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また、明日ね

7 疑惑

12
花沢邸では、類とあきら、総二郎がドアを挟んで見つめ合っていた

「類、、お前、大丈夫か?」
「頭を打ったのか? それに顔も少し腫れているみてぇだな」

「でもそれぐれぇで済んで良かったぜ」
「あぁ、、お前の車に、誰かがイタズラしたんだろ? んとに、ぜってぇ許さねぇ。
必ず犯人を見つけ出してやる!」

「あぁ、、丁度司も日本に帰って来てんだ。 
あいつなら警視総監も動かせるし、ぜってぇ見つけて、この落とし前をつけてやろうぜ」
「だな。 いたずらにしては度が過ぎてるしよ!」

と次々に、憤りをあらわにする
そんな二人の耳に、類の不安げな声が聞こえた

「誰? お前ら、、」

その言葉に、二人は思わず類をマジマジと見る

「はっ?」
「何言ってんだ?」

それに対抗するように、類もマジマジと二人を見つめる
そこへ、佳代がお茶を持ってきた

「あっ、、美作様、西門様、ようお越しくださいました」
「佳代さん、、あのっ、類の奴、どこかおかしと言うか、、」

佳代は、ワゴンを室内に入れると、二人に向きなおり、不安そうな表情で告げる

「はい。 実は、頭を少し打っておりまして、記憶喪失になられておられます」
「記憶喪失?」

「でも、脳波に異常はありませんでしたので、一過性の物のようです。 
事故のショックで、記憶が混乱しているのでは?と言われておりまして、しばらく様子を見る事に、、」

なるほど、、と、二人は安堵する
確かに、事故のショックは相当の物だろうと納得する

佳代は、二人にお辞儀をした後、部屋を後にする

「とりあえず、、無事で良かったな」
「あぁ、、記憶ぐらい、すぐに戻るから気にするなよ」

と言いながら、二人はベッドの端に腰掛ける
そして、お茶に手をつけ、のんびりと寛ぎ始めた
その為、類もベッドの端に腰掛ける

「それにしても良かったなぁ。 怪我が大した事なくてよぉ」
「まあ、、記憶の事は深く考えるなよ」
と、類の背中を叩きながら励ます

「あぁ。 それで、、お前ら、、誰?」
そう言われても、類にしては誰かも判らない

「おっと、、そうだったな。 俺はあきら」
「俺は総二郎。 お前とは幼稚舎からの幼馴染だよ」

「あきらとそうじろう、、あきら、、と、、そうじろう、、」

類は、何度もその名前を口ずさむ
それは必死に思い出そうとしているように、二人には見える

「まっ、明日には思い出すかもしれねぇし、深く考えるなよ」
「そうそう。 考えすぎると逆に良くねぇぞ」
「あぁ、、」

「おっ、そうだ。 司にお前の事を話したら、急いでこっちに来るってよ!」
「あいつも突然だよな。 まあ、ホワイトデーだし、牧野に会いに来たんだろうけどよ」

「つかさ?」

新たな名前に、類は再び思案顔になる
その類を安心させるために、二人は司の説明を始める

「あぁ、、俺達の親友だよ。 もちろん、お前とも腐れ縁でさ、大学からNYに行ってんだ」
「まっ、あいつの仕事の主流はNYだし、大学と仕事の二足のワラジって所だな」

「へぇ、、NYに。 凄いな、、」


すると、突然ドアが開く

バタンッ

「おい! 類! 大丈夫か!!」
「類、、大丈夫?」

突然ドアが開いたと思ったら、そのまま部屋の中にずかずかと入ってきて、目の前で立ち止る
その威圧感たっぷりの男に、類は圧倒される
そんな中、心配そうな声も聞こえる

「怪我の状態は?」

類は、この時初めて視線をつくしに移す、そして再び司に移動させる

「あんた達、、誰?」

途端、目の前の二人は驚愕の表情を見せる

「おい、、類、、お前、何言って、、」
「類?」

すると類に変わり、あきらが口を開く

「事故で頭を強打し、記憶を失くしているらしい。 だが一過性の物らしいし、そのうち思い出すらしいぜ? 
脳波に異常はなかったし、、まあ、様子を見るって感じだな」

それを聞き、司は安堵の表情を浮かべる

「脳波に異常が無かったなら大丈夫だよな? 確かに、顔も腫れているし、それらが落ち着く頃には思い出すか?」

ただ、、つくしは何か違和感を感じる
だがその前に、事故の経緯を知りたい

「事故って、どのあたりで? 何時頃?」
「元麻布付近らしいぜ? 時間は14時前かな?」

類の代わりに、あきらがそれを伝える
そして、総二郎が事故の状況を説明する

「花沢の車に、誰かがマキビシのような物を撒いたらしいぜ? 
それによりパンクをした車が、大きくハンドルを取られ、急ブレーキをかけ何とか停まったんだけど、類は窓に頭を強打したらしい」
「誰だ!! 誰がマキビシを!! ぜってぇ許さねぇ!!」

司は声を荒げて憤る
もちろん、それは皆も同じだ
だが、類だけは穏やかな声で、それを諫める

「確かに、イタズラにしては度が超えているけど、怪我は大した事ないから、、」
「バカか! 記憶を失くすほどの重症だろうが!!」

「でも、そのうち思い出すらしいし、そんなに深刻にならなくて良いと聞いているし」
「そんな呑気な事言ってられるか! イタズラだとしても、運が悪けりゃ死んでいたかもしれねぇんだぞ!!」

「だよな! 今回は、たまたま運が良かっただけだしよ!」
「あぁ、、それに、お前を狙った物かもしれねぇしよ」

つくしは、その四人のやり取りの間、ずっと類を凝視していた

どこか、、雰囲気が違う
頭を打っているし顔も腫れているから、そう思うのかもしれない

でも、、記憶が無いのに、こんな表情をするだろうか?
少なくとも、高校生の頃、あたしを初めて見た時の類は、ギロリと凄い視線で睨みつけた
でもそれが今は無い

三人が、類の事故についてあれこれと憤っているのを、必死で宥めているのもおかしい
記憶の無い類なら、、どちらかと言うと知らんぷりするんじゃないだろうか?
勝手に犯人捜しをすれば?と言うような、、そんな他人任せのような、、
でも、興奮している三人を、必死に宥めているようにしか見える

――何かがおかしい

つくしは、意を決し類の目の前に顔を近づける

「ちょっと、、腫れている部分を見せてくれる?」
「えっ?」

つくしは、返事を待たずにグイッと顎を持ち固定する
右側の瞼や頬あたりは腫れているが、傷などは一切ない
そしてジッと瞳を見る

――えっ?
―――違う!

「おい! 牧野!! そんなに顔を近づけるなよ!!」

その行動に、司は焦りながら、すぐにつくしの身体を引きはがす

「んとに、、お前と言うやつは、、 そんなに近づいたら、、そのっ////、、息がかかんだろうが!」

司は、真っ赤になりながら告げるが、その司の表情を見て、あきらと総二郎はげらげらと笑う

「息が掛かるぐれぇ良いじゃねぇか!」
「どれだけ嫉妬深いんだよ!! お前、相変わらずだな」

「うっせ~~~! 嫌なもんは嫌なんだよ!!」

三人が、ヤイヤイ言い合っている間も、つくしの頭の中ではぐるぐるといろんな事が目まぐるしく回っていた

違う
この人は、類じゃない

じゃあ、、この人は誰?
類は、、どこ?




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12 Comments

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2018-02-27 09:49

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2018-02-27 10:06

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2018-02-27 10:27

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Re: ゆきり〜様

りおりお  

2018-02-27 13:34

こんにちは

つくしちゃんは、類君の態度に違和感だらけです
確かに記憶のない今、変わらぬ笑顔を向ける事は無いんですが、ちょっとした仕草も変わってる…

でも、それを感じるのはつくしちゃんだけです
他の人は、違和感を感じません

どうなるんでしょうね?

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Re: ノエ様

りおりお  

2018-02-27 14:33

こんにちは

小学校低学年は、授業中でも中々じっと出来ない!
集中力がないんでしょうね
ご苦労様です

さて、お話…
つくしちゃんだけが、違和感を感じています
他の誰も気づかないのに!
顔が腫れているのは、事故のせいですが、類君の側にずっといたつくしちゃんだから分る微妙な違い…
単につくしちゃんの思い込みだけなのか?
明日もお楽しみに〜
でも…これで謎は解けたかな?

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Re: てる〜様

りおりお  

2018-02-27 14:36

こんにちは

類君の違和感…
つくしちゃんだけが感じています
でも、他の誰も気づかない…

単に、つくしちゃんの思い込みなのか?
記憶喪失により、性格まで変わったのか?
性格が変わったとしても、微妙なクセまで変わるものなのか?

そして、つくしちゃんだけが違和感を感じるほど、うくしちゃんの心は類君に占められている!と、早く気づいて欲しいなぁ

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2018-02-27 15:13

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2018-02-27 15:32

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2018-02-27 15:41

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Re: おち〜様

りおりお  

2018-02-27 15:47

こんにちは

やっと…落ち着けましたか?

つくしちゃんだけが感じる違和感
それを確かめるように、類君の瞳を覗き込みました
やはり…違うと確信しました
でも、誰も違和感を感じない…

つくしちゃんだけが感じる違和感…
それだけ類君の事をよく分かっているって事なんだけど…自分の気持ちに気づいてくれたかな?

おち〜様のモヤモヤが解消され、やっと安眠てきますね(笑)

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Re: り〜様

りおりお  

2018-02-27 15:49

こんにちは

つくしちゃんが感じる違和感
それを確かめるように瞳を覗き込みました
そして確信しました!

じぁあ、本物はどこ?
と、なりますよね?

つくしちゃんも自分の気持ちに気づいたかな?

その辺も含めて…明日もお楽しみに〜

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Re: ゆきた〜様

りおりお  

2018-02-27 16:14

こんにちは

つくしちゃんが感じた違和感
そして、確信
でも、誰も類くんが別人だと気がつきません
本当に別人なのか?
だとすれば、本物の類くんは?

そろそろ、つくしちゃんも自分の気持ちに気がついても良い頃ですね

明日もお楽しみに!

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