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恋の魔法

11 つくしの推理

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つくしが目にしたカードは学生証だった
そこには『英徳学園大学部 経営学部 花沢類』の文字
生年月日は印字されているが、自宅住所はどこにも記載されていない

この財布と携帯をどこかで拾い、花沢類という人物になりすました?
でもそれだと21歳という年齢の開きに、すぐに嘘だとバレる

現に、類君は初めから21歳と主張している
普通、名前だけ拝借し、年齢は実年齢を言うだろう

それにここには住所が記載されていない
それでも類君は住所を知っていた

という事は、花沢類という人物を詳しく知っているという事になる

空港で寂しそうに俯いていた姿
花沢邸へ行った時の打ちのめされた姿
そして『警察に連れて行っても良いよ』という切ない声

思えば空港でのやり取りの時も、警察へは行きたくない雰囲気だった
そこから導き出される事へは、、、
やはり花沢類の隠し子?

類君は、父親が花沢類と言う事を知っていた
家族旅行か何かで空港に来た時に、偶然父親を見つけ、家族から離れ後をつけた
そこで自分は花沢類の息子だと告げたけど、相手にしてもらえなかった

それに腹を立て、携帯と財布を盗んだ
困らせようと思っても不思議じゃないし、、

でも花沢類本人は盗られたことに気づかず、どこかへ行く?
まあ、旅行会社のクーポンさえあれば、飛行機には乗れるし旅館にも泊まれる
財布と携帯がなくなっているという事実に気づくのが遅れても不思議ではない
今頃、警察に盗難届をだしているだろう

一方で、、
父親に拒絶された類君は、茫然自失、ショックのあまりその場から動けなくなった
絶対に戻ってくると思っていたから
だからキョロキョロしたり、がっかりと項垂れたりしていた

そこにあたしが声をかけた
自分の本名を名乗らず敢えて花沢類と父親の名前を出したのは、迷子アナウンスを想定しての事
空港内にいる花沢類にもう一度接触するため

この子はかなり頭が良いから、それくらいの事はするはず
それでも何の接触もなかったから、あたしを利用して自宅へ行ったが留守で会えない
もうどうすることも出来ないと悟ったから『警察へ連れて行っても良いよ』という発言が出た
携帯とスマホを盗った事実があるから

じゃあ21歳と主張したのは?
花沢邸で本人を呼び出す為の情報をあたしに与えたかった?

それだけ必死だった
空港で父親を見かけ接触を試みたのに、自分の存在を認めて貰えなかったのはかなりのショックだろう
つい出来心で、父親の財布と携帯を盗り、自分に関心を向けたくなる気持ちも分かる

まさか本当に花沢類という人物が、こんな子供になるとは思えないし、、
とりあえず、もう少し様子を見よう
その間に、類君の家族から連絡が来るかもしれないしね

でも財布と携帯はどうしよう、、
それに、この状態は拉致になるんだよね?

これって警察に行ったら、あたしも捕まるんじゃない?
数日待って、空港から連絡がなければ、もう一度花沢邸へ行こうか?

その頃なら、本人が帰宅しているかもしれないし、逃げ出さずきちんと話し合ってもらえたら解決じゃない?
その時、スマホと携帯もきちんと返せるし

それに、父親の住所を知っているという事は、自分の住所も知っているだろうし何とかなるか?
乗り掛かった舟だし、類君の笑顔を見てみたいし、深く考えるのはやめよう!

つくしは財布をエコバックの中に戻すと、そっとベッドにもぐりこむ
バンザイをしている類の腕を布団の中に入れ、首まで布団をかけると、つくしも目を閉じた




「類君! 朝だよ? 起きて?」
「ん、、、ん?」

類はパチッと目を開け、ガバッと体を起こすと自分の体を見る
そこには小さいままの自分の姿

まだ戻っていないことが分かり、ガクッと項垂れる

「まだ寝ぼけてる? 朝だよ? 顔を洗ったら朝食にしよ?」
「うん。」

元に戻っていないことにガッカリするものの、気分を変える
顔を洗い戻ってくると、こたつの上に料理が乗っている
と言っても、ご飯とみそ汁とお漬物だ

「はい。 座って!」

類は昨日と同じようにクッションの上に座る

「いただきます。 ほらっ、類君も手を合わせて、、『いただきます』するよ?」
「いただきます。」

類は小声で告げた後、箸を手に取る

「いつもこんな食事?」
「いつもはもう少し豪華なんだけどね。 これを食べたら、ショッピングに行こうね。 
類君の服と食材を買いに行こうね。」
「ん。」

もう少し豪華と言っても、ほとんど変わらないのだろう
現にグアム旅行のために、バイトしていたぐらいだし、、

ふと見ると、ご飯の横にコブクロがある

「これ何?」
「あっ、ふりかけ。 ほらっ、おかずがないからね。 でもこれ大人のふりかけなの。 
鮭味だし辛くないから大丈夫かなと思って。」

ふりかけ?
これをどうする訳?
しかも大人用?
という事は子供用という物もあるって事?
でも俺は大人用で十分!!

「当たり前だろ! 大人なんだから!!」

ここは豪快さが大切
そうすれば、体は子供、中身は大人と分かってもらえるはず!
って、そんなアニメがあったよな?

類は、ピッとふりかけの小袋を開けると、それを口の中へサラサラと入れた

「えっ!!」

つくしは固まった
もちろん類はすぐに咽る

「げほっ、、ごほっ、、ごほっ、、」

豪快に口からふりかけを噴き出す類
そこら中に粉が飛び交う

そんな類の背中を、つくしはトントンと叩きながら、、
「何やってるのよ。 くすくす。 ほんと、、子供だよねぇ。 
一度はそのまま食べたくなる気持ちも分かるけど、これはご飯の上にかけるから美味しいんでしょ?」
と言いながら水を差し出す

類はその水を受け取り、一気に流し込む
そうしながらも恥ずかしくて仕方ない

ふりかけって、、ご飯の上にかけるものなんだ
早く言ってくれよな、、
俺、、、バカみたいじゃないか、、


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4 Comments

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-  

2020-02-23 09:34

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-  

2020-02-23 21:54

このコメントは管理人のみ閲覧できます

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りおりお
Re: ビオ〜様

りおりお  

2020-02-24 06:58

確かに、『類君は子供』という前提で色々考えているので、真実には辿りつけませんね
それでも…謎だらけ…と言うことは分かったはず

類君も、一日経ってももとに戻らない事にガッカリです
どうすればもとに戻れるんでしょうね?

類くんが大人らしくしようとすると、それが逆に子供っぽい行動になってしまいます
どうすれば、魔法にかかっていると信じてもらえるかな?

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りおりお
Re: り〜様

りおりお  

2020-02-24 07:01

そうなんですよねぇ…
魔法にかかって、体が小さくなっていると言う事を、誰も信じてくれません
まあ…信じられないですよねえ

類くんは大人であることを証明しようとしても、それが逆に子供っぽく見えてしまう

どうすれば信じてくれるのか?
元に戻るにはどうすれば良いのか?
類くんは悩むでしょうね

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