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コイワズライ<完>

37 ぶっ!

6
類が仕事へ行くと、一人残ったつくしは熱を測る
すると37度8分と微妙な熱がある

「今日は一日寝て過ごそう」
とベッドへ潜り込んだ

(昨夜は、ぼんやりとした意識の中で、類に抱きしめられたような?
まあ、それは定かではないけど、確実に看病して貰ったよね?
ずっと一人暮らしだったから、こうして体調が悪い時の人の温かさってかなり嬉しい
それが類なんだから、至福の喜びってやつ?
でも間近で顔を見られたよね? 変な顔で寝ていなかったかな?
とにかく早く治そう。 これ以上迷惑をかけられないし)


色々な感情が湧きおこる中、とにかく今日中に体調を戻そうと眠りについた


仕事に行った類は、ほとんど眠っていない為、睡魔が何度も襲っていた

(今日は会議も無いし、急ぎの決済も無い。 こんな事なら、俺も休めば良かった)
と思う物の
(二人して仕事を休み、マンションに閉じこもっていては、また母親の変な妄想を掻きたてる事になる
あの人の事だ、、そればっかりやってる妄想が膨らみ、牧野に対し悪女のイメージを抱くんじゃない?
『仕事を放り投げて、そればっかりやってる! そんな事でこの先やって行けるのか!』ってさ
それだと牧野に申し訳ないし、同棲解除を言い出されても困る
その為にも、牧野は佳代に任せて、俺はきちんと仕事をしないと、、)


フルフルと頭を左右に振り、少しだけ眠気を追い払うと再び書類に目を向けた
そしてもうすぐ昼になろうとする頃に、あきらがやってきた

「よぉ、類! 昨夜は遅くまで悪かったな。 そろそろ昼だろ? 外で食べようぜ?
近くのレストランをキープしたからさ」

(どうせ俺に拒否権は無いんだろ?)

「あぁ、、分かった」

類は、田村に断りを入れ、あきらと共にそのレストランへ向かった
中に入ると直ぐにランチが運ばれてくる
そこまで手配していた事に類は苦笑する

(少しの時間も無駄にしたくない訳だ)

「じゃ、食べようぜ」
「あぁ、、」

類は箸を手に取り汁物を口に入れる

「昨日は、牧野さんが来ていたんだろ?」

(早速切り出す? 俺、まだ汁しか飲んでいないんだけど)

「どこに隠れていたんだ?」

(外に出て貰ったんだよ! それで風邪を引いたんだよ)

「と言うか、お前が一人暮らしを始めたのは、牧野さんをマンションへ呼ぶためか?」

(一人暮らしでは無く同棲しているんだよ!)

類は、大皿に乗っている天ぷらに箸を伸ばし口へ運ぶ

「あっ、美味しい。 この梅塩、いけるね」

(もしかしてこいつとぼける気か?)

「類!」
話をはぐらかそうとする類の発言に、あきらは声をあげる
だが類は飄々と答える

「きちんと話すから、、でもこれ美味しいから先に食べさせてよ」
「あぁ、、詳しい話は後でも良いが、キッチリ話せよ」

あきらも類が美味しいと呟いた天ぷらを梅塩を付け食べてみる

「ほんとだ。 これ美味しいな」
「だろ?」

あきらは次々と梅塩をつけ天ぷらを頬張る
類は昼食を半分ほど食べた頃に、ポツリと呟く

「昨日居たのは、牧野だよ」

(やっと話し始めたか)
と、あきらはやっと話し始めた類にホッとする

「やっぱりな。 じゃ、付き合い始めたのか?」
「いや、付き合ってはいない」
「ん?」

あきらの頭には疑問符が浮かぶ

(付き合っていないのに類のマンションに? 
しかも類が帰宅する前から居たって事は、合いカギを持っているって事だろ? 
それが付き合っていないとはどう言う事だ?)


そんなあきらの耳に、思いもよらない言葉が届く

「同棲しているんだ」
「ぶっ!」

あまりの驚きに、あきらは口の中の物を吹き出してしまう
その吹き出した物が、類の皿にまで飛び散っている

「何やってんのさ、、」
「いや、、、」

あきらは急いでティッシュを取り出し、周りを拭きながら必死に冷静を保とうと心掛ける

(普通付き合ってもいないのに同棲するか? 
いや、こいつは普通って事を知らねぇ奴だからあり得るんだけど
どうしてそうなったんだ?)


「そろそろ、、そこに至るまでの経緯を教えてくれねぇか?」

類は、ふ~と盛大な溜息を吐いた後、箸を置く

「悪いけど、アイスティを頼んでくれる?
これじゃもう食事は食べられないしさ」
「悪りぃ。 すぐ頼むからよ」

こうして食事を下げて貰い、アイスティとアイスコーヒーを運ばせる
そのアイスティを一口飲んだ後、やっと今までの事を話し始めた
それは、あきらにとって驚きの連続だった

「と言う事で同棲が始まったんだ」
「なるほどな。 お前のお袋さんの勘違いから同棲ねぇ」

「そうなんだ。 だから俺は同棲と言う名の同居生活を送ってる」

ここまで一気に話し終えた後、類はアイスティで喉を潤す
その至って冷静な類の姿が、あきらにはおかしくて仕方ない

(こいつ、、マジで自分の気持ちに気がついていないのか?
いくら母親の勘違いから始まった同棲とはいえ、好きでもない女と同居するか?
俺達でさえ休日に押し掛けたら不機嫌になるんだぜ?
それが赤の他人と二カ月も一緒に暮らしていても、苦にならないんだろ?
それは、牧野さんの事が好きと言う事だろうが!
何でそこに気がつかない?)


あきらは類に気付かれないよう、心の中で大笑いしていた




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6 Comments

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2019-06-23 09:20

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2019-06-23 09:26

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2019-06-23 10:07

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2019-06-23 19:18

そうですよね
あきらくんに誤魔化しは効きません
それに良い相談役にも慣れるんじゃないですか?
口止めすれば誰にも話さないと思いますしね

さて、衝撃を受けたあきら君
思わず吹き出しました
それ位ビックリです

さてこの後どうなるでしょう?

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りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2019-06-23 19:20

あきら君
衝撃の事実に思わず吹き出しました
まあそれぐらいの驚きでしょうね

あの類君が同棲ですよ!!
信じられないですよね
しかも本人は好きと気付いていない
あきら君は直ぐにピンッと来たのにね

さて、、あきら君はどうするでしょう?
類君にとっては良きお兄さんのような存在でもあります
何かアドバイスでもするかな?

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2019-06-23 19:23

あきら君に隠し事は出来ません
つくしちゃんとの出会いを知っていますからね
その時、御世話にもなっているし

で、、
類君から全てを聞いたあきら君は衝撃を受けました
同棲している事はもちろんですが、類君自身が未だ自分の気持ちに気付いていない事にも!!
こんなに鈍感だったか?という感想でしょうね
でも初めての気持ちですし、なかなかわからないと言うのも類君らしい

さて、あきら君はこの後どうするのか?
是非明日もお楽しみに

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