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コイワズライ<完>

34 前言撤回

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その頃、、類の部屋では、、

「なあお前ら、彼女出来たのか?」

司のその言葉に、類はピクッと反応を示す

「まだだって言うか、、俺んとこは、なかなか難しいんだよ
裏方を仕切るっつう重大な責任までも背負う事になるしな」
と、総二郎はしかめっ面で話す

「まあ、総二郎んとこは特殊だしな。 んじゃ見合いか?」
「そうなるだろうな。 恋愛にもあこがれはあるが、好きな女に苦労させたくねぇし、それならその心構えが備わっている女の方が気が楽だしさ」

それが本心で無い事ぐらい三人には判る
だが家業を継ぐと決めた時から、政略結婚を受け入れる覚悟があったのだろう

「そう言う司はどうなんだ? 向こうで彼女でも出来たのか?」
「出来ねえよ! そりゃ言い寄る女は五万といるぜ?
でも俺の心にグッと来る相手がいねぇと言うか、どの女も道明寺というブランド力に魅せられているのが丸わかりでよぉ」

(皆一緒だ。 もちろんそれは昔からだけど、年齢的にそろそろ決断の時が迫っている)

「それにパーティーとか会食の席での出会いしかねぇしな」

(つまり出会いも全て仕組まれた物
それが嫌というかフラストレーションが溜まると言うか、、まさしく俺もそうだったし
でも今はそれが全くなくて)


ここで類の携帯が振動する
サッとタップし確認すると、、
『駅前のコーヒーショップに居ます』
の文字が目に飛び込む

(良かった。 無事脱け出せたようだ)

「おい類! 誰からだ?」

その行動に、司が問いかける

類がこうしてスマホをチェックする事は珍しい
オンとオフを一番重要視するタイプで、仕事が終われば電源を落とす事が常だ
現にこうした親友達の集まりでは、スマホの姿を見る事すらない

「あぁ、、田村から。 途中で仕事を抜けたから」
と尤もらしい事を告げる

「まあ、急の集まりだったしな」
とあきらが労をねぎらう言葉を告げると、それに乗っかるように告げる

「そうなんだよ! 急に総二郎が来て、今夜19時って言うだろ?
今日は会議があって、それが時間を押したもんだから残りの仕事は明日する!と宣言してダッシュで帰ったしさ」

(流石気遣いのあきら!
これでスマホを見ていても怪しまれずに済んだよ)


「そう言えば類! あの時の彼女はどうなった?」
と、類が心の中で褒めている間に、あきらは爆弾を落とす

それに対し、類はギクッと大きな動揺を見せる

「あの時の彼女って何だよ?」
「いつ頃の話だ?」

司と総二郎は何のことだ?と身を乗り出し尋ねる
類は、キッとあきらを睨み付ける

(何でここでその話をする? 気遣いのあきらはどこへ行った? 折角褒めた所なのに前言撤回!
それを聞きたいのなら二人っきりの時にしろよな! まあ答えるつもりはないんだけどさ)


その類の視線に気付かないあきらは、ペラペラと話し始める

「二カ月ぐらい前になるかな? 類とホテルのバーで飲んでいた時、エロ親父に言い寄られている女がいてさぁ」
「セクハラって奴か?」

「それ以上だな。 会社の取引先みてえで、女の方は担当が変わったばかりで何も言えなくてさ」
「つまりこのまま取引を続けるためには体を差し出せと?」
「それ、、犯罪じゃね? その女も災難だったな」

司と総二郎も、このご時世に未だそのような事が行われている事実に驚くばかりだ
特に司のいるアメリカでは、少しのセクハラでも社会問題となり、かなりのバッシングと膨大な慰謝料沙汰になる

「だろ? でも中小企業なら、ざらにある事なのかも知れねぇ
んでその女を類が呼び止めて」

ここであきらは類を見る
するとそこには、鬼のような形相の類がいる

(これ以上、何も言うなよ! 特にこいつら二人に話すと後々面倒臭いって知ってるよな! な! な!)
(恐っ、、って、あれ? もしかしてこいつ、、アレがキッカケで今も続いているとか?)

「おい! 類が呼び止めてその後どうしたんだよ!」
「あぁ、、」

(ん? ちょっと待て! 
玄関にあった鞄って、何処かで見た事があると思ったんだが、あの時の彼女の鞄と似ていないか? 
間違いねぇ、、鞄についていたストラップが同じだ!って事は、彼女が此処に居る? 
だから類の様子がおかしかったんじゃね? 
そして急に類が一人暮らしを始めたのも、彼女との逢瀬を楽しむためとか?)


あきらは何となくカラクリが分かり、ニヤリとした笑みで類を見る

(何? 気持ち悪いんだけど? でもこれ以上何も言うなよ!)

「『行くの』と類が尋ねたら、女の方が『行きたくないけど仕方ない』と言うから、俺がエロ親父の所へ行って嗜めたんだよ」

(感謝しろよ! ざっくり纏めてやったんだからよ)
(偉そうに言わないでくれる? 元々この話を切り出したあきらが悪い!)

「へぇ、、類が尋ねなければ、その女はエロ親父の餌食になっていたのか」
「にしても、類がそんな事をするなんて、、どういう風の吹き回しだ?」

(大きなお世話! 何でか分からないけど気になったんだから仕方ないだろ?)

「ん? やり方が汚いから、、つい」
「あぁ。 女性の方に拒否権は無いって感じで威圧感たっぷりでさ」

あきらは助け舟をだし、二人に説明を始める

(俺って良い奴だよな。 まあ後でしっかり問いただしてやるけどよ)

そんなあきらの良い人ぶった語り口調にも

(もとはと言えば、お前の口の軽さが原因だろ?
適当に言いくるめてサッサと帰れよな!って後であきらに問い詰められる事は確定だろうな)




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8 Comments

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2019-06-20 09:22

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2019-06-20 09:32

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2019-06-20 09:58

類君は冷や汗ものです
しかも、あきら君が余計な事を言うから~~

それでも、類君の形相に気付き、直ぐに話をまとめて終わらせてくれたんですけどね
もちろんその後どうなったのか興味を持ったでしょう
根掘り葉掘りと後で聞き出す算段でしょうね

さて、無事乗り切った感じの類君
後は子の親友達を帰すだけ
その頭の中は、今夜は❤ですからねぇ
どうなるんでしょうか?

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りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2019-06-20 10:00

ここまで来たら、あきら君には話しても良いと思っているでしょうね
あの現場にいたんですから
その上で、協力して貰えるところは協力して貰いたいって感じじゃないでしょうか?

でも、司君と総ちゃんにはバレたくない!!
色々と煩いし、ちょっかい出されそうだしね

とにかく、サッサと帰ってくれ~~と言う思いなのでは?
だって、、今夜は❤のつもりなんですから(笑)
やる気満々の類君は、一分一秒が惜しいんですよ!!

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2019-06-20 10:15

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2019-06-20 13:30

あきら君は気づいたようですね
でも、同棲しているとは思っていないでしょうね
単に、お付き合い?程度と思っているでしょう
もちろん、後でじっくりと聞き出すつもりでしょうね

類君もあきら君には話す覚悟を決めた様子
まあ、つくしちゃんとのやりとりを知っていますからね
そこで類君、自分の気持ちに気付くかなぁ
気づいて欲しいなぁ
って事で、明日も楽しんで下さいね

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2019-06-20 16:08

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りおりお
Re: シマエナ~様

りおりお  

2019-06-20 17:36

類君、必死ですね(笑)

あきら君も、ちょっぴりつくしちゃんの事を話しましたが、そこは穏便に、、
気遣いのあきら君ですからね
類君の表情を見て察しましたね

それにあきら君は記憶力が良い
そりゃ、いつどこで運命の人が待っているか分りませんからね
女性に関しての記憶は確かなんですよ(笑)

さて、親友達は何時帰ってくれるかな?
類君はその後のお楽しみで頭が一杯なんですから(笑)

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