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❤短編❤

スキ 前編 (2020類誕生日作品)

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「ほんとにゴメンってば。」

つくしは両手を合わせ、類に謝る
それでも類はプイッと横を向く
その類の気持ちが痛いほどわかり、つくしはただただ謝るしかない

と言うのも、今日は類の誕生日
年が明けた頃から、この日の為に色々考えていた

年に一度の誕生日だし、盛大にまでとはいかなくても心を込めて祝いたい
その為のプレゼントは?
食事は?
ケーキは?

すると3月に入った辺りに類から申し入れがあった
『俺の家で二人でゆっくり過ごしたい。 料理もケーキも用意するから。』

それならバイト代は全てプレゼントに当てる事が出来るし願ったり叶ったりだ

『じゃあ昼過ぎには類の家にお邪魔するね。』
と告げると、嬉しそうにニコリと微笑んでくた
そこから綿密に計画を立てた

まずオセロで勝負をする
何故か毎回負けるから不思議だ
でもこの日の為に、進相手に特訓した

その日こそはどうしても勝ちたい
なぜなら類ががっかりしたところでプレゼントを渡したいから
普通に渡しても喜んでくれると思うが、気分が沈んでいるときの方が何倍も嬉しく感じるはずだから

その後、ケーキを食べる
夕食後だとお腹が一杯で、せっかくのケーキの味が半減する

その後、まったり映画を見る
ここはムード満点の、、、と言いたいところだが、年末に上映された大ヒットアクション映画がレンタル開始されたのでそれに決めた
なぜなら、二人とも見たいと思っていた映画だったが、あたしのバイトの都合で見逃してしまったから

これで準備万端
後は、誕生日を待つばかりと思っていたところ、類の誕生日の前日
つまり、、昨日の夜
バイト先の店長から電話があった

『バイトの子が不幸事で急に実家に帰る事になり人手が足らないんだ。 
申し訳ないが、ランチの時だけで良いから入ってくれないか?』

前々から30日は絶対休みたいと伝えている
だが春休みと言う事で、旅行や用事など、バイトやパートの人達もぎりぎりの人数
体調管理には十分気を付けてくれと言われていたぐらいだ

その中での不幸事
これだけはどうしようもない

でも30日は年に一度の類の誕生日
店長には申し訳ないが、、、断ろうとしたところ、、

『助けてくれ。 もう牧野さんしかいないんだ。』

気づけばランチ時の15時までと返事をしていた
そのすぐ後、その旨を類に伝えたら、しばしの沈黙の後、、大きなため息が聞こえた

それだけで申し訳ない気持ちで一杯になった
凄く楽しみにしていたのが分かるから

『分かった。 じゃ迎えに行く。 その方が、少しでも長くいられるから。』

嬉しかった
本当は凄くガッカリしたと思う
でもその事をとやかく言わず、快く了承してくれた
惚れ直した瞬間だった



そして当日の今日、、
おかしいぐらいの忙しさを何とか熟し、後30分ほどで上がれるという時に類が店内に入ってきた

途端、店内がざわつく
何時もなら店の外で待っているのに何で?と思いいながらも、席へ案内した

「何になさいますか?」
「コーヒー。」
「畏まりました。」

チラリと外を見ると、女性たちが店の中を覗き見ている
数人の女性は、類の後をついてくるかのように店内へ入ってきたが、それもすぐ満席となった為、名前を書いて待つことになると他のスタッフが説明している

それらを見て、類が店内に入ってきた理由に納得だ

何時もは暗いから外で待っていても人だかりにならないし声をかけられる事も無い
だが今日は春休みの昼過ぎ
類が一人で外に居たら目立って仕方ない
じろじろ見られ声をかけまくられ、嫌気がさし店内へ入ったのだろう

つくしは、すぐにサーバーからコーヒーを注ぐ
すると男性スタッフがつくしに声をかけた

「俺が持っていくよ。 牧野さんが持っていくと、殺されそうな雰囲気だし。」

その言葉に、ハッと店内を見ると、女性客は皆類を見ている
これでコーヒーを運んだら、視線で殺されそうだ

つくしは男性スタッフにお盆を渡す

「ありがとう。 よろしくね。」
「OK。」

こうして男性スタッフが類にコーヒーを運んだ
類はチラリと見た後、そのコーヒーに手を付けることなく文庫本を開いた

やっと仕事が終わる時間になり、つくしはスタッフに挨拶をする

「お疲れ様でした。」
「「お疲れ~。」」

「牧野さん。 凄く助かった。 ありがとう。 気を付けて帰ってくれ。」

店長は厨房からつくしにお礼を告げる
今日は、店長自ら厨房で奮闘するぐらい忙しい

その店長に、「お先に失礼します。」と声をかけると、急いで更衣室に入る
そして類にSNSを送った

<ごめんね。 終わったからすぐに着替えて出る。 50メートル先の本屋で待ってて。>

類はそのSNSを見た後、すぐに席を立つと会計へ向かった
そこにはコーヒーを運んだ男性スタッフがいる

類は伝票を渡しながら問う

「あんた、いつからここで働いている?」
「約一年ほどですけど?」

男性スタッフは突然声をかけられビックリしながら答える
粗相でもしただろうか?と内心ドキドキだ

「バイト時間は?」
「えっ?」

男性スタッフは戸惑う
以前、バイト時間を聞かれたことはあるが、それは全員女性客
その目的は、その後どうか?と言う誘うための物
こうして男性に問われたことはもちろん初めてだ
だが同じ質問をしてくると言う事は、これってもしかして?と類を見る

「だから、あんたのバイト時間は何時から何時まで?」
「普段は17時から最終までですけど、それが何か?」

そう答えながらもドキドキだ
目の前にはかなりのイケメン
だがかなり中性的
そっち系だとしてもおかしくない
現に30分ほどの滞在時間で見られている感覚があったし、視線が交わる事もあった

男性は震える手でお金を受け取ると、おつりを類に返す

一方の類は、つくしとバイト時間が被るか聞きたかった
30分ほど二人の様子を盗み見していたところ、かなり親しく映った
体に触れないまでも、その距離30㎝のやり取りは、苛立たせるのに十分だった

「隙、、ありすぎ!」

ほんと、牧野の奴、、隙がありすぎるんだよ!
こいつが好意を抱いていたらどうするんだ?
しかも笑顔で対応してさぁ

一方の男性スタッフは、、
「えっ、、」
と小声で驚きを告げる

類は、おつりを受け取るとすぐに店を出て行ったが、その後ろ姿を見つめながらも思考がついて行かない

今、、
好きと言ったよな?
しかも有りすぎるって?

——好きが有りすぎる

あんなイケメンが、、俺を好き?

えっ? 
マジで?



後編へ続きます

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6 Comments

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2020-03-29 09:52

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2020-03-29 11:24

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2020-03-29 14:39

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りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2020-03-29 16:20

つくしちゃん平謝りです
年に一度の誕生日
盛大にとまではいかなくても、出来るだけ長い時間一緒に祝うつもりだったのでしょう
それこそ一日のデートプランを練り上げていたのでは?
それがパァです
もう謝るしかない!!

そして少しでも長く一緒に居たい類君は、早々にお迎えに
するとそこには若い男性スタッフの姿が、、
嫉妬しまくりの類君

さて、、類君のご機嫌は直るのでしょうか?
お楽しみに

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2020-03-29 16:22

つくしちゃんのバイトを迎えに行った類君
そこで目にしたのは男性スタッフと仲良くしているつくしちゃんの姿
今まで、店内には行ったことの無い類君は、ビックリです
そして嫉妬です

でも、、男性スタッフは、、、えっ?という反応
類君、、相変わらず言葉足らずです
完全に誤解させました

それよりもご機嫌斜めの類君を、どうやって浮上させるのでしょうか?
明日もお楽しみに

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りおりお
Re: シマエナ~様

りおりお  

2020-03-29 16:27

類君の年に一度の誕生日
それが、まさかのバイトとなり、つくしちゃんは平謝り
お人好しと言うか、困っている人を放っておけないんですよねぇ
類君も渋々納得するしかない!!

でも、、少しでも長くいたいですよねぇ
迎えに行けばいいじゃない?で、迎えに行ったのですけどそこで目にしたのは、、
男性スタッフと仲良く仕事をしているつくしちゃん
そりゃあ、同じホールスタッフなら多少話をしますよねぇ
でも類君は嫉妬の炎がメラメラと!

男性スタッフとつくしちゃんのバイトがどれぐらい被るのかチェック!
かなり被っていたんでしょうねぇ
『隙、、ありすぎ』なんですよねぇ

もちろんこの後、BLへと発展しませんよ(笑)
シマエナ~様もお好きなんだから~~( ̄ー ̄)ニヤリ
って事で、嫉妬の炎がメラメラと灯った類君とつくしちゃんの運命やいかに
明日もお楽しみに

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