」
と、光音の説明に、心音は呟く

「偉い! 良く助けた! でも大学部のカフェテリア? そんな所へ行ったの?」
とつくしは褒めつつも問う

「その話は、父さんが帰ってからするから」
「分かったわ。 あっ、制服は直ぐ届けるよう頼んだから。 
それとペンキがなかなかとれなくてね。 今サロンのスタッフ総出で、色々やってる。 
後、足とか腕とかが酷く腫れているけど、骨折はしていないみたいだから湿布を貼っておくわね」

「助かる」
「それに教科書も新しい物を用意させるわね」

「ありがと、母さん」
「どう致しまして」

すると詩音が光音の所へ来る

「いじめって何?」

光音は詩音を膝の上に座らせ、、
「何も悪い事をしていないのに、皆で意地悪したり、仲間外れにする事」
「ダメだよね? 皆で仲良くしなくちゃ」

「そう。 し~ちゃんは、やったらダメだよ? やられている子がいたら助けるか、先生に言う事!」
「うん。 分かった」

橋本が姿を現したのは、それから四時間後
その姿を見て光音は驚く

肩下まであった髪は、ショートボブにカットされ、前髪も短く切りそろえられていたから
そこに至る経緯をつくしが説明する

「シンナー系で落としたんだけど、髪がかなり傷んじゃって。 
そしたら橋本さんが切っても良いって言うから」
「凄く助かりました。 あのままだったら、きっと坊主頭にしたと思います。 
花沢先輩、皆様、本当にありがとうございました」
と明るく告げ頭を下げる

「本当にそう思ってる?」

光音は半信半疑だ
髪は女の命とも言うし、あまりにも短くなりすぎているように感じたからだ

「髪はまた伸びるし、イメチェンしてみたかったし、カリスマ美容師にカットされる機会なんて一生に一度だし、嫌な事もあったけど凄くラッキーでした。 ありがとうございます」

その言葉に嘘偽りは見当たらない

「それなら良いんだけど」
「じゃ、帰りますね」

すると妹弟たちがワラワラと橋本の元へ集まる

「負けないで下さい。 何かあったら、何時でも兄を頼って下さい」
と心音が告げ、ハグをする

えっ!と思う間に、今度は羽音がハグをする
そして、、
「その髪型凄く似合ってる」
と告げる

すると、橋本の手が引っ張られ、屈みこむと詩音にハグされ耳元に囁かれる
「お姉ちゃん可愛い」

橋本は驚きつつも、この現状が夢のような感じで嬉しい
花沢ファミリーを目の当たりにしているし、話しをしているしハグまでしてしまったのだから

つくしは微笑みながら光音に告げる
「光音、送っていくでしょ? 外はもう暗いし」

「し~ちゃんも行く~」
と、告げる詩音を、心音がすぐ止める

「し~ちゃんは、お留守番。 ココと一緒に遊ぼ?」
「分かった。 あゆと、早く帰って来てね」

光音は、母親と心音の気遣いに苦笑いだ

「分かった。 じゃ行ってくる」
「あっ、橋本さん。 これシャンプーとコンディショナー。 暫く使ってね。 
ダメージがマシになると思うから。 それと湿布も沢山あるから使ってね」

「ありがとうございます」
「それと教科書とノート。 悪いけど鞄の中を拝見させて貰ったの。 
ノートはまだ使えるけど、処分させて貰うわね。 家にあるノートも勿体ないけど処分してくれる?」

「何もかもありがとうございます」
「それと私からも、、」

つくしは、橋本にハグをする

「今までよく頑張った。 橋本さんは何一つ悪くない。 
卑下される事など何一つない。 今まで通り自信を持って頑張って!!」

橋本は耳元でささやかれる言葉に感動と勇気を貰う
そしてポロリと涙がこぼれる
今まで一人で戦い、かなり辛い日々だった
それを癒してくれるのは、ほんの一時、非常階段で会う麗しの君との逢瀬だけだった
それが、、
麗しの君の家族の温かさに触れる事が出来たのだから

つくしは、ハンカチを渡し、、
「また何時でも遊びに来てね」
「ありがとうございました」

深々とお辞儀をした後、光音に連れられ車に乗り込む
そして車はゆっくり橋本家へ向かった




その車中で、、
「俺の両親って、スキンシップ過多なんだ。 事あるごとにハグするし、小さい頃はキスしまくりだしさ」
「ううん。 凄く仲が良いなぁって思う」

「おかしいぐらい仲良いよ。 両親もずっとイチャイチャしてるしさ。 
でもキチンと俺達にも愛情かけて育ててくれてる」
「お母さん見ていたら良く分かる。 有名人なのに凄く気さくで、しかも『勿体ない』って言葉には驚いた」

「母さんもお金持ちの令嬢として育ってるんだけど、どんな人にも偏見を持たず付き合えるんだ。 
それに『勿体ない』『物を大切に』が口癖かな? 
だから一つの物を大切にするし、俺達にも口酸っぱく教えられた」
「素敵なお母さんだね。 うちの両親はね・・・」

こうして家に着くまで、互いの家族の話で盛り上がる
もちろん光音が他人に家族の話をするのは初めてだ
英徳に入ってクラスメイトともあまり話をした事が無い

それでも、橋本と話がしたかった
それぐらい楽しいと思える時間だった





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10 Comments

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2019-07-20 09:27

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2019-07-20 09:28

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2019-07-20 09:34

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2019-07-20 09:35

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2019-07-20 09:41

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りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2019-07-20 10:40

花沢ファミリーは皆優しいですよね
そりゃあ、つくしちゃんと類君の性格が良いから!!

橋本さんも、まさかこれ程までに?って感じでしょうね
『麗しの君』や『可憐な一輪の花』と言われる光音君と心音ちゃん
容姿だけではなく心まで素晴らしいんですから

そして光音君は、きっと原作のつくしちゃんのような性格の女性に惚れるのでは?と思っています
橋本さんがピッタリのような気がしますよね

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りおりお
Re: 桜~様

りおりお  

2019-07-20 10:45

確かに、原作の赤札を貼られた後のつくしちゃんに対するいじめは酷かったですよね
レイプ紛いの事をされているのに、何でその司君に惹かれるのか?
そりゃあ、司君の生い立ちを知ると同情する面はあると思います
でもそれとこれとは別ですよね

類君も見て見ぬふりをしていた部分もあります
でも、レイプ現場に偶然居たにしろ止めたのは類君
NYでも本来ならそこで死んでいても不思議じゃ無かったのに類君によって助けれた
それなのに、、結果的に選んだのは司君

私も永遠の謎です

さて、、ここでの光音君
しっかりと橋本さんを守りました
そして多分、、新たな気持ちの発見をしているのでは?
つくしちゃんに対する恋心とは違う恋心
それに気付くかなぁ
でも素敵な出会いだと思いますよねぇ

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2019-07-20 10:48

光音君も橋本さんに心を許し始めています
家族の事を話すのがその証拠ですよね

そして橋本さんも、まさかここまで優しく歓迎してくれる花沢ファミリーが信じられない気持ちでしょうね
貧乏だからと卑下する事無く、優しく接してくれる
ハグと言う形で温もりを与えてくれる
今までずっと耐えてきたでしょうから、これはグッときますよね
そしてこれからまた頑張れると言う思いでしょう

二人の恋はこれからでしょうね

カテゴリー、、そうなんです
お楽しみに

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2019-07-20 10:51

橋本さん、ずっといじめられていたんですよね
それが、、この花沢ファミリーの接し方でかなり癒されたようです
光音君の妹や弟たちのハグと一言
それだけでどれだけ頑張れるか、、
自分は一人じゃないと思えたし、こうして味方になってくれる人もいると判りましたからね

そして光音君がフランクに話してくれる事も嬉しかったのでは?
家族の話をする光音君も、自分が何でここまで心を開いているのか気付いているかな?
この二人の恋路は今始まったばかりですけど、このままゆっくり進めて欲しいですよね

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りおりお
Re: シマエナ~様

りおりお  

2019-07-20 10:55

花沢ファミリーは、ホント優しいし温かいですよね
海外生活の時に、皆で慈善事業をしていた事が、子供達の心をここまで優しくさせたのでしょうね
老人ホームや病院、障害者施設など色々な人達と関わって来ています
そんな中、楽器や歌で心を癒し、ハグと何気ない一言で相手が笑顔になれる事を覚えましたからね

そして心音ちゃんは既に光音君の変化に気付いているのでは?
単に虐められていた女の子を助けただけで、家まで連れて来るのか?
そして光音君がフツフツとした憤りを感じているのは?

そりゃあ総ちゃんに恋する心音ちゃんだから分かりますよねぇ
兄の恋路を応援するスタンスのようです
頑張れ~~

そして橋本さんも、明日から頑張れるでしょうね
まあ、もう虐められる事は無いでしょうけどね

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