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恋の魔法

27 告白

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一度、コーヒーで喉をうるおしたつくし
先程までこの信じられない体験の辻褄合わせの為、平気で会話をしていたが、急に現実に戻り居心地が悪い
店内の女性客の視線が痛いほど突き刺さり、コソコソと陰口まで言われているのが分かる

チラリと前を向けば、王子様のようなイケメンと目が合い、ドキドキしてしまう

「あのさ。 牧野。」
「はあい~。」

思わず声に力が入り、変な発音になる
それぐらい緊張マックスだ

その声に類は思わずプッと吹き出す

「プッ。 あんた何て声出してんのさ。」
「だっ、だって////。 緊張するじゃない?」

「何を今更。 俺達、一週間も寝食を共にした仲だろ?」
「確かに。 一緒にご飯を食べて、一緒に並んで寝て、一緒に、、、。」

ここでつくしの言葉が止まり、身を乗り出して尋ねる

「見た? 見たよね? 完全に見たよね!!」

あまりの剣幕に、類はそっぽを向く

「失礼な言い方だな//// 
俺は一人で入れる!って何度も言ったけど、どうしても一緒に入ると言い張ったのは牧野だろ! 
それを言うなら、牧野だって俺のを見ただろ!!」
「そりゃぁ見たわよ! でも、小指ほどの大きさで、、、でも、今のサイズは見てない! あっ////。」

言ってから後悔するとはこの事だ
今のサイズは見ていないという事が、弁明になるとは思わないし、確かに自分の方から一緒に風呂に入ると言い張った

つくしは自分の行動が恥ずかしく俯く

「ごめん。 全て忘れてくれる?」
「ん~~。 それ無理!」

「えっ?」

思わず、つくしは類を見る
そこには照れた顔の類がいる

「もし良ければ、俺と付き合ってくれない?」
「えっ!!」

つくしは驚きで目を見開く

「あんたと一緒に居て、凄く心地良かったんだ。 楽しかったんだ。 
こんな感情になったことがないんだけど、たぶんこれが好きって事なんだと思う。」

時が止まった時、自分の気持ちがあふれ出た
牧野の事が好きなんだ、、、と
だからこのチャンスを逃したくない

「類君があたしを好き?」
「ん////」

言葉は短いが、照れた表情で胸の内を語られ、つくしも嬉しいし同じく照れてしまう
でも不安もある

「あたしも類君が好きだよ?」
「じゃあ。」

類は嬉しそうな表情に変わる
その表情に、つくしの胸はどきんと高鳴るが、今の胸の内をキチンと告げる

「でもそれは5歳児の類君であって、今の類君じゃない!」
「確かにそうだけど、性格とかは一緒だよ? だって今の俺が小さくなったんだし。」

グッと言葉に詰まるつくし
確かに性格は同じだ
5歳児の類君の性格が嫌だと思ったことは一度もない

類君の所為にしたんじゃだめだ
単に、自分自身に自信がないだけだ
言葉を濁して告げてもダメだと判断し、素直な気持ちを吐露する

「でも類君は、花沢物産経営者の子供でしょ? 
それってお付き合いする人も、それなりの人じゃないとダメなんじゃない?」
「それなりの人ってどんな人? どこかの令嬢とかって事?」

「そう。」
「そんな人と俺が上手くいくと思う? でも色々あって気後れする気持ちも分かる。 
とりあえず今から俺ん家に行って、丁度母親がいるし、確認すれば早い話だろ?」

「うん。 そうなんだけど、、」

確かに確認すれば早い話だ
でも事実を突きつけられるのは怖い、、とつくしは思う

「それにさ。 家の者にも誤解を解かないといけないんだ。 
なんでか佳代の奴が大泣きしててさ。 あっ、コーヒーを運んできた使用人なんだけどさ。」
「大泣き? あたしが家を出るときには普通だったけど、何かあったのかな?」

「何か、あんたと俺を引き裂いた?とか、母子の愛情は尊いだとか? あんた、何か言った?」
「普通の挨拶だけど? 
まあ、あたしは花沢類の隠し子が類君だと思っていたから、このまま花沢に任せた方が安心と思ったし、あのままあそこに居たら、小切手を渡されそうだったから急いで帰らなくちゃと思ったんだけど、もう一度類君に別れの挨拶をしてハグして帰りたかったなぁ、、的なことを、、」

「それだ!!」
「えっ?」

「あんたが勘違いしたように、家の者たちも俺の事を花沢類の子供と認識しているだろうし、たぶんあんたの事を母親だと思ってる。」
「えっ? そういえば、おばあさんが、、あっ類君のお母さんがそのような事を、、」

類はしっかりと頷く

「年齢的に俺は高校生だし、羽目を外して出来ちゃった?って思ったんだと思う。」

つくしもそう思っていた
その為、ウンウンと無意識のうちに頷いている

「もちろん、相手は牧野で、その牧野が女手一つで俺の子供を育てていたけど、何か事情があって俺に会いに来た!と思ってるんじゃないかな?」
「それ大変じゃない!! きちんと話して誤解を解かなくちゃ。」

「ん。 でもその前に、、母親があんたとの付き合いに了承したら、俺と付き合ってほしい。」

つくしは悩む
自分では相応しくないのは確実だ
とてもじゃないが、知識も教養も無い

でも、このまま何もなかったことにしたくない
こんな素敵な人と付き合う事は夢物語のような感じだが、思えばこの一週間も同じようなもの
逆に魔法にかかった類君と出会ったことも、魔法使いか何かの導きかもしれない

「うん。 分かった。 こんなあたしで良ければ、類君とお付き合いしたい。」
「ん。 じゃ家に戻ろう?」
「うん。」

二人はカフェを出ると、サッと類がつくしの手を握る
その手は大きく、しっかりと包み込んでいる

「手、、、大きいね。」
「ん。 小さいときは、あんたに握ってもらって凄く安心できた。 
だからこれからは俺があんたの不安を取り除くから。」

凄く頼もしい事を言われ、つくしは照れるが嬉しく思う
そしてこの手がある限り、何にでも立ち向かえそうな気持になる

「離さないでね。」

つくしは小さく呟く
それは類に聞こえるかどうかという小さい物

それでも類の耳にはしっかりと届いた

「もちろん。」
と答えると、その手に力を込めギュっと握りなおした



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8 Comments

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-  

2020-03-26 09:32

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りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2020-03-26 10:21

プチパニックのつくしちゃん
そりゃあ、一緒にお風呂に入ったんですから当たり前ですよね
しかも自分出申し出ているですからねぇ
類君を怒れない(笑)

しかも小指サイズと口走る当たり、、
つくしちゃんもしっかり見ている(笑)

家の格差を気にするつくしちゃん
このチャンスの逃したくない類君

さて、、どうなるかな?

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-  

2020-03-26 11:05

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2020-03-26 11:12

つくしも、理解しました
その上で、コナン状態の類君と色々とやっている事に気づき、、
穴があったら入りたい気分でしょうね

でもまだまだ残っています
コナン状態の類君の事を知っている人が居ますからねぇ
これ、どうやって収拾するんでしょうね?
難しいですね

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-  

2020-03-26 13:07

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-  

2020-03-26 13:25

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2020-03-26 14:28

元の姿に戻った類君は、かなりカッコいいでしょうね
見るだけで満足します(笑)
そんな人から『付き合って?』と言われても悩みますよね
しかも家の格差もあるし、、
さてどうなるかな?

卒業おめでとうございます
今年はコロナウイルスのせいで、かなり簡素化されている中、ご両親で出席出来たのは良かったですね
片親だけという場所が多いので
でもまだまだコロナウイルスは収まりそうにありません
どちらかというとこれから?という感じがします
何とか入学式も無事迎えられることを祈っております
関東の方は、週末は自粛という報道が流れていますからねぇ

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りおりお
Re: シマエナ~様

りおりお  

2020-03-26 14:30

つくしちゃん焦っています
でも、仕方ないですよねぇ
類君と一緒に入ると言ったのは、つくしちゃん自身ですから!
しかも、目の前でプルンプルンさせちゃったら、見てしまいますよぉ(笑)

そして、、
ここぞとばかりに類君は告白
逃がさないように頑張らないとね

それに早く帰らないと、佳代さんが辞めてしまうよぉ
ダッシュだ~~

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