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また、明日ね

3 瞬間

13
玄関を開けると、そこには道明寺が立っていた

「どう、、みょう、、じ、、」
「おう! 久しぶりだな! 牧野!!」

「久しぶり、、って、どうしたの? 突然、、」
「ホワイトデーだろ? だから、お前に会いに来たんだよ!」

「会いに来た、、って。 なんで突然?」
「お前なぁ。 それが恋人に対する言葉か? 
連絡しなかったのは悪いと思うけどよぉ、、、俺も仕事がずれ込む可能性もあったしよぉ、、 
そうなると、お前に期待させてガッカリさせる事になるだろ?」

つくしは言葉にならない
確かに突然すぎて、今も目の前に道明寺がいるのが信じられないのだが、、
それに、スーツ姿の道明寺を見ると、ここに来るまでの間も、仕事をしていたのかもしれない

ジロジロと見るつくしとは対照的に、司はポッと頬を染める

「お前、、なんでそんなにオシャレしてんだ? それになんか、、女っぽくなったよな」
「えっ?」

司の表情につられ、つくしもポッと頬を染める
それに、こうして自分を褒めてくれたことがむず痒く感じる

「とりあえず、、どっか行こうぜ? せっかく半日だけど休日をもぎ取ったんだし、今後の事も相談しようぜ」
「あっ、、と、、」

ここに来て、つくしは類と約束がある事を思い出す
だが、この短気な恋人が、その事を知ればきっと暴れ出すに違いない
それに、先ほど褒めてもらった服装も、類と出かける為だったと知れば、きっと手が付けられなくなってしまう
それに、類が悪者にされる可能性がある

そんなつくしの気持ちが分かったのか、後ろから進が声を出す

「姉ちゃん。 後は俺に任せといて。 とりあえず、道明寺さんと出かけてくれば? 
道明寺さんも、姉ちゃんと過ごすホワイトデーの為に、わざわざ帰国してくれたんだろうし」
「おっ、、弟! お前元気か?」

司は、つくしの後ろに弟がいる事に、この時点でやっと気づく
進としても、ずっと姉の後ろから司を見ていたにもかかわらず、眼中に入っていなかったことに苦笑しかない

「はい。 元気です。 じゃ、姉の事よろしくお願いします」
「おう! じゃまたな」

つくしは振り返り、視線だけで進に伝える

「悪いけど、、後の事はよろしくね」
「うん。 分かった。 じゃ楽しんでね」
「うん、、、」

もうすぐ類が来る時間だ
今から道明寺に隠れて連絡をしたとしても、既に家を出ている可能性が高い
それに、家に料理とケーキを持って来ると言っていた為、確実にこの家に寄る事は確かだ

ならば、、さっさと道明寺を連れ出した方が得策だ
自分が何を言われても構わないが、類まで悪者にされるのは申し訳ない

単に、自分が寂しいホワイトデーを過ごすことを気遣って、申し出てくれたことなんだから

「じゃ、、行こうか?」
「おう」

こうして司とつくしは、家を後にした


二人が出ていった後、一人残された進は、頭を横に振る

ほんと、、姉ちゃんの気持ちが分からない
僕なら断然類さんを選ぶのにな

そりゃ、道明寺さんも男の俺から見ても、かっこいいし仕事も出来る人だと思う
それに一途で、姉ちゃんだけを見てくれると思う

けど、、僕達と関わり合いたくないような感じがヒシヒシと伝わる
このまま順調に交際が進めば、何時かは道明寺さんが義兄さんとなるんだろうけど、、
たぶん、戸籍上の関係だけになるんだろうな

それよりは、類さんの様に僕達の事にも気をかけてくれる義兄さんの方が、僕は好きだけど、、、って、単に僕の気持ちが類さん寄りって事なんだろうけどさ

それに、、姉ちゃんの気持ちは、本当に道明寺さんに向かっているんだろうか?
今日だって、久しぶりに類さんと食事するんだって張り切っていたし、あの行動はどう見ても親友に対する物じゃなく、恋人に対する物のような感じがするんだけど?

類さんが、姉ちゃんを奪えばよいのに、、
まあ、道明寺さんとは親友だし、それが出来ないのも判るんだけど、、
でも類さんも姉ちゃんの事が好きだよな?
でないと、こうして僕ん家の事情を気に掛けるはずがないしさ

しかし、、道明寺さんも類さんも、なんであんな姉ちゃんが良いんだろ?
容姿だってごくごく普通だし、がさつだし、女っぽくないし、僕に暴力をふるうし、実家はこんなに貧乏だしさ


ピンポ~~ン

インターホンが鳴り、進の思考がストップする

「は~~い」

返事をしながらも、相手にどうやって伝えようかと、悩みながら玄関へ向かった







シェフが張り切って料理とケーキを作ったらしく、思いの外、大きな紙袋を持たされた

「楽しんでくださいませ」

しかも、佳代なんて含み笑いをして俺を送り出す始末
なんか誤解しているんじゃないだろうか?
俺はただ、、親友の彼女が寂しくないようにとの思いで、、
と言い訳しようとしたが、それを止めた

何を言っても、俺の表情に現れているのかもしれない
俺自身、今日のレストランの予約をするとき、張り切っていたのを覚えているんだから

そして車に乗り込み、もうすぐ牧野の家に着くと言うところで、司の車を見つけた
なんで司が?

「ちょっと停めて」

少し離れた場所で、車を停めさせる
すると案の定、司の車は牧野家の前で停まった
そして、久しぶりに見る親友が姿を現した
スーツを着ている事から、先ほどまで仕事をしていたことが分かる

その親友が、颯爽と鉄階段を上がり、牧野家のドアの前で立ち止まった
すると見慣れたドアが開き、暫くの後、牧野が姿を現し司と共に階段を下り、道明寺の車に乗り込んで走り去った

可愛い恰好をしていた
そりゃ、久しぶりに会う恋人だし、今日はホワイトデーだし、、
何時もよりオシャレをするのも頷ける

何時連絡があったんだろうか?
いや、司の事だから突然来たのかもしれない

でも、、司が来た時点で、俺に断りの連絡をしてくれても良いのに、、
まあ、変な誤解を招き、あいつの心証を悪くしたくないのかもしれない
それとも恋人を目の前にし、俺との約束なんて既に頭の片隅にもなかったかもしれない

ふっ、、醜い嫉妬だ
牧野はそんな奴じゃない事ぐらい、俺が一番よく知っているのに

このまま邸へ帰ろうか、、とも思ったが、大きな紙袋がいやでも目に入る

「ここで降りるから。 帰るときには、また連絡する」
「かしこまりました」

とりあえず、牧野家にこれを届けよう
ママさんはパートだろうし、誰もいなければ入り口にでも置いておこうかな?

重い脚を動かしながら、鉄階段を上がり、見慣れたインターホンを押す
すると、進の声がした

良かった
少なくとも、これを渡すことが出来る

「あっ、類さん」
「こんにちは。 これ、、」

大きな紙袋を進に渡すと、申し訳なさそうな顔をしながら、それを受け取り、、

「ありがとうございます。 あのっ、、類さん。 実は姉ちゃんなんですが、、」
「知ってる。 司が来たんだろ? さっき見えたから」

「そうなんです。 突然来て、、、」
「良かったじゃん。 司が来てさ。 あいつも仕事が忙しいのに、ホワイトデーを覚えていたんだ。 
それにやっぱり恋人と過ごす方が楽しいだろうしさ」

何を弟に言っているんだろ?
これじゃまるで牧野の代わりに、進に愚痴っているみたいだよな

「ごめん。 じゃ、ママさんによろしく伝えて?」
「あっ類さん。 
姉ちゃん、今日は朝から何度も服を着替えてて、類さんと出かけるの凄く楽しみにしていたんです。
だから、、」

だから?
それでもやはり、、俺は親友であって、司は恋人
だから牧野は司と共に出かけていった
それが事実だろ?

「ありがと。 気を遣わせたみたいだね。 じゃ、、」

何でも無いふりをし、進に微笑んだ後、静かにドアを閉める
途端、空気が寒々するのを感じる

仕方ない
俺は親友であって恋人ではないんだから

それが良く分かった瞬間だった




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13 Comments

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2018-02-23 09:20

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2018-02-23 09:33

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2018-02-23 09:41

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2018-02-23 10:04

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りおりお
Re: ノエ様

りおりお  

2018-02-23 10:12

こんにちは

こちらは、日中はポカポカとした陽気で、春の足音を感じさせてくれます
風も無いし過ごしやすいです
世界地図で見ると小さな国ですが、これだけ天気が違っているとかなり大きいんだな、と感じますね

さてお話、、
類君、辛いですね
でもそう感じてもおかしくない
類君は親友であって司君は恋人
その司君が来たんなら、つくしちゃんは司君と出かけるのが筋
わかってはいるんですが、辛いです

原作でもそうですが、類君はつくしちゃんとその家族を愛していますよね
でも司君は、つくしちゃんオンリーです
それで良いのか?と、何度もツッコミたくなりました

さて、、この気持ちがプロローグに繋がるのかヤキモキする所ですが、、
もう少しお待ちくださいね

何度も言いますが、私はS嬢が嫌いです(笑)

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りおりお
Re: ゆきり~様

りおりお  

2018-02-23 10:15

こんにちは

類君、、辛いですね
わかってはいた事です
司君は恋人、自分は親友
わかっていたんだけど、それが目の前で二人の姿を見ると辛いですね
しかも、今まで梨の礫だったのに、急に現れて攫って行く感じがして
でも、、司君は恋人、自分は親友、、心の中で何度も思っているでしょう

原作でも、どうしてもっと積極的にならなかったのか?
NYでのシーンのように、どうしてもっとグイグイいかなかったのか?
それよりなにより、つくしちゃんがなぜ類君を選ばなかったのか?
やはり、永遠の謎です
つくしちゃんの恋心が判らない~~(>_<)

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りおりお
Re: おち~様

りおりお  

2018-02-23 10:18

こんにちは

類君、、正念場でしょうか?
見守るだけが愛じゃないですよね?
欲しいと思ったら行動しなくっちゃ
でも、その見守る愛も好きだなぁ
自分だけを見つめて、最善の行動をしてくれる類君がやっぱり好きだなぁ
と思いますよね

そして、、はい、信じてください(笑)
S嬢が嫌いな私が、プロローグに敢えて持って来た理由
いつか納得してくれると思っています(笑)

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りおりお
Re: 凪子さん

りおりお  

2018-02-23 10:22

こんにちは

もちろん、幸せにしますよ~~❤
類君の気持ちは、原作から引き継がれていますよね
原作も、何度も気持ちを吐露してフラれて、それでもその時が来るまで離れられなくて
あぁ、、類~~~(>_<)

叫びましょう(笑)

でも、こんな類も素敵です
そして私は、類を選びます(キリッ)

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2018-02-23 10:22

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2018-02-23 10:51

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りおりお
Re: ゆきた~様

りおりお  

2018-02-23 11:26

こんにちは

司君なりのサプライズでしょうが、類君の落ち込みぶりは半端有りません
類君も、かなり楽しみにしていたし、これが最後かも?と思いつつも、司君からの連絡が無ければ後一年こうして過ごせると思っていたでしょうから

つくしちゃんは、久し振りの恋人とどうすごすんでしょう?
類君との違いに気が付くでしょうか?

是非お楽しみに

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2018-02-23 13:28

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りおりお
Re: り~様

りおりお  

2018-02-23 14:12

こんにちは

類は、つくしの本当の気持ちに気付いていません
だからこそ、今まで影となり支えるだけにとどまっていました
そして、司君が現れた途端、つくしちゃんが出かけていった事に、
親友と恋人との格の違いを見せつけられた感じで意気消沈しています

進の言葉も、単に自分を慰めてくれている様にしか聞こえないのでしょう

さて、、この事で、類君はどうなる?
そしてつくしちゃんは?
そろそろ、自分の気持ちに気付くかな?

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