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想い出さがし

25 タジタジ

6

つくしは、校舎の玄関先で折り畳み傘を広げていた
すると隣の校舎から、「つくしちゃ~ん」と言う声と共に、女性の奇声が聞こえた

途端、つくしはビクッと身体が強張る
聞き覚えのある声
ここ東京で『つくしちゃん』と呼ぶ男性で、女性が奇声をあげる存在に該当するのは一人しかいない

咄嗟にキョロキョロと隠れる場所を探したが、相手の方が一足早くつくしの前に立つ

「つくしちゃん。 今帰り?」

優しい口調に微笑みつき
途端、周りから感嘆の声が上がる

「まあ、、そうですけど?」

もちろん、つくしの頭の中は?マークだ
どうして大学内で自分の名前を呼ぶのか
しかもおかしいぐらいのオーラを振りまいて

当然、かなりの注目になっているのが分かる
それは痛いほどの視線が突き刺さっているからだ

「じゃ一緒に帰ろう? 車で送るからさ。」
「いいえ。 結構です。」

と直ぐに否定すると、周りからどよめきが上がる

『まあ、、美作さんからのお誘いを断るなんて、どう言うおつもりかしら?』
と、つくしを非難する声ばかりが耳に届く

「でも雨だしさ。 駅まで歩くのも大変じゃない?」
「大丈夫です。 傘がありますから。」
とつくしは折り畳み傘を広げた

「じゃ、その傘に入って駐車場まで行こうか? 俺が傘を持つからさ。」
と、つくしの傘を奪うと、空いている方の手をつくしの肩に乗せる

「ほらっ。 行くよ。」
と、あきらが歩きはじめた為、肩を抱かれているつくしの足も自然に進み始める

すると周りからは『きゃ~~』と言う奇声と共に、
『あの方、どういうおつもり? 美作さんと同じ傘に入るなんて』
とやはりつくしを非難する声が上がる

つくしはこの状況にガックリと肩を落とす

断っても断らなくても非難される
それに明日はまた取り囲まれ、尋問を受けるだろう
今まで何のために隠れて過ごしていたのか、、と思うと、目の前が真っ暗だ

「まっすぐ家に送ってくれるんですよね?」
「その前に、夕飯でも食べよ?」

やっぱり、、と思う
前回、司の時もそうだったからだ

それなら断ろうと口を開きかけた時、、

「実は総二郎の事で話しておきたい事があるんだ。 お腹も空いたし、夕食を食べながらでも構わないだろ?」

そう言われたら断れない
今も気軽に話しが出来ない状態が続いているし、出来るなら仲良くなりたいと思っている

「分かりました。」
と返事をし、あきらの車に乗り込んだ

「ちょっと家に連絡入れますね。」

つくしは光三郎の携帯を鳴らす
するとすぐに光三郎が電話に出た

『あっ、つくしさん。 お疲れ様。 今日はあきらさんとデート?』
「いや、、そんなんじゃ無くてね」

『でも相合傘で肩を抱かれて一緒に帰ったって騒がれてるけど?』
「それは不可抗力って言うか」

『くすくす。 大変だな。 んで今夜は遅くなる?』
「あっ、そうなの。 ちょっと美作さんとご飯を食べて帰るから。 悪いんだけど伝えてくれる?」

『了解。 じゃ楽しんできて。』
「うん。 じゃ。」

つくしは携帯を仕舞うと、あきらが話しかける

「今の相手って光三郎?」
「はい。」

「何か妬けるな。」
「何がです?」

「光三郎とため口で話せてさ。 俺なんてまだ敬語だし。」
と、寂しそうな表情を見せる

普通ならこの時点で、頬を染めるとか何らかの反応を見せる
敬語からフランクに話しが出来る事で、一枚壁を取っ払う事に成功した事になるのだが、、

「当り前です! 先輩ですし、こうして面と向かって話すのは初めてですから。」

こう来たか、、と、あきらは思う
だがそこは百戦錬磨のあきらだ
すかさず畳みかける

「初めてじゃないだろ? ほらっ、GWの茶会でさ。」
「あれは除外します。 とにかくため口で話しが出来る程、親しい間柄ではありませんから!」

ビシッと告げるつくしに、あきらは内心タジタジだ
普通ならこれ幸いとばかり親しくなろうとため口で話し始めると言うのに、一向に歩み寄る気配が無い

「あっ、夕食は高い所は困ります。 持ち合わせが無いので。」
「気にしないで? もちろん奢るからさ。」

先手を打たれ、あきらは焦る

「それは困ります。 奢られる理由がありませんから。」
「俺が誘ったし、総二郎の話をしたいから、出来れば個室が良いんだ。 だから今日だけ奢らせてくれる?」

グッと言葉に詰まるつくし
そう言われたら何も言えない
どう言う事を話してくれるか判らないが、他人に聞かれたらまずい事も十分考えられる

一方のあきらも、何とか主導権を取り戻せた事にホッとする
少なくとも司と同じ道を歩んだとあっては、明日大笑いされるのが目に見えているからだ

「分かりました。 でも今回限りでお願いします。」
「了解。」

こうしてなんとかイタリアンレストランの個室へ連れていく事に成功した



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6 Comments

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2019-10-09 09:18

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2019-10-09 09:22

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2019-10-09 09:29

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りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2019-10-09 09:49

誤字訂正しました
ありがとうございます

あきら君たじたじですね
でもそこは百戦錬磨のあきら君
いろいろ言いくるめ、無事ディナーに誘う事が出来ました

流石ですよねぇ

さてつくしちゃんに何の話をするのかな?

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2019-10-09 09:51

つくしちゃんも頑張ったんですけどねぇ
あきら君の方が一枚上手でしたね

イタリアンレストランの個室
確かに内緒話をするのにはいいですけど、身の危険とか感じないかなぁ(笑)
まあつくしちゃんですからね
今は総ちゃんの事でどんな話があるのか?の方が重要でしょう

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2019-10-09 09:53

あきらくんタジタジです
でもそこはやっぱりあきら君
つくしちゃんが断れない理由を告げました

総二郎の事で、、
これを言えば、つくしちゃんは従うしかないですよね
仲良くしたいですから

さてイタリアンレストランまでは無事誘えましたけど、勝負はここからですよ
上手くHまでいけるのか!!
つくしちゃんはどう交わすのか?
結果は既に分かっていると思いますが、明日もお楽しみに

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