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さくらいろ

4 カメラ

2021/02/16
忘れない忘れないから 4

進ノ介?
いや、、女だよな?
何で女の名前じゃないんだ?

「あのさ。 あんた女だよな?」
「えっ?」

進ノ介と名乗る女性は驚く
もちろん俺もヤバイと思った
覗くつもりはなかったが、結果的に見たのは事実
だが変態とか危ない人物と思われるのは困る
何故なら今頼れるのは目の前の女性しかいないんだから

「実は俺、、未来から来たんだ。 信じられないと思うけど、、」
「ミライ? お前さっきトーキョから来たって言ってたじゃないか!」

「それは町の名前。 俺が言ってるのは次元の話。
信じられないかもしれないけど、俺はこの時代のずっとずっと後の時代から来たんだ。
だからあんたが女性だと気づいたって訳。」

微妙すぎる言い訳だ
しかもこれで信じてもらえるとは思っていない
でも普段あまりしゃべらないし、機転の利いた言葉が全く思い浮かばず、どう説明していいのか分からない
これで信用されるか甚だ疑問だが、他に何も思い浮かばないんだから仕方ない
とりあえず未来から来た事さえ分かってもらえれば、、という気持ちだ

「ずっとずっとミライ? そんなところからどうやってきた訳?」

だよな!!
そこが重要だよな!!

「分からない。 天気が良くて散歩していたら綺麗な黒蝶に出会ってさ。
その蝶の写真を撮ろうとスマホを、、あっ、これがスマホってやつなんだけど。」

俺は掌にスマホを乗せると進ノ介の前に出す

「スマホ? 目眩ましとかあやかしじゃないの?」

進ノ介は掌のスマホをマジマジと見る
でも触ろうとしない
怖いんだろう

「未来ではこれで遠くの人と会話したり、文字を送り合ったりするんだ。」
「こんな小さなもので? この中に人が入っているのか? どうやって入れるんだ?
文字を送るって、、これに文が書けるのか? 書いたものは誰が持って行くんだ?」

進ノ介が疑問を口にしたことにホッとする
気味悪がられ逃げ出すという最悪の事態を免れたから
それならこうして興味を持ってもらった方がマシだ

「未来では電波という物が飛んでいて、それによって運ばれる。 しかもあっという間にさ。」
「へぇ。 未来にはデンパという鳥が文を運ぶのあかぁ。 じゃあこのスマホという物を鳥が運ぶのか?
その鳥はどんな鳥だ? 見られないのか?」

飛ぶという言葉から鳥をイメージしたんだろうけど、、
説明がかなり難しい

「この中に入っているんじゃなくて、周りにたくさん飛んでいるんだけどその姿は誰も見た事がないんだ。
それぐらい速い物なんだ。
でもこの時代にはそれが飛んでいないからこれは使えない。
あっ、でもカメラは使えるか?」
「カメラ?」

俺はカメラの存在に気づいた
カメラなら電波を使わないはず
それにカメラが使えたら写真を見ることが出来る
この時代には決してない写真を見せることが出来れば、少なくともこの時代の人間ではないことぐらい分かってくれるはず

俺は進ノ介を手招きで呼ぶと、俺の横に座らせる
そしてスマホの使い方を説明する

「これで写真という、、まあ綺麗な絵があっという間に描ける。
痛くもかゆくもないからちょっと見てて。」
「うん。」

俺はカメラのシャッター部分をタップする
カシャッ

初めて聞く音に進ノ介はビクッと大きな動揺を見せる
その行動が面白くて仕方ないが必死に笑いを堪える
バカにしていると思われたくないから

「これ、、音がしたよな? もしかして、、生きてる?」
「いや、生き物ではない。 でもこれで写真が撮れたから、、、ここを押すと、、」

俺はサッと操作し、写真フォルダーをタップする
すると滝の写真が現れた

「えっ? なんで? 滝が、、」

進ノ介はスマホの上下左右を顔を近づけて見た後、滝を見る、、、を繰り返す
その行動が俺にはやはり面白く感じる

「何だこれ? あっという間に滝がこの中に入った。
しかも綺麗だ。 その辺の絵かきなんか足元にも及ばない。
しかもこんな色の絵の具見た事ない!」
「一瞬で写し撮り、こうしていつでも見ることが出来る。」

俺は再びカメラをタップし自撮りモードにする
するとパッと俺と進ノ介の顔がスマホに映し出される

「えっ? 誰?」
「俺とあんた。」
「えっ? えっ?」

進ノ介はカメラと俺を交互に見る
進ノ介が類の頬に手を添えれば、スマホの中の俺の頬にも手が添えられる

「えっ? なんで? えっ? えっ?」

俺は我慢しきれずプッと吹き出す

「こうして自分の写真を撮ることも出来る。 ここ見てて。 大丈夫。 全然痛くないから。」
と言いながらサッとタップする

カシャッ

進ノ介は自分の顔をぺたぺた触る
そんな進ノ介の前に、先ほど撮った写真を見せる

「これが、、、俺?」
「そう。」

進ノ介はもう一度スマホを隅々まで見ている
不思議で仕方ないようだ

「信じてくれる? 俺が未来から来たって!」

進ノ介はジッと俺を見る
まっすぐ、、俺の目を見て、、
その黒曜石のような瞳に吸い込まれそうなくらいジッと、、

そして、、

「信じるよ!」



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Comments 4

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2021/02/16 (Tue) 09:19

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2021/02/16 (Tue) 12:51
りおりお

りおりお

Re: ビオ~様

類君、なんとか未来から来た事を証明したくてスマホのカメラ機能を使いました
初めはこわごわだったつくしちゃんも、類君の隣に座りカメラ機能にびっくり!
そりゃあ、驚きますよね
そして無事、未来から来た人と認定されました(笑)
とりあえず類君としては、つくしちゃんに見放されたらこの先どうしていいか分かりませんもんね

でもスマホは貴重
モバイルバッテリーなど以て来ていないでしょう
電気も無いしね
その辺も今後どうするんでしょうね

2021/02/16 (Tue) 16:17
りおりお

りおりお

Re: ゆきり~様

まずは、つくしちゃんを味方につける事を考えた類君
ここでつくしちゃんに見放されたら生きていけませんもんね
そこでスマホのカメラ機能を使いました
無事、未来から来た(個々の人ではない)と言うことは理解してもらえたようです
でもそれで元の世界に戻れるわけではないんですよねぇ
どうしたら戻るんでしょうね

そしてつくしちゃんは、この未来から来た類君をどうするんでしょう?
その辺も是非お楽しみに

2021/02/16 (Tue) 16:19
りおりお
Admin: りおりお
こちらは二次小説『類つく』のお部屋となっております
そういった類の物が嫌いな方は、回れ右をしてご退場ください
ヤフーブログ『類❤だ~い好き』から引っ越して参りました
引き続き類君とつくしちゃんの幸せな姿をお届けできればと思っております
尚、ブロ友は現在受け付けておりません
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