FC2ブログ

Welcome to my blog

Jealousy<完>

6 疑問

8
二人の心の声が交錯します
分かりにくいので色を付けますね







水曜日
類は19時に仕事を終えると、急いで部屋を出る

「帰る。 続きは明日するから。」
「畏まりました。 あっ、こちらを社長夫人に渡していただけますか? 
今年発売予定の新色リップのサンプルが届きましたので。」
「分かった。」

類はそのリップをサッとポケットにしまうと、ダッシュで部屋から出た
花沢ブランドの化粧品は、毎回社長夫人である麗も最終チェックをする
使用感、発色、香り、ケースの見た目など細かくチェックした後、やっと製造販売となるからだ

類はつくしのマンションへ急がせた
何時もより訪問時間が遅く、待たせてしまっているからだ

駐車場に着く頃には雨が降っていたが、傘を差すのももどかしく、走ってマンションへ向かった

ピンポ~ン

「は~い」

チャイムを鳴らすと、牧野の声がドアの奥から聞こえ、ホッとするのもいつもの事

ガチャッ

「いらっしゃい」

笑顔で出迎えられ、その笑顔に癒されるのもいつもの事

「濡れてる。 傘は?」

車の中にあるだろうけど、一秒でも早く来たくて持って来ていない

「忘れてきた」
「もう。 あっ、タオル取って来るね。 上がって?」
「あい」

呆れた顔から心配そうな顔、そして笑顔とコロコロ表情を変える牧野が愛おしくてならない
抱きしめたくなる衝動を必死に堪える


「はい。 タオル。 ジャケット脱いで?」
「ん」

類は、ジャケットを脱ぐと、タオルと交換し、頭をごしごし拭きながら奥へと進んだ
つくしは類のジャケットをハンガーに吊るし、肩からそっと拭っていく

撥水加工されているのか、生地にしみこむことなく丸い雨粒となっている
胸から裾に向かって拭いていると、ポケットに異物を感じた

何?と思い、そっと手を入れると、箱に入った口紅だと分かる
あっ! と思うが、そのまま中に仕舞い気付かないふりをするが、内心ドキドキしていた
もしかしてあたしに?と期待で胸が膨らむ

何時もの場所にジャケットを置くと、急いで夕食を並べる

「今日も残業?」
「ん」
「大変だね。 毎日なんでしょ? でも労働基準法とかに引っかからない?」

あれ、経営者とか取締役とかは適用されないんだよな
つまり何時間でも働けって事なんだよ!!
んとに、なんとかしてほしい


「ん。 大丈夫みたい。 その辺は調整してくれてるんじゃない?」

嘘!!
一か月40時間を超える残業はダメなはず
あっ、、でも特殊な職業は適用外になったんだっけ?


「この前、海外出張に行ってたじゃない? って事は、また行くの?」

急にどうしたんだろう?

「ほっ、ほらっ。 フランスって最近治安が悪いじゃない?」

なるほどな
それって俺の事が心配って事だろ?
俺だって出来れば行きたくない
牧野と離れたくない
でもあっちが主流だしなぁ
それにフランスやイタリアのイメージが悪いのは困り物だな
何時か牧野にも、そこに住んでもらいたいしさ


「これからも出張はあると思う。 俺の独断で決められる事じゃないから」

だよね
上司に行け!って命令されたら嫌とは言えないもん
それがサラリーマンの宿命なんだし
でもこれで分かった
類は花形部署の海外営業部だ!!


「また行くときは気を付けてね」
「もちろん気を付ける」

こうして22時までいつも通り時間は過ぎて行く

「あっ、もうこんな時間。 早いな」
と言うと、類は立ち上がる

つくしも時計を見て、もうこんな時間なんだと思いながら立ち上がり、類のジャケットを手に取る

あっ!!
楽しい会話で口紅の存在を忘れていた
でもこの後、きっと、、、

と、期待に胸を膨らませ類にジャケットを渡す

「ありがと」

類は、それを羽織るとボタンを留め、サッと玄関へ向かう
あれ? 忘れてる?
と思う物の、つくしも玄関までついて行く

「じゃまた来るから」
「うん。 あっ、傘使って?」
と、ビニール傘を渡す

口紅、、まだかな?
忘れてないよね?


「ありがと」
それを受け取り、つくしを見ると、何かを訴えるような期待するような眼差しを受ける

キスを待ってる?
確かに、いつも帰る前にキスしていたし、習慣付いてきた?


その期待に応えるよう、チュッとキスをする
ポッと頬を染め、ハニカムつくし

やばい!
むちゃくちゃ可愛い

と思うと、自然にもう一度チュッとキスをする
柔らかな唇に、もっともっと触れていたいと言う衝撃を必死に抑える

いきなり深いキスをしたら驚くだろ?
とりあえず今日は二回出来たんだから、次回は三回、その次は四回?
徐々に慣らさないと、、


「じゃ」
と、暴走しそうになる前にドアを開け外に出た

今日はキスを二回に増やせた悦びで、ルンルンと軽い足取りで駐車場に向かう類
ドアの中では、つくしがアレ?と思っているとは知らない

つくしは、口紅がもらえなかったことに、単に私忘れているだけかも?と思う
そしてきっとSNSでそれらしい言葉が出るだろうと期待して待つことにした

だが、数日経っても口紅とかプレゼントと言う単語は出ない
もしかしたら、次回類が訪れた時に、渡してくれるのかも?
と、考える

だが、次に来た時も至って普通
しかも、ジャケットに口紅らしき物体も無かった

その日の帰り
二回キスをして「また」と言う言葉を残し帰っていく類

つくしは、急速に不安に駆られる

あの口紅は、一体誰の手に渡ったんだろう?
まさか、あたし以外の女性に?


その不安な思いを止められないつくしだった


関連記事
スポンサーサイト



8 Comments

There are no comments yet.
管理人のみ閲覧できます

-  

2019-11-22 09:18

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2019-11-22 09:50

修正しました~
ありがとうございます

そしてつくしちゃん、、
だんだんと不安になっていますね

類君、早く本当の事を伝えないとぉ、、
なんですけど、類君もルンルンしていて気付かないんでしょうね

さて、ちょっとしたほころびが出来た感じですけどどうなっていくのか?
この先もお楽しみに~~

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2019-11-22 10:20

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: 麦~様

りおりお  

2019-11-22 10:38

類君は何時も言葉足らず
でも愛情表現はしているんですけどね
親友から見れば、それがハッキリと分かるんでしょうけどねぇ
つくしちゃんにはなかなか気付かないようです

そりゃあねぇ
類君のようなカッコイイ人が自分の恋人である事実が信じられない
だから、なかなか進展が無くて不安が増幅
嫌われたくないから突っ込んだ話が出来ない
悪循環ですよねぇ

背中をばあ~ん通してくれる人が現れるかな?
是非この後もお楽しみに

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2019-11-22 11:24

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
管理人のみ閲覧できます

-  

2019-11-22 11:31

このコメントは管理人のみ閲覧できます

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: り~様

りおりお  

2019-11-22 14:54

つくしちゃんは、自分が口紅を貰えると思っていたから口に出せない
サプライズでのプレゼントだったのでは?と思っているから
でも何時まで経っても貰えない
あれ?と思いますよね

類君としても、まさか口紅の存在をつくしちゃんが死っているとは思わない
だからつくしちゃんが不安になっている事も知らない

少しずつ不安がひろがっているつくしちゃん
これから二人はどうなるかな?

EDIT  REPLY    
りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2019-11-22 14:56

そうなんですよねぇ
類君が慎重すぎるんですよぉ

口紅の件は、つくしちゃんの勘違いなんですけど、類君にしてみても母親に渡す物だし余計な事は言いたくないですよね
言葉足らずと言えばそうなんですけど、、まさかつくしちゃんが口紅の存在を知っているとも思わないしねぇ
難しいなぁ

そしてつくしちゃんは、不安が募っています
この不安を早く解消して欲しいですが、、
どうなるかな?

EDIT  REPLY    

Leave a reply