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勝負

40 類とつくし

10


ない! ない! ない~~!!
どこにもミサンガがない!

一体どこに落としたの?
とりあえず帰りにチョコを買った百貨店によってみよう
あっ、その前に社内のゴミ箱を漁る?

と、四つん這いになったままの状態で、アレコレ考えていた

バタンッ!

すると、ドアが開いた音が聞こえた

やばいっ
もう高橋さんが帰ってきた

「あっ、終わりました? すぐに片付けに行きま、、」

あたしの声は、そこで止まった
声だけじゃなく、体もフリーズしたように動けない

なぜなら、、
目の前に類が居たから

な、、んで?
ここに?

すると類はフッと笑みを見せる
変わらない笑顔
あたしが好きになった笑顔の類が目の前にいる

「それは俺のセリフ! あんたこそ何でここに?」
「えっ?」

「あんたの癖! 声に出てたよ!」
「あっ////」

つくしはゆっくりと立ち上がる
地べたに這いつくばっていたところを見られたことが恥ずかしい

「何してたの?」
「えっと、、ちょっと、、探し物をしてて、、」

「ふ~~ん。 四つん這いになるほどに大切な物なんだ。」
「うん。 まあ。 凄く大切な物で、、」

すると類は満面の笑みを見せる
その久しぶりに見る笑顔に、ぽ~と見惚れてしまう

すると、類の後ろから高橋の声が聞こえた

「えっ? 専務? あぁ、、」

高橋は納得を見せる
大学時代の親友に会いに来たんだと

「やっぱりお二人はお知り合いでしたか。 牧野さんも、なんで黙ってたんだ?」
「あっ、別に話すほどの事でもないかと。」

「高橋。 牧野はもう帰っても良いのかな?」
「はい。 片づけがありますけど、牧野が居なくても大丈夫ですので。」

「そっ。 じゃ連れて帰るね。 久しぶりだからいろいろ話をしたくてさ。」
「どうぞ。 牧野もお疲れ様。 ここは俺がやっとくから、帰ると良いよ。」

「えっ? でも、、」
「専務を待たせるのも悪いし、早く行ってこい!」

高橋は命令口調でつくしを急かす
類は上司であり、上司の依頼を断ることは出来ない

「分かりました。 それではお先に失礼します。」
「あぁ。 また明日。」

専務とつくしが出て行くのを見送ると、高橋は自分の席に腰を下ろす
そして持参していたパソコンを開いた
会議録を纏めるためだ

しかしすぐその手が止まる

専務と牧野さんが知り合いだったとしても不思議ではない
同じ大学なんだから、、

でも、話をするような間柄だとは初耳だ
と言うか、専務が女性と話をする?
言っては何だが、風の噂では、専務は女性に目もくれないとか、、
イタリアでもフランスでも仕事一筋と聞くし、パーティーなどでも女性を同行させないらしい

それが、、牧野さんと話をしたい?
久しぶりだというのは分かる
でも、、たかだか大学の先輩後輩だろ?
と言う事は、単なる先輩後輩じゃないという事か?

牧野さんの口から専務の話を聞いたことはない
何故だ?
まあ牧野さんは、自慢するような性格じゃない
普通はこれ見よがしに、『専務といい関係なんですぅ』と言うだろうけど、、

贔屓されていると思われたくないからだろうか?
ただでさえ社長秘書だし、他の秘書達の僻みや妬みは凄かった
でも俺には教えてくれても良かったんじゃない?
少なくとも、牧野さんを誹謗中傷なんてしないし、先輩だし、良き相談相手になれるはずなんだが、、

う~~ん
先輩としての信用がないんだろうか?
それはそれでショックだな、、

とりあえず、さっさと仕事を終わらせて俺も帰ろう
これぐらいの仕事に何時間もかけるようでは、尚更先輩としての信頼を失くすことになるしさ

高橋は、頭を切り替えパソコンに向かった



つくしは、類の後ろを歩きながらもキョロキョロと周りを見る
どこかにミサンガが落ちていないか、、と、、

その姿をチラリと見て、類はクスッと笑いを漏らす

「牧野。 何を探してる?」
「あっ、ちょっと、、。 それより、、。」

つくしは、チラッと田村を窺う
こうして類の秘書と対面するのは初めてだ
エレベーターの前まで来ると、つくしはサッと類の前に出るとボタンを押す
そして類、田村の後に乗り込み、一階のボタンを押すと、田村に向き合った

「あのっ。 挨拶が遅れまして申し訳ありません。 
私、社長第五秘書をしています牧野つくしと申します。 よろしくお願いいたします。」
「あっ、私は類様の第一秘書をしております田村と申します。」

「田村。 この後、もう帰っても良いんだよね?」
「はい。 今夜はゆっくり休まれてください。」

「明日は何時?」
「朝8時20分までに来ていただければ。」

「分かった。 と言う事で、牧野。 これから食事に行こう。」

まだここには田村がいる
こうして気軽について行っても良い物なのだろか?とつくしは悩む

「大丈夫。 もう俺の仕事は終わったし、牧野も終わった。 
オフは何をしても良いんだからさ。 なっ、田村。」
「はい。」

田村は信じられない光景を目にし、なかなか言葉が出ない
イタリア、フランスでは全然女性を近づけることはなかった
それは取引先の大切なお嬢様だとしてもだ

それが、、こんなに気心知れた女性がいたとは、、
しかも自分から食事に誘うという行動まで、、

田村はホッと胸を撫でおろす
少なくとも女性に興味が無かったわけではない
既に想い人が居たから他の人に目が向かなかっただけだ
と瞬時に理解する
それくらい楽しそうな声色で、何時もの冷徹な声色ではない

一階に到着すると、類と田村の前を先導するように歩くつくしに好感も持てる
類と親しい間柄であっても、社屋内では公私混同をしていない
社長秘書にふさわしい行動を心掛けている

玄関前に停まっている車の前まで来ると、運転手が出てきて後部座席のドアを開ける

「牧野も乗って。 田村は前に乗って。」
「畏まりました。」
と素直に田村は乗り込むが、つくしは躊躇う

「私は目的場所まで電車で行くから。」
と小声で告げるが、それをピシャリと類が遮る

「時間の無駄! 大丈夫。 田村も乗っているから。」

かなり注目が集まっている
イタリアから専務が来ていると知った社員が、玄関口に集まっているからだ

とにかくこれ以上押し問答をするのは得策ではないと、つくしは一礼をし後部座席に乗り込んだ

三人を乗せた車は、そのまま静かに走り出した




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10 Comments

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-  

2020-06-30 09:17

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2020-06-30 09:29

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りおりお
Re: 麦~様

りおりお  

2020-06-30 10:25

はいっ!
何にプレイでしょうか?(笑)

でも類君、行動に出てますよ?
このチャンスを逃していませんよ?
それにココはまだ会社ですからね
早く拉致して、、
おっと失礼、、
上手く誘導して二人っきりにならなければ、、でしょ?

お楽しみに

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りおりお
Re: ビオ~様

りおりお  

2020-06-30 10:27

類君、、連れて行きましたね
まあそうですよねぇ
きちんと話をしたいと思っていましたから

でもここは会社
公私混同と思われたくないし、つくしちゃんの立場も考慮して、、

秘書の高橋さんもあれ?と思い始めましたけど、、そうなんですよ!!
田村さんは全てわかったようですけどね

さて、、類君はこのチャンスをどう生かすのか?
つくしちゃんはどうするのか?
お楽しみに

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-  

2020-06-30 10:35

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-  

2020-06-30 12:56

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2020-06-30 14:05

気づきました?
そうなんです
類君は、つくしちゃんが探している物を知っています
でも敢えて教えていません
そしてつくしちゃんが『大切な物』と発言したことが嬉しくて仕方ありません

一方のつくしちゃんも、久しぶりに生で見る類君にドキンドキンと胸が高鳴っています
好きという気持ちを再認識していますね
でもここはまだ会社
フランクに話すことはなかなかできませんよねぇ

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2020-06-30 14:07

再会です
そして類君は、この再会を手放しません
つくしちゃんと食事を行く事にしました

髙橋さんは、まだピンと来ていません
単なる先輩後輩と思っている様子
でも田村さんは流石です
直ぐに理解したようですね

さて、、二人は食事に行くようですけど、どうなるんでしょうね?
楽しんでくださいね

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-  

2020-06-30 14:24

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りおりお
Re: シマエナ~様

りおりお  

2020-06-30 14:59

気づきました?
類君は、つくしちゃんが必死で探している物を知っています
でも敢えて教えません
策士ですよねぇ
そして「大切な物」と言ってくれたことが嬉しくて仕方ないんですよねぇ

髙橋さんは真面目ですよね
だからこそ社長秘書なんでしょう
そしてつくしちゃんの教育が仮なんでしょうね
田村さんもピンときました
流石です

もちろんこの先邪魔をするつもりはないでしょうね
続きをお楽しみに

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