さくらいろ

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in むか~しむかし

海の水はなぜしょっぱい

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今日は、家族で葉山の別荘に来ている
その別荘の前は海だ

美空は、早速水着に着替え、海へと飛び出した

類「危ないよ!」
美「だいじょうぶ~~」

そう言われても、安心できるはずがない
この年頃の子どもは、浅瀬でも簡単に溺れるのだから

類「美空をおいかけるから。 つくしは、ここで涼んでて?」
つ「分かった。 気を付けてね」

という事で、類はダッシュで美空の後を追った

案の定、美空は海の中へ入ろうとしている

類「美空! 危ない!!」
美「あっ、パパ!」

類の声に、美空は後ろを振り向き、笑顔で手を振る
その美空の足を波がさらった

ザザ~ン

途端、美空の身体は、海側によろよろとよろめき、バシャッと海の中にお尻と手をついてしまった

類「ほらっ、、危ないだろ? 
  海は、突然波が高くなったりするんだから、気を付けないとダメだよ?」
美「うん、びっくりした。 あれ? しょっぱい」

どうやら転んだ時に、口の中に海水が入ったようだ

類「ん、、しょっぱいよ!」
美「なんで?」

類「それはね、、、」

類は、昔の記憶を辿り、美空に話しながらも、その頃を思い出していた



先「みんな~~! 海の水は、何故しょっぱいか知ってる?」
「「「 知らな~い 」」」

先「じゃあ、そのお話をします」
と、紙芝居を机の上に乗せる

先「むか~しむかし、百姓の兄弟がいたました
  兄は欲張りで大きな家に住み、弟は正直者だったが貧乏でした」

司「おっ、初めてのパターンじゃね?」
総「あぁ、、兄弟は初めてだよな?」
あ「でも、欲張りと正直者は、よくあるよね?」
類「その欲張りの兄が、悪い事をするんだよ」

先「さあ、、どうかな?
  年の暮れに、弟は米と味噌を借りに兄の家に行くが、欲張りな兄は貸してくれません。
  仕方なくとぼとぼ歩いていると老人が声をかけてきました。
  その老人は弟にこの先のホコラの奥にある洞に行って石でできた動く物を持ってくるようにと言いました。
  ホコラと言うのは、神様を祭る小さな建物の事です。洞と言うのは、自然に出来た穴ね」

司「この兄が、弟に優しくしていれば、きっと事件は起きなかったんだろうな」
総「欲張りでも、血のつながった弟だろ? もっと優しくしてやれよな」
あ「もしかして、、この弟って、働いていなかったんじゃない?」
類「あぁ、、だから兄が、心を鬼にして、貸してあげなかったんだ」

司「あり得るよな。 それに一度貸したら、また貸してと言われるからじゃね?」
総「あぁ、、よくあるよな。 一度貸したら図に乗って、また借りようとするやつ」

四人は、早速色々な方向に妄想を膨らませる
だが、兄を良い人に置き換えており、それだとこの先の話が出来なくなる

先「いいえ、、そうじゃありません。 兄は、すごく欲張りなんです。
  それに、弟は凄く心が優しく働き者なんです!
  でも、優しすぎるから、貧乏なの!って事で、続きを読むよ?」

司「何で優しく働き者の男が、貧乏なんだ? 訳わかんねぇよ」
と司はブツブツと言うが、先生はそれを無視して話を続ける

先「弟は言われるままに、ホコラのそばの暗い穴に入ると、石臼があったのでそれを持って出てきました
  『それはなんでも欲しいものが出てくる石臼じゃ。右に回すと欲しいものがでて、左に回すと止まる。』
  と言って老人は、姿を消しました」

司「姿を消した? 老人が?」
総「それって、、まさか!!」
あ「幽霊?」
類「だね」

先「幽霊じゃありません。 神様です! 神様が、優しい弟にお告げをしたの!」

司「なら、動く石と言わず、石臼を取って来い!って言えよな!」
総「あぁ、、ややこしいんだよ!」
類「意地悪なんじゃない? その神様ってさ」

あ「やっぱり、、幽霊なんじゃ?」
と、あきらは耳を塞ぎながら告げる

先「意地悪じゃありません。 意地悪だったら、最初っから無視するでしょ?」

司「確かに、、」
総「あぁ、、知らんぷりだよな?」
あ「石臼を取りに行かせるところは、意地悪じゃないか?」
類「重たいもんね」

先「はぁ、、あなた達って、どうして素直にお話を聞かないかしら? 
  それに幽霊じゃないからね! 美作君! 何時までも耳を塞がない!
  先を進めるわよ?
  弟はからかわれているのだろうと思いつつ、石臼を家に持って帰り、さっそく『米、出ろ。米、出ろ。』と言って石臼を回すと、
  米がどんどん出てきました。
  こうして弟は裕福な長者になり、他の貧しい人達にも石臼から出たものを分け与えていました」

司「なんで、米でろ!って言うんだ? 黙って石臼を回したら出ないのか?」
総「米よりも、お金出ろ!って言えば良いんじゃないか?」
あ「味噌出ろ!って言ったら、石臼から味噌が出るの?」
類「石臼、、汚れるだろうね。 
  米、味噌、米、味噌、って言ったら、ぐちゃぐちゃになって出てくるよね?」

総「それより、、石臼を回しながら唱えたら、、出てきた米も石にすられて粉々?」
あ「米粒じゃなくなるよな? えっと、、米粉?」
類「米粉でパンを作ったら、モチモチするんだよ? 知ってる?」

先「優しい弟は、米としか言わなかったので大丈夫よ。 それに米粒がでるの! 米粉にはならないからね!
  それに、お金よりも米と言った方が、すぐに食べられるし嬉しいでしょ?」
と、何時もの事ならが、4人の呟きに、必死に答える先生

あ「先生、、もしかして知らないの? 米はそのままだと食べられないんだよ?」
あ「炊飯器に入れて、米を炊かないと、、」

先「ぐっ! それぐらい知っています!
  話をつづけるわよ?
  弟が急に長者になったことに不思議に思った兄は、秘密をかぎつけて石臼を盗み出し、
  船に乗って海を越えて向こうの国で大金持ちになろうと思いました」

司「なんでだ? その土地で大金持ちになればいいじゃねえか?」
総「あぁ、、その石臼があれば、ずっと米が出てくるんだろ?
  それに、弟に言えば、いくらでも石臼を貸してくれただろ?」

あ「あっ、、兄としてのプライド? 弟に負けたくなかったんじゃない?
  でも、隣同士だと、どうしても比べられるし、石臼は弟の物だろ?
  いつ、もう貸さない!と言われるかもしれないし」

類「今まで、意地悪してきたからね。 弟も簡単に貸すはずがないよ。
  それに、海を越えるって所が微妙、、絶対、何か起こりそう」

司「あっ、、お椀の船で行ったとか?」
総「それ、、一寸法師だろ?」

司「あっ、、睡蓮の葉っぱか?」
総「それ、、親指姫だろ?」

司「じゃあ、、何の船で行ったんだ?」
と、頭を悩ませる司に、先生がぴしゃりと言い放つ!

先「普通の船です! はい、続けるわよ、、
  無事、石臼を盗み出した兄は、、」

司「家のセキュリティーはきちんとしろよな! だから盗まれるんだよ!」

先「そうね、しっかり鍵をかけておこうね。 じゃ、続けます
  船に石臼を乗せ、海へと漕ぎ出した兄は、弟の家から持ってきた饅頭を食べたあと、塩が欲しくなり、
  さっそく石臼を回して塩を出しました」

司「おいおい、、石臼だけを盗んだんじゃねぇのかよ」
総「饅頭まで盗むって、、こいつ腹が減ってたのか?」
あ「僕なら、まんじゅうじゃ無くケーキを盗む」
類「僕は、、、イチゴ。 イチゴが食べたい」

先「はいはい。 この時代に、ケーキやイチゴはありません」
類「イチゴはあると思うけど、、、」

鋭い所を指摘され、先生はウッと言葉を詰まらせながらも、、

先「たまたま、弟の家にはイチゴが無かったの! 話を続けるわよ?
  船の上で、塩が出てきたのですが、止め方を知らなかったので、塩はずっと出てきます
  そしてとうとう、船を沈めてしまいました
  今でもその石臼は海の底で塩を出し続けているそうです」

司「だから言っただろ? 海に出るな!ってさ」
総「あぁ、、これが陸だったら、こうならなかったのにさ」
あ「って事は、海の水がしょっぱいのは、石臼が動いているから?」

類「じゃあ、、砂糖、、って言えば、海は甘かったの?」
司「ケチャップと言えば、赤い海?」
総「マヨネーズと言えば、白い海?」

司「やっぱ、赤や白の海は嫌だなぁ」
総「なんか、ベトベトしそう、、、」

あ「でも、ずっと石臼が動いているってすごくない?
  この前、ママが電子レンジが壊れたって言っていたけど、石臼は壊れないの?」

類「神様の魔法がかかった石臼なんじゃない?」

司「なるほどな、、だから壊れないんだ」
総「司! お前んとこのクルーザーで、その石臼を探しに行こうぜ?」
あ「僕も行きたい!」
類「僕も、行く」

司「お!良いぜ! 今度の休みに、一緒に行こうぜ!」
総「やっりぃ! 石臼が見つかったら何を願おうかな? やっぱり抹茶かな?」
あ「僕は、、、小麦粉? ママに美味しいケーキを焼いてもらう」
類「僕は、オレンジジュース。 海をオレンジジュースにする
  そして喉が乾いたら、海の水をごくごく飲む」

先「はいはい、、海に行くときは、大人の人と一緒に行くのよ?
  気を付けてね」




美「じゃあ、海の中には、まだ石臼が回ってるの?」
類「そう言われてるよ? 探しに行く?」

すると美空は悩む

美「ううん。 だって泳げないから、、」
類「くすっ、、そうだったな。 じゃあ、泳げるようになったら探しに行こうか?」

美「うん、、そうする。 パパも一緒に探してね」
類「パパも、美空の頃に探しに行ったんだけど、見つからなかったんだよな」

美「じゃあ今度は見つかるかも?」
類「だな、、」

クスッ、、と笑いながら、浮き輪にすっぽりと入っている美空を、ゆっくりと引っ張る

もし見つかったら、、今度こそ、オレンジジュースを願おうかな?
でも、、それだと皆が一気に飲み干し、海が干からびてしまうだろうか?

海水浴が出来なくなると、美空も困るだろうし、、
やっぱり、、今のままの方がいいのかも♪




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